安産の灸 | |
お母さんになられる方へ 漢方医学にはつわり・安産等のための名灸穴がたくさんあります。このすばらしいものを、少しでも多くの方に知っていただき、実行していただきたい。 |
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このお灸は、お産を楽にし、赤ちゃんが元気に」生まれ、良いおっぱいがでて、産後の肥立ちを良くする、素晴らしいお灸です。 | |
★★お灸の効果★★ | |
お母さんの体調を整え、妊娠中の足のむくみやだるさが取れ、出産時には陣痛が軽くすみます。また、子宮内の胎児の条件を整え、先天的な元気を持って、胃腸の丈夫な子供が生まれます。 | |
★★安産の経穴【三陰交】とお灸のすえ方★★ | |
【三陰交】のお灸は妊娠5ヶ月を過ぎ、胎動を感じたら始めるのが良いでしょう。 最初は3壮くらいから、月数が進むにつれて数を増やし、出産日前には20〜25壮くらいになると良いでしょう。 東洋医学では古来より【三陰交】にお灸をすえ続けると安産につながる、 と言われています。 妊娠中は血を消耗しやすいという生理的特徴があり、また、感情の起伏も激しくなりイライラしがちで、 【三陰交】にお灸をすると、体の中で血を生成する働きや、血の巡りを良くする働きが高まり、 妊娠中の精神の安定もはかることができます。 【三陰交】の「三陰」とは、足の厥陰肝経、少陰腎経、太陰脾経の三つの経絡の意で、「交」は交わるの意。三陰交はこのツボ一穴で三つの経絡の効果が期待できる重要なツボというわけです。 女性の健康維持・増進に欠かせない大切なツボで、女性の諸症状にも効果的なことから「婦人の三里」といわれています。 【三陰交】に施灸するお灸の大きさ モグサの大きさは、米粒の半分、又は3分の1程度の小灸を据える。当院では【三陰交】のお灸に限らず、今迄の臨床経験からお灸の効果は、どのツボにどれだけの数を据えるかがキーポイントであって、熱さを我慢しなければならない大きなお灸は必要ないと考えています。むしろ、心地良いと感じられる小灸の方が安全且つ、より効果的であるとさえ思っています。特に妊婦さんの体は敏感になっているので、すえ初めの一週間はゴマ粒大が最適。もっとも当院では灸点紙を使っているので痕はつきません。 【三陰交】にお灸を据え始める時期 灸をすえる時期は、胎児が動き始めた頃が最適。腹帯を締めた日から始めると良いでしょう。 【三陰交】というツボは体に及ぼす影響力が大きいために、あまり妊娠初期の早い時期から刺激を与えると流産する恐れがあるので、妊娠初期は【神闕】の温灸のみにして、安定期に入ってから始めます。安定期・満5ヶ月目(16週目以降)から【三陰交】に施灸すると流産の防止にも効果があります。 【三陰交】にお灸をすえる時の注意事項(家庭ですえる時) 灸点をおろしたら、半米粒大のモグサで灸をすえるのが理想ですが、市販の千年灸でも充分に効果があります。ただし熱いのを我慢しないこと。 お灸はゆったりとした気分で据えるように心掛けましょう。食事をするのと同じで、慌てて食事をすれば消化、吸収がうまく出来ないように、愛しい胎児を念頭に置いて、落ち着いた気分ですえるとより効果が挙がります。また、食事と入浴の前後30分間はできるだけ避けてすえるようにしましょう。 原則として腹帯を締めた日から、いよいよお産が始まる当日まで毎日すえます。有痕灸では続けると痂皮が大きくなって熱感が弱くなりますが、大きさは変えず、部位もずらさない様に心掛けることが必要です。 【三陰交】にすえるお灸の数 すえ始めた週は2〜3壮から、そして胎児の成長と共に順次壮数を増やし、臨月の40週目には15〜20壮の壮数になるようにすえるのが理想的です。 |
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【三陰交】の位置 三陰交は内くるぶしの上方6〜8cmくらいの所で、脛骨の後ろを押すと痛い所です。最初に経穴の位置とお灸のすえ方を教えてもらえば自分でできます。 もぐさの大きさは米粒大かその半分くらいが良いでしょう。 *胎児の位置異常(逆児)にもお灸は大変良い効果があります。 |
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お産は特別な異常がない限り、なるべく手を加えず、自然に任せるのが最も良い方法です。 毎日、三陰交にお灸をすえることで一人でも多く丈夫な赤ちゃんが生まれることを願っています。 |
脈診流経絡治療・はり灸・小児はり |