「自動車・飛行機よりも鉄道、船へ!」モーダルシフト実践の為にはどうしたら良いのでしょう?
・鉄道やバスが利用できるところへの移動に、マイカーや飛行機を使わない。旅行先でのレンタカー活用。
・マイカーは直ちにプリウス(或いは他社相当品)に買い換える
・一人っきりのマイカー通勤はしないで、近所の人を誘う(シェアライド)
・・・・言うのは簡単です。「なるべく公共交通を利用しましょう」という標語はそこら中に溢れています。もちろん地球の危機に際し、個人の責任はあまりにも重大なのは確かです。平均的家庭が排出する二酸化炭素の50%は、マイカーが由来だと言われています。
しかし、行政は一体何をやっているのでしょうか?国民の良心に任せているだけではないでしょうか?これではモーダルシフトは進みません。人口10万人以下クラスの都市で、「マイカーを使うな」というのは、「死ね」と言われているのに等しい、と思う人もいるでしょう。第一、それら標語を読んでも、ちっとも危機感が伝わってきません。行政がやるべきことは、自動車・飛行機にかわって、鉄道などの環境に優しい公共機関を国民が使いやすくなるように、社会資本整備の投資比率を鉄道重視へと転換することが何よりも重要なのです。これは、マイカーに代わる路面電車、飛行機に代わる新幹線等のハードウェアの建設だけを意味するわけではありません。ソフト面への投資によって事業者の負担を減らし、安くて便利な公共交通網の整備を実現しなければなりません。そうして、自動車・航空からの転換を促すのです。
環境先進国ドイツでは10年前、鉄道利用を促進し、自動車交通を抑制するため、従来道路中心だった交通関係社会資本への投資比を大きく転換し、鉄道重視の姿勢を明確に示しました。一方の日本ではどうでしょうか?毎年末予算編成の時期に新聞記事を読むと、中央メディア各社が、整備新幹線への予算の割り当てを声高に批判し、あたかも国家財政破綻の元凶であるかのように扱っていますし、鉄道への投資額は多いのでしょうか?しかし事実は、新聞の活字の大きさとは天と地ほどの開きがあります。下の表をご覧下さい。
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鉄道 |
3400 |
5100 |
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幹線道路 |
92000 |
4700 |
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水路 |
0 |
600 |
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空港 |
5100 |
不明・かなり小さいだろう |
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備考 |
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(ドイツについては、「鉄道ジャーナル」1994年12月号p68に掲載された、「鉄道へシフトする欧米の総合交通政策」より、日本については各省庁のホームページのデータを参照した)(歳出・歳入区分が複雑化しているので、「公共投資額」の定義は単純ではなく、計算方法によっては他の数値が出ることもありますが、傾向は変わりません) |
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これが事実です。鉄道への投資など、天文学的な道路予算(これでも幹線道路に絞り、地方単独事業は除いてあります)の前には、見る影もない、というのが真の姿です。総額でもドイツを下回っています。
平成9年6月19日に閣議了承された「公共投資基本計画」は、こう述べています。『地球環境問題をはじめ今後より深刻になると予想される環境、エネルギー等の問題に適切に対応し、持続可能な経済社会を構築していくため、環境基本計画の考え方に沿って、社会資本の整備や運用においても、環境への負荷の低減、自然と人間との共生の確保、エネルギー利用等の効率化等の課題について、国民ニーズの高度化、多様化にも配慮しつつ、新たな対応を行う。』大変高尚な精神ですが、実際の予算編成には全く反映されていないことは明らかです。
中央マスコミの報道の仕方にも、大変な問題があります。整備新幹線への投資額などは微々たるもので、2000年度の国庫負担分は、約300億円しかありません。それが、2001年度要求で倍の750億円になったからといってそれをヒステリックに攻撃しておきながら、実質上財政赤字の最大の元凶である道路事業への批判はほとんどなく(ガソリン税等は、総事業費の45%をしめるに過ぎません)、50年後には使いものにならないだろう地方空港の拡張や、大都市圏新規空港建設着手に至っては、活字の間から歓迎ムードさえ漏れ出てきます。
国やマスコミのこのような態度は、国民を誤った方向に導いています。これでは、日本の環境対策は遅れ、財政再建は進まず、世界じゅうから非難を浴びることになります。先進国クラブと言われる経済協力開発機構(OECD)の環境予測報告案では、温室効果ガスの排出増大を含む環境悪化に対して危機感を訴え、その原因として、航空機からの排ガス、自動車などによる排ガスを名指しで指摘しました。マスコミでも、『90年策定のCO2削減目標、達成は絶望的』(2001年2月11日朝日社説)という報道をして、その中で鉄道貨物輸送の後退を懸念しているにも関わらず、温室効果ガス削減では鉄道貨物輸送と同様の効果を持つ整備新幹線事業を、先頭に立って攻撃しているのが実状です。新幹線をスケープゴートに仕立てたその裏で、国民の税金は湯水のように道路整備へと垂れ流されて行きます。財政状況は好転しないばかりか、日本の自動車依存度はますます深まり、二酸化炭素発生量はどんどん増え、交通事故の犠牲者は一向に減らないのです。
こんな無茶苦茶を放置しておく国民の民度が問われています。

人類が生き延びるためには、一刻の猶予もなりません。個人の努力はもちろんのこと、環境対策への戦略を描けない国やマスコミを、私たちの手で突き動かしましょう。
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