現代医学的な見地からみると
不妊症とは、特に避妊もしていないのに、結婚後2年以上たっても妊娠しない場合をいい、およそ10%の夫婦にみられます。
不妊症には一度も妊娠しない「原発不妊」と、少なくとも一度は妊娠したことがあるが、その後ずっと妊娠しない「続発不妊」があります。
原因は男性にある場合と、女性にある場合、その両方にある場合も考えられます。
妊娠の条件
1.排卵
2.卵子の卵管内捕捉
3.精子の膣内射精
4.精子の数
5.精子の子宮内上昇
6.卵管内受精
7.受精卵の子宮内へ移動
8.着床
9.子宮内で成育
不妊症の場合は上記の9条件のどれかを妨げる障害があるとみていいと思われますが、特に原因の分からないものもあります。
女性が不妊症になる主な原因
1.卵巣、下垂体、副腎、甲状腺等のホルモン系統の異常
2.外陰や膣の異常
3.発育不全や後屈、内膜症等の子宮の異常
4.狭窄等の卵管の異常
5.免疫学的なもの
6.心理的なもの等
男性不妊では無精子症等があります。
治療法としてはホルモン投与、排卵誘発剤、人工受精等があります。
東洋医学ではどうか
杉山三部書に「それ女は十四なる時、月水行り、男は十六なる時、陽精行く、是皆陰陽の数に合う。それ人に夫婦あるは天地の如し、天地の道は陰陽和合して男女を生ず、故に女は先ず月水調う、月水調えば万病生ぜず、万病生ぜざれば孕む事を為す」と、また「婦人子無きものは気血倶に虚するなり。」とあ
ります。
子は父母より先天の原気を受けて生まれます。腎はこの先天の原気、つまり精気を蔵する所であり、子孫を生む生殖作用及び生殖器を主ります。従って不妊を気血の変動と捉える場合、ますは腎を中心に考え
ますが、実際の臨床では脉証、腹証、症状等から証を立てなければなりません。
また婦人科は下焦と考えれば三焦経にも注目する必要があります。
標治法としては腎兪、命門、気海、関元、中極、石門や八?穴等、またムノ部の処置により効果があります。上記の穴に灸も良いでしょう。
不妊は冷えからくることが多いので体を温めることが大切です。
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