小児喘息  【ホーム】【戻る


 一般に小児喘息という場合、喘息様気管支炎と気管支喘息とがあリます。喘息様気管支炎は風邪を引くとゼイゼイいって呼吸が苦しくなるもので、その多くは3才位までに治リます。これに対して気管支喘息は、呼吸をする際に「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」という音(喘鳴)や咳、呼吸困難などの発作を繰り返す病気です。乳児には少なく、1〜2才から多くなるものです。その多くはアレルギー疾患で、遺伝的要素が大きいものです。近年は増加傾向にあります。
 発作はアレルギーを起こす物質(ハウスダスト、花粉、カビ等)の吸入により気道が狭くなるために起こるものです。気道の筋肉の収縮や粘膜の浮腫み、痰が詰まること等によります。この時狭くなった気道で空気を出入りするには普段より多くのエネルギーを消費するので呼吸困難の症状が起こります。
 また狭くなった気道を空気が通るときに渦ができるのでそれが喘鳴として聞こえるのです。
 発作を起こすと気道は更に過敏になり、ますます発作を起こしやすくなるという悪循環に陥ります。
 喘息の最大の特徴は気道過敏性の亢進で、発作の原因が何であれ、小発作を1回でも起こすと一週間は気道過敏性が亢進します。2〜3日続くと二週間、中発作が2〜3日なら三週間、大発作なら四週間、気道過敏性亢進の状態が続きます。
 大切なことは日頃から発作を起こさないよう予防すること。
 西洋医学による治療は発作時には気管支拡張剤や去痰剤、交感神経刺激剤等の内服や注射、吸入。また減感作療法(原因物質の薄いエキスを少量から少しずつ増して注射し、体を慣らす方法)も行なわれます。何れにしても対症療法の域をでないのです。

 小児の鍼灸治療について
 原論には「新生児より十才くらいまでを小児というが、この年代は発育が活発であるから肌は滑らかで、気血の動きも速い。従って極めて僅かな治療量で事足りる。」とあります
 小児は未だ経絡が完成していませんので型通りの望・聞・問・切は行なえませんが、ほぼ大人に準じて証を決定します。咳・鼻水・皮膚病等は肺経の虚と診て、肺・脾・大腸・胃経を用い、食欲不振・下痢・疲れ・痩せる等は脾経の虚として脾・心包・胃・三焦経を用います。神経質に泣きわめき、眠らない等は肝経の虚と診て、肝・胆・膀胱・三焦経等を用います。滲出性体質でブクブク肥りの子供は、水分代謝障害を来しているもので、これは腎経の虚として、腎・肺・大腸・膀胱経を用います。
 古典における小児の病床は、大別して五疳と称される疳虫症(精神的アンバランス)と、驚風といって内外の邪気による急性、慢性のの病に分けられます。
 疳虫症の治療は概ね補法によって行い、急慢驚風症は陽経に瀉法を加えなければなりません。部位的にその施術法を考えると、胸・腹は補的に、頭は瀉的に行ないますが、背腰部は病証に随い補瀉共に行ないます。
 次に小児の脉診は左右の脉所を比較して右が弱ければ肺か脾とし、このうち呼吸器系統の病症は肺虚、消化器系統の病症は脾虚とします。また左が弱いもののうち神経質に泣きわめくのは肝虚、ブクブク肥りのものは腎虚とします。
 小児の治療で特に注意しなければならない事は、決して痛みや熱さを与えてはならないので、最初は効果をねらうことよりも治療に慣れさせることが大事です。またドーゼに十分注意しなければなりません。


脈診流経絡治療・はり灸・小児はり
秋 山 治 療 院
八王子市楢原町1817-2
042-624-6561

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