両輝石かんんらん岩 lherzolite (様似)

採集日:2007/09/13
採集地:様似町



この石は暗い青緑に見えるのですが、褐色の鉱物とエメラルドグリーンの鉱物の結晶が結構入っているのが見て取れます。 このサンプルにも入っていますが、場所により、レルゾライトには、赤紫色の筋が入っていることがあります。このサンプルは、赤紫色の筋が入っているのがなんとなくわかると思います。この筋のことをシンプレクタイトといい、微細なスピネルと斜方輝石と単斜輝石の固まりです。この石は、幌満のかんらん岩の中では、最も深い所(地下50〜60km)からもたらされた石と言われています。50〜60kmは上部マントルにあたり、マントルにいた時は、ザクロ石の一種であるパイロープの入ったかんらん岩だったと言われています。それが日高山脈生成時に地下から上昇してきた際に安定が崩れ、ザクロ石が分解したのだと言われています。

これは、アポイビジターセンターに売っていた、かんらん岩の文鎮です。かんらん岩は重いので文鎮になるのだと思います。この文鎮は、上記で説明した、パイロープの分解成分であるシンプレクタイトを含む美しいレルゾライトで、お買い得と思いました。アポイ岳を訪れることがあったら、麓のビジターセンターに寄ってみても良いかもしれません。

レルゾライトは、マグマ成分が抜けきっていないかんらん岩のようで、少なからず、ザクロ石、斜長石、スピネルが含まれていて、それにより名前が付いています。


●斜長石レルゾライト

斜長石を多く含むレルゾライトです。斜長石は全体の10%くらいです。斑レイ岩のようにも見え、パッと見、かんらん岩には見えないかもしれません。斜長石レルゾライトは、他のかんらん岩よりもマグマ成分に富んでいるらしい。かんらん岩はマントルにあり、マグマの生成場所の一つです。非常に高温状態下にあり、プレート運動などにより水がもたらされると、融点が下がり部分的に融けます。かんらん岩が部分的に融けて流れて移動してしまうと、かんらん岩からその分、成分が抜けてしまいます。この石は、まだマグマ成分が残っており、斜長石や輝石が他のかんらん岩に較べて多いものです。