Tarumi's音楽評


小谷美佐子「宇宙のママ」

久しぶりに書くCD評。しかも買ってから1年近く経過しているCDの評ですが。
ま、それはいいとして小谷美佐子「宇宙のママ」です。
これは結構よかったっす。
はっきりいって前作「わたき」をレンタルできいたときには、歌詞には共感できても歌としてあまり受け付けられなかったというのが正直な感想。
今回は「眠りのうた」をラジオで聴いて気に入り、NAVIからCDを借りて試聴、「これは買うべき」と思いたったわけです。
おすすめはやっぱり「眠りのうた」だよね。CDには2バージョン入っています。1曲めに入っているのがシングルバージョン(SingleEdit)。そして、アルバムラストにもうひとつのバージョン。実は2番の歌詞が異なっており、こちらの歌詞にははっきりいって鳥肌が立ちました。
通いなれたあの教室が 取り調べ室に見えたから
きっと、差し障りがあったんでしょうね。シングルバージョンでは抽象的な歌詞にかわっていました。でも、どちらのバージョンもよいよ。小倉さんのギターが高中のようでかっこいいです。
それから2曲めの「39.5℃」もアコースティックで大変かっこよいです。
プロデュースが小倉博一さん、そのせいもあり全体的にギターの味がきいたよいアルバムだと思います。

2001/10/4


スガシカオ4th

スガシカオの4枚目が出ましたが、皆さんいかがでしょうか。TARUMIとしては、ややボルテージが下がったって感じでしょうか。
どうも「甘い果実」の鳴かず飛ばずでスガシカオは挫折を味わったのではないでしょうか。曲調が全体に明るく軽い傾向にいっているように感じます。かと思えば、1、2曲めは極端にストーカー的な内容であったりして、これもちょっと許容範囲を超えていて受け付けませんでした。
4曲めから7曲目にかけての流れは非常によくて、特に「AFFAIR」は名曲だと思う。「Document2000」は非常に笑えて、アレンジもかっこよかった。
しかし、今回のアルバムは「それほど」というレベルの曲が多くて、アルバムとしてのまとまりもないように感じました。でもこうして考えると前作Sweetはほぼ全曲名曲揃い(名曲でないのは師走か?^^)で、すばらしかった。これを聴いて改めてSweetは名盤だったなあと感じてしまったところがちょっと皮肉。

2000/11/18


川村結花に感激

川村結花の新譜「ラッシュライフ」をふと立ち寄ったCD屋で試聴してぶったまげるほど感激しました.即買い.

これは今年のTARUMI’s10本指(?)に確実に入る名作っす!落涙.こんなピュアな曲が書ける人がいたとは.本当になんかモロ好みです.オススメです.
川村結花という名前は「夜空ノムコウ」の作曲者ということくらいしか知りませんでした.バンドメンバーのNAVI氏が推していて,「夜空〜」川村結花バージョンを聴かせてもらってはいたのですが.
今回のアルバムは「夜空〜」はもちろん,全曲よい!中でも「マイルストーン」「イノセンス」「home」は絶品だ!ジャケもよい!アレンジもよい!アコースティックと打ち込みドラムのマッチングが大変心地よい.スガシカオっぽいワウのギターもかっこいい.
そして,なんと言っても詞がよいです.前を向くよりはやや振り返りながら進んでいる感じの詞.

結婚していると,この心境なんかわかるような気がするんですよ(川村結花は結婚しているのかな?).結婚して今手に入れている,家庭とか子どもとか,そういう安定感のある幸せと,かつての不安定で一直線で,でも自由だった生活とのギャップみたいな.時間的には連続しているのに,違う場所に立っていることを認識しちゃう.
だから,「そうして僕は歩いていくんだろう 失いながら 叶えながら」(マイルストーン)なんて詞は,ズドーン!と直撃を受けてしまう.
いやあ,まだの人ぜひ聴いてください.


98年CDランキング

バンドメンバーと話をしていたことですが,98年CDランキング,たるみの場合です.

1.スガシカオ(FAMILY)
この黒っぽいネチネチはたまりませんなあ。もろ好み。ただで見れたライブもアコースティックファンクでかっこよかった。「STORY」、「りんごジュース」、「爆弾ジュース」の3曲が特にいい。

2.キリンジ(ペイパードライヴァーズミュージック)
日本のポピュラーミュージックもなんか質がよくなったなあと感心してしまった1枚。センス抜群。特に「雨をみくびるな」は秀逸。

3.山下達郎(コージー)
ちょっと曲が多すぎる感もある。前作、前々作に比べるとやや散漫か。でも、サンレコのインタビュー記事読んでから、「音場」という観点から聴きこむと結構面白くなりました。ライブは文句なしの絶品でした。

4.イノトモ(溶けていく午後)
一時期はまっていました。でも2枚目のミニアルバム(コロッケ)はそれほどでした。ギタレレとかピアニカとかのチープ楽器をうまいこと取り入れてて、宅録への欲求を駆り立てられたかな。フルアルバムも最近になって買って,こちらもよかったです。オススメ。

5.斎藤一義(ゴールデンデリシャス)
年末に出たベスト盤。試聴したらカッコよかったので買った。前から好きだった「君の顔が好きだ」はビートルズのエッセンスいっぱいでカッコいいっす。全編結構ビートルズしてる。ポンキッキのうたも好き。

6.UA(アメトラ)
前作とは前々違う大人のソウルですが、こっちの方が好き。でももう少し派手さがあったらよかった。「甘い運命」が入っていたらよかったのに。

7.SPEECH(HOOPLA)
今年買った唯一の洋楽新譜。アレステッドデベロップメントの時代からこの人は好きなんです。ラップもこの人しか聴かなくなっちゃったな(トライブコールドクエストとかも好きなんですが)。オープニングから3曲目(クロック〜,THE HEYSONG)がすばらしくかっこいい。

8.山弦(JOY RIDE)
山弦のギターはすばらしいのですが、やっぱり黒っぽいのが好きな僕としては、順位としてはこうなる。「ロデオキング」、「春」もアコースティックギター付録バージョンの方が好き。

9.山崎まさよし(ドミノ)
ドラマでも使われた「僕はここにいる」はいいんだけど、全体にはファンク色が出過ぎてやや退屈。前作「HOME」はこうしてみると、非常にバランスのとれたいい作品だなあと、かえって前作の評価が上がった。どちらかというと1枚目「アレルギーの特効薬」に近い感じ。

10.SOY(SOY)
8に同じく。ギターはいいんだけどね。平松さんのボーカルもやっぱり好みじゃない。

ブービー.オリジナルラブ(L)
前作「イレブン〜」が実験的アプローチで今回が「最高傑作」というのがまず解せない。今回こそ実験ですねえ。前作は楽曲の質が高かったのですが、今回は曲もたいしたことないし、アレンジも遊びに走っていて粗が目立つ。なんか打ち込んでそのまんまって感じ。どんな音楽聴きながらこのアルバム作ったのかが見えてこない。ま、今回は「実験」と思うことにして、次回に期待します。

というわけで、最近は邦楽中心に聴いていることが自分でもわかりました。でも昔よりも新譜を聴くようになったかな。


最近イノトモにはまる

イノトモにはまってしまった。あまりらしくないかもしれないが。なんともいえずいいよねこの人。歌がうまいのかへたなのかよくわからないが、やや演劇的な技も感じてしまうこのボーカル、やっぱりうまいんでしょう。
使っている楽器が渋い。ギタレレでしょ。ピアニカでしょ。で、このチープな楽器が奏でる音のなんとマッチしていること。こんなアレンジうちでもやれないかなって思った。
3曲入りのミニアルバム「溶けてゆく午後」。車の中でもう15回ぐらいループしたけど、ちょっと病的に聴きこんでしまうこの魅力は何だ。3曲目「夜明け前」が特に絶品。

1998年9月3日


misia

おとといmisiaのCDを買いました。この人歌唱力すごいなあ。特にHitした「つつみこむように」はマライアキャリー、ミニーリバートンばりのすばらしいハイトーン。歌いかたにも表情があるし。
この人っていくつかな?写真見るとそんな若いようでもなさそうだけど(若かったら失礼^^)。歌を聴いているとばりばりのソウルシンガーには違いないのだが、可愛らしい甘ったるい声のソウルがあったりで以外に若そうな気もした。
アルバムとしては、まだ聴きこんでいないけどそこそこってところですか。シングルカットされた曲以外はあまり印象も残らないかも。というより、TARUMIはソウル大好きですが、どちらかっていうとオリジナルラブ、スガシカオに代表されるようなあのネチネチが好きなんすよ。こってりソウル。misiaはちょっとスマートなので、どんぴしゃではなかった。でも、案外いいよ。

1998年8月3日


スガシカオのCD

についても述べましょう。6月に出たセカンド「FAMILY」は癖になるようなアルバムだ。ファーストもそうだったけど、この人の音楽ってじわじわと効いてくるよね。聴き込むほどにはまってしまう。

やはりかっこいいのは2曲め「STORY」。ライブでもアコースティックでファンキーな演奏を披露してくれましたが、バンドアレンジがまたいい。ワウの効いたギターが非常に心地よいです。
それから少年のナイフ問題を取り上げたような「りんごジュース」。決して説教地味てなく、僕ら(ちなみに同じ歳なんだよな)なりの言葉をかけているような。「それをふりかざすのはあまりにもNo Futureだ」という歌詞がいいっす。
それに対するように「爆弾ジュース」では、大人自身が抱えているわだかまり、一歩まちがえたらキレてしまいそうな心情を歌っていてこれがまたいい。おすすめだよ。

1998年7月16日


スガシカオアコースティックライブ

に行ってきました。スガシカオのセカンドアルバムを予約すると先着200名を無料ご招待という山畜G1のおいしい企画。おかげさまで無事招待券をGETできました。

で、行ってきた感想ですが、いやあかっこいいっすねえ。この人ギターうまい。メリハリが非常にきいており、歌のうまさと重なって説得力がある。ファンキーなギターもそつなくこなしてたし。きっとファンク好きなんだろうなあと思った。
アコースティックでよくやるなあというファンクナンバー「STORY」が最高でした。
企画としては1時間ぐらいのライブの後、シカオちゃんトークが20分ほど。その後、ビデオ上映。しかし、立ちっぱなしで最後までつきあうのはちょっと酷なんじゃないかな。もう少し考えてもよいのでは。ま、只だから文句は言いません。これからもこんなおいしい企画やってほしいなあ。

1998年7月11日


TARUMI's Favorite Music ♪

中学時代のさだまさし、オフコースに始まり、高校では一転してRCサクセションにはまる。当時はRC、ストーンズ、元春、ビートルズなどのコピーバンドを結成していました。しかし、ギターのもっとうまい人がいたもんで、ドラムにまわされてしまいました。ツェッペリンなどのハードロックの王道にもはまりかけましたが、その後は洋楽ポップスをもっぱら聞いていました。

大学に入った頃がちょうどレコードからCDへの転換期。極貧の生活を送っていたTARUMIはCDラジカセを買うお金もなく、すっかりポピュラーミュージックに縁遠くなってしまいました。この時期はサークルにもどっぷり浸かっていたので、自作音楽の世界にはまっていました。

1992年、アフリカのミュージカル「アマンドラ」金沢公演の事務局長をしたのをきっかけに、黒人音楽にめざめる。その後はピーターバラカンの「魂の行方」なんて本を読みながら、ソウル音楽を端から聴いていました。

おすすめは、やっぱしアフリカではサリフケイタ。金沢にもやってきたけど、この人の歌はすごい。それに、アフリカンな民族音楽とポップスの調和がほどよくって気持ちいい。70年代ソウルではダニーハサウェイがいいですねえ。評判高い3作目よりは1作目が最高。アカペラではスウィートハニーインザロックがおすすめ。最近ではスピーチ(アレステッドデベロップメント)が、超かっこいいなあと思います。あと、トニートニートニーとか。

最近はどっちかというと邦楽を聴いています。「接吻」以来、オリジナルラブにははまりました。オリラブは「ディザイアー」が最高。このアルバムは達観した感じがする。このひとつ前の「レインボーレース」も上り調子のスピード感があってよいかも。しかしながら,最新作「L」「XL」はどうにもなじめず,今後の様子を見守っている段階です.おいおい田島,頼むよーってところ.

それからスガシカオ。これはかっこいい。このちょっとオタッキーだけどネチネチのアコースティックファンクがたまりません。スガシカオいわく「縦軸のグルーヴ」「日本語で歌う醍醐味の中にある”意味のグルーヴ」(ミュージックマガジン:1998/9)というのもうなずけます。
あと、サテライトラバーズもかっこいい。最近どこを見てまわってもサテラバのCDが置いてない。どうなってんだ。
ちと毛色の違うところではイノトモ.洋楽にない邦楽の魅力とはなんといっても歌詞の魅力ということになるのですが,この人の言葉には何か演劇的に伝わってくる,うまさがあるなあと思う.飾り気のない言葉の選び方と,その発音の仕方が秀逸.

さてさて,99年には久々にこれだ!と思えるミュージシャンに出会えました.それは川村結花.新作「ラッシュライフ」はどれを聴いても名作!しかも詞といいメロディといいアレンジといい,まさにTARUMI好み!いやあ感激です.久々に心のCDラックにしまっておきたい(?)ような名盤だ.詞からあふれるピュアでポジティブな感性.ちょっとソウルのエッセンスを含みながら割とアコースティックでポップなアレンジ.もう最高です.しばらくははまっているだろう.