九州新幹線 博多〜新八代間延伸開業!
・九州新幹線新規開業区間各駅点描NEW!
・敢えて低速走行区間で撮影した動画「おそいぞ、きゅうしゅうしんかんせん」/HD/標準/中/小/字幕なし大NEW!
・ある日の『みずほ』各駅通過時刻NEW!
| 新鳥栖 | |
| 久留米 | |
| 筑後船小屋 | |
| 新大牟田 | |
| 新玉名 | |
| 熊本 | |
| 新八代(おまけ) |
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(1)博多〜博多南間の“走り方”
(2)N700系側面の旅客案内用フルカラーLEDディスプレイ
(3)熊本市街北部での“走り方”
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(1)博多〜博多南間の“走り方”
九州新幹線列車については、「博多駅を出てからトンネルに入るまではゆっくり走る」「博多南線列車よりは少し速いのではないか」という“声”がいろいろと聞こえてきました。時刻表から判断すると、博多〜博多南間では、直通列車は博多南線列車に比べてやや速く走るだろう、と思われますが、実際はどうなのでしょう?幾つかの列車で実測してみました。
博多南線列車は、本線から博多南駅(博多総合車両基地)への分岐器を通過する時には、分岐器通過制限がかかりますから、速度を落とすに決まっています。ですから、もう少し博多寄りから博多駅までの所要時間を測らないと、「フェアではない」結果になります。そこで、福岡都市高速5号線をアンダークロスする地点(博多起点5.78km)〜博多駅間の所要時間も併せて計測してみました。下の表の青い列車が博多南線列車・赤いのが本線系の列車です。
551A |
5368A |
2813A |
738A |
603A |
604A |
605A |
||
| 博多 | 0.00 | 0:00:00 |
0:00:00 |
0:00:00 |
0:00:00 |
0:00:00 |
0:00:00 |
0:00:00 |
| 博多駅南分岐器(パナソニック前) | 1.62 | 0:01:42 |
-0:01:53 |
0:01:56 |
-0:02:16 |
0:01:48 |
-0:02:00 |
0:01:46 |
| 高速5号 | 5.78 | 0:04:13 |
-0:04:56 | 0:05:22 | -0:05:47 | 0:04:06 | -0:05:03 | 0:03:56 |
| 車両所分岐器 | 7.48 | 0:05:15 |
-0:05:40 | 0:07:17 | -0:07:07 | 0:04:46 | -0:05:55 | 0:04:41 |
| 5/5/11 | 5/5/11 | 5/6/11 | 5/6/11 | 5/6/11 | 5/6/11 | 5/6/11 |
博多〜高速5号の所要時間を見ます(上り列車は負の数になってます)。本線系列の列車は、博多南線列車よりも、列車によって最大1分以上短い時間で走り抜けることが分かります。僅か6km弱の距離を1分も早く走るとすれば、かなりの速度差があることを意味しています。
実際、下り列車に乗ってみると、博多駅の南側分岐器を通過すると加速・竹下駅付近を通過するとまた加速・さらに車両所分岐器を通過するともっと加速、という感じで走ります。
博多南駅付近での通過速度を、ビデオで撮影して測ってみたところ、『みずほ1号』が167km/h(5月6日)、『さくら402号』が153km/h(同)と出ました。上り列車が若干ゆっくり、という結果は、体感とも、上記の各地点通過時刻の計測結果とも合致しています。
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(2)N700系側面の旅客案内用フルカラーLEDディスプレイ

私のカメラですと、「つばめ」の再現性が今ひとつです。「こだま」より白っぽく、くすんだ色なのです。「のぞみ」「みずほ」が黒抜きなのは、白だと見にくいからなのでしょうね。
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(3)熊本市街北部での“走り方”
仙台市街と同じく、熊本市街では急曲線が許容されています。設計段階で既に、仙台同様、通過する列車が無い想定だったからです。熊本を発車した上り列車は、崇城大学前の急カーブまでは、あまり速度を上げません。ここより少し北の、小塚トンネル南側坑口(熊本起点約5.3km)までは、熊本駅から大凡3分10秒〜3分20秒ほどかけて走っています。
小塚トンネル南側坑口〜新玉名駅間の所要時間と平均速度を測ってみますと、上り『みずほ』でも213km/hと出ました。低速走行区間分を差し引いても、さほどの数値にはなりませんでした。
2011年3月12日に、博多〜新八代間が開業し、新大阪〜鹿児島中央間に直通列車の運転が開始されます。新鳥栖・久留米・筑後船小屋・新大牟田・新玉名・熊本駅が新規の新幹線駅として加わります。既に時刻は発表されていますが、そこから考察できることがあります。
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(1)各駅間でどのような“走り”をするか
(2)待避列車
(3)博多南線列車は?
(4)博多駅新ホームの使い方
(5)N700系8両編成の『こだま』
(6)動画から『みずほ』の各駅通過時刻と駅間速度を推察する(YouTubeへ投稿して下さった皆様、ありがとうございました) NEW!
(番外1)時刻表 JTB対JR
(番外2)筑後船小屋駅副本線の有効長
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(1)各駅間でどのような“走り”をするか
最高運転速度は260km/hですが、全ての区間でその速度を出せるわけではありません。ここで言いたいのは、「駅間が短く、特に『つばめ』の停車駅相互間では最高速度を出せるわけがない」ということではなく、通過する列車でも最高運転速度が出せない区間がある、ということです。新ダイヤの『さくら』停車駅パターンは複雑ですが、実はこのことが、考察の為には絶好の設定となっています。熊本駅からは、新規開業区間への各駅に対し、その途中に停車駅がない直通列車が少なくとも1日1往復存在するからです。それらの区間表定速度を参照すると、駅間の走りっぷりがおぼろげながら見えてくるのです。
熊本を起点に考えます。常識的には熊本から近ければ近いほど、加減速区間の割合が高いため、表定速度は当然低く、遠くなればその割合が下がるため、表定速度は上がるはずです。しかし、現実はそうなっていないのです。
| 駅名 | 熊本起点実キロ | 熊本から途中無停車列車の標準所要時間(分) | 区間表定速度 | 設定列車の例 |
| 新玉名 | 21.89 |
9 |
146km/h |
多数 |
| 新大牟田 | 38.41 |
14 |
165km/h |
さくら562号・さくら557号 |
| 筑後船小屋 | 50.30 |
17 |
178km/h |
さくら558号・さくら561号 |
| 久留米 | 66.22 |
21 |
189km/h |
多数 |
| 新鳥栖 | 71.93 |
24 |
180km/h |
さくら543号・さくら422号等 |
| 博多 | 98.18 |
33 |
179km/h |
みずほ各列車 |
| 鹿児島中央 | 158.64 |
44 |
216km/h |
みずほ各列車 |
熊本からは、久留米を頂点にして、新鳥栖では低下します。これは、筑後川橋梁の前後に介在する急カーブ(南側はR=1000とのことです。北側も同程度に見えます)で、大幅な速度低下を余儀なくされるためと考えられます。新鳥栖・久留米と両方停車する列車に与える影響はむしろほとんど無く、通過列車に文字通り“大ブレーキ”をかけることになります。九州新幹線を走る列車には車体傾斜制御装置が無いので(N700系S・R編成でも準備工事のみで非搭載)、R=1000での最大許容通過速度は、カント量200ミリでも160km/h程度になってしまいます。
熊本から博多へは、新鳥栖よりもさらに低下します。これは、県境の3つのトンネルにある急勾配区間(35‰)では速度を落とさざるを得ないこと、また、博多南(或いは博多総合車両基地)と博多との間を走る遅い列車と相互干渉しないよう、やはり速度を落とすためだと考えられます。博多〜新鳥栖間で速度が上がらない理由は、さらにもう一つ推察できるのですが 、これは書かない方が良いでしょう。
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(2)待避列車
九州新幹線内の途中駅には、新鳥栖(上下線)・筑後船小屋(下り線)・熊本(上下線)・新水俣(上り線)に、それぞれ待避設備があります(筑後船小屋・新水俣では、平面支障があるものの逆方向の待避も可能)。新ダイヤで実際の待避/通過の組み合わせを探してみました。山陽・九州直通列車の、山陽区間における待避例も加えてあります。
【下り】
| 待避列車 | 先行列車 | 待避駅 |
| つばめ333号 | みずほ601号 | 熊本(双方停車) |
| つばめ339号 | さくら543号 | 新鳥栖(双方停車) |
| つばめ365号 | さくら429号 | 筑後船小屋(先行列車は通過) |
| つばめ367号 | みずほ605号 | 新鳥栖(先行列車は通過) |
| つばめ375号 | みずほ607号 | 筑後船小屋(先行列車は通過) |
| さくら543号 | のぞみ 95号 | 新山口(先行列車は通過) |
【上り】
| 待避列車 | 先行列車 | 待避駅 |
| つばめ328号 | みずほ600号 | 新鳥栖(先行列車は通過) |
| つばめ334号 | みずほ602号 | 新鳥栖(先行列車は通過) |
| さくら436号(臨時) | さくら562号 | 新水俣(先行列車は通過) |
| さくら438号(臨時) | さくら566号 | 新水俣(先行列車は通過) |
| つばめ360号 | みずほ604号 | 新鳥栖(先行列車は通過) |
| つばめ368号 | みずほ606号 | 熊本(双方停車) |
| さくら544号 | のぞみ 8号 | 新下関(先行列車は通過) |
| さくら543号 | のぞみ 98号 | 新山口(先行列車は通過) |
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(3)博多南線列車は?
鹿児島ルートを全線フル規格で建設することが決まった際、巷では「博多南線の列車はどうなるのか?」という疑問が沸き起こり、一部では根拠のない「博多南線廃線説」まで飛び出しましたが、当HPでは早くから「現行通りになる」とお伝えしてきました。
ただ同時に、全く現行通りにはならない「期待」も密かに持っており、その一つが『所要時間短縮』でした。現在の所要時間は10分です。
博多駅を出発した博多南線列車と、熊本・鹿児島中央へ向かう九州新幹線列車とは、途中まで全く同じ線路を走ります。その距離はおよそ8kmです。福岡県那珂川町にある新幹線車両基地(新幹線博多総合車両基地)への引き込み線が、途中で九州新幹線から分岐し、博多南駅への列車もその引き込み線を通ります。
#歴史的には、新幹線車両基地への引き込み線「だけ」が先に建設されて40年近く経過し、九州新幹線本線の鉄筋コンクリート構造物は、僅かな長さが準備されていただけででした。
スピードが身上の新幹線。博多〜新鳥栖間の標準所要時間は14分なので、博多から博多南の直前まで10分近くかける訳にはいきません。上で指摘したように、なかなか思い切り走れない事情もありますが、現行の博多南線列車よりも速く走ることは間違いありません。
そうなると、ダイヤ構成次第では、遅い博多南線列車が、速い九州新幹線の「足を引っ張る」ことになる可能性もあります。そうしないために、博多南線列車も、現行よりも速く走るようにするのかな・・・・と思っていましたが、いざフタを開けてみるとそうはならず、現行通り、或いは1分余計にかかって走る列車ばかりと、いうことで落ち着きました。
走る距離が短いので、実際は両線の列車が輻輳するような心配はなかった、ということなのですが、中には博多南線列車の僅か3〜4分後を、『つばめ』『さくら』が追いかけてくる例もあり、もし博多南線列車が遅れたら、新幹線も影響を受ける場合があるでしょう。
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(4)博多駅新ホームの使い方
新設ホームは11/12番線です。うち11番線は、九州内折り返し線用で、8両編成までの列車しか入線できません。一方12番線は、山陽新幹線への直通ができるようになっており、もちろん16両編成の列車も入線できます。
11番線は、1日のうちのかなりの時間、列車が止まっていることになるようです。中には40分近く停留しているらしい例も。
一方12番線には、山陽新幹線直通列車も含め、滅多に九州新幹線の列車が入線しません。発着する九州新幹線列車は、1日になんと4例しかありません。では一体どのように使われることが多いかというと、博多始発東京直通『のぞみ』が入線する例が多いです。
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(5)N700系8両編成の『こだま』
N700系8両編成(S/R編成)は、九州新幹線『みずほ』『さくら』『つばめ』専用車両のような観がありますが、その他の運用に入る恐らく唯一の例が、博多発岡山行き『こだま768号』です。この列車は、実は博多南が始発であり、同駅から乗車が可能です。博多駅で8分停車の後、『こだま』として発車してゆきます。
N700系ですので当然グリーン席があり、博多南線内でもグリーン席として営業するので、座ればグリーン料金を徴収されます。ただ、博多南〜博多間では指定券としては発券されず、従って「みどりの窓口」で予約することはできません。時刻表には「グリーン券は当日車内で発売します」との注釈があります。博多南線内でグリーン車が営業する、初めての例ではないでしょうか。
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(6)動画から『みずほ』の各駅通過時刻と駅間速度を推察する(YouTubeへ投稿して下さった皆様、ありがとうございました)
震災のせいで開業気分が萎え、自分では九州に行く予定も全く立たなくなってしまったのですが、動画サイトで皆様が様子を投稿して下さいます。いろいろ情報源はあるのですが、例えば開業当日の『みずほ600号』の車窓を拝見することもできました。ここから、熊本を発車してから各駅を通過するまでの時間を読み取ることができます。
| 駅間距離(km) | 駅間所要時間 | 熊本からの所要時間 | 駅間平均走行速度 | |||
| 熊本 | 発 | 21.89 |
8分17秒 |
159km/h |
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| 新玉名 | 通過 | 8分17秒 |
||||
16.52 |
4分05秒 |
243km/h |
||||
| 新大牟田 | 通過 | 12分22秒 |
||||
11.89 |
2分53秒 |
247km/h |
||||
| 筑後船小屋 | 通過 | 15分15秒 |
||||
15.92 |
4分16秒 |
224km/h |
||||
| 久留米 | 通過 | 19分31秒 |
||||
5.71 |
2分01秒 |
170km/h |
||||
| 新鳥栖 | 通過 | 21分32秒 |
||||
17.73 |
6分13秒 |
171km/h |
||||
| (博多南) | 通過 | 27分45秒 |
||||
8.52 |
6分00秒 |
85km/h |
||||
| 博多 | 着 | 33分45秒 |
駅間距離が短いため、誤差の比率は大きくなりますが、おおむね上述(1)(3)で読み取った通りの傾向が出ていることが分かります。筑後川橋梁の前後では明らかに減速を余儀なくされているものの、制約の中で精一杯の走りをしていることも分かりました。
「博多南」の位置マーカーは、便宜上「博多南駅前ビル」とさせていただきました。
ご投稿いただいた皆様、どうもありがとうございました。
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(番外1)時刻表 JTB対JR
私は数十年来JTB派でしたが、東海道・山陽・九州新幹線についてはJR版の使いやすさに軍配が上がります。
JTB版の九州新幹線ページは、山陽新幹線直通列車については新大阪・新神戸・岡山・広島・新下関・小倉の各駅時刻も同時に掲載されていますが、『さくら』の停車駅はそれだけではないうえ、『のぞみ』『ひかり』『こだま』と博多駅で乗り継ぐ場合が全く考慮されていません。東海道・山陽新幹線ページをめくって博多駅発着時刻を記憶した上で、それを忘れないうちに九州新幹線ページに立ち戻り、博多駅での接続列車を探すことになります。使いにくいことこの上なし。
一方のJR版では、九州新幹線は山陽新幹線と統合されたページになり、新大阪〜鹿児島中央の全ての列車が掲載されています。それにはもちろん、東京直通『のぞみ』『ひかり』も含まれます。山陽新幹線部分は、「東海道・山陽新幹線」のページと全く同じ情報が載ることとなり、一見無駄に見えますが、乗り継ぎ旅行者にとってはこちらの方が遙かに使いやすいものです。JTBには考え直して貰いたいものです。
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(番外2)筑後船小屋駅副本線の有効長
私は筑後船小屋駅付近を走る新幹線の線路を見たことがなく、地上から高架橋を見上げてただけですが、架線の分岐位置から、副本線(待避線:下りのみ)がどの当たりで分岐し、再び本線へ合流するのかは推察できます。その位置を地図上で測ると、同駅に挿入された副本線の有効長はむちゃくちゃ大きく、恐らく1200メートルちかくあるものと推察できます。現船小屋駅のちょっと北側から、矢部川まであるのです。
九州新幹線列車の最大長は8連で200m程なので、この距離は一体どういうことか。その理由は恐らく、東海道新幹線の掛川駅と同じです。適切な有効長で収めようとすると、分岐器を入れる位置がどうしても曲線になってしまい、それを避けて直線部分から分岐させようとすると、駅から遠い位置に分岐器を挿入せざるを得ないのです。これは、同駅の副本線が、計画の後段階で挿入されることが決まったことを意味していますし、実際に同駅それ自体が、本線の位置が決まってから後に、追加建設されることになったという経緯のためでしょう。
【付記】九州新幹線新規開業部分の駅間は殊更に短く、特に筑後船小屋駅については、地域を地盤とする政治家による力で設置が決まったと噂されており、彼の名前を冠してこの駅を呼ぶことで、それを揶揄する声が地元でもあります。私は彼の属する政策グループも政党も、これっぽっちも支持するものではありませんが、しかし、私はこの駅の建設を無駄なことだとは思いませんし、九州新幹線の駅間は確かに短すぎるきらいがあるものの、総合的には適切に駅が配置されたと思っています。
大都市圏に住む人の感覚では分かりにくいと思いますし、恐らく地元の方もそのような意識は無いと思いますが、筑後〜有明地域の人口密度は全国的に見ても高いのです。東北新幹線八戸以北とは比較になりません。地域で最大の都市である久留米に駅ができるのは、まあ当然とします。では、そこに駅があれば、長崎本線と接続する新鳥栖に駅が無くて良いのか?長崎・佐賀から熊本・鹿児島に行く人は、これから博多まで行って新幹線に乗り換えろ、というわけにはいかなかったでしょう。現駅がルートから外れる有明地域の中心・大牟田を無視するわけにもいきませんし、大牟田と久留米の間に住む人の数を考えると、筑後船小屋駅を作らないことが、経営上得策だったとも思えません。駅が多くても、各駅に停まる列車に対して通過する列車を多くすれば、速達性は確保できます。ほとんど利用客がいない駅を作ったばかりか、ルート自体がねじ曲げられ、前後に規格外の曲線が2カ所も入ってしまったことにより、路線としてのパフォーマンスが低下することとなってしまった北陸(長野)新幹線の安中榛名とはわけが違います。
東海道新幹線を建設した当初のように、鉄道が絶対的なシェアを握っていて、これから航空に奪われていくかもしれない、という状況ならば、なるべく駅の数は少なくして、大都市間を極力早く結ぶシステムを作るのが適当だったでしょう。しかし、現状が圧倒的な「車社会」であり、今からそこに打って出るという状況ではそうも言っていられず、なるべく駅勢人口を多くし、駅は都市中心に建設することには拘らず、収容力の多い駐車場をとれる郊外の方が、鉄道の集客にも有利なのです。よく引き合いに出されるのは、東北新幹線のくりこま高原駅です。周囲は田園ですが、大規模な駐車場を設け、1日あたり1000人を上回る乗車人員を確保できています。
筑後船小屋駅の建設が決まった経緯も複雑でした。駅を作るなら、筑後市の中心である羽犬塚駅に設置するのが自然のように思えますし、この計画は、ほぼ真東に位置する八女市も支持したようです。一方、船小屋駅は、そちらにより近い柳川市が支持したようです。どちらとも決めかねたのですが、ただでさえ短い駅間をより短くしないように、久留米駅から遠い筑後船小屋駅に決まったのはやむを得なかったと思います。陸橋を超高架で越える羽犬塚駅は橋脚が高く、市街地にあるため駅建設コストもかかることも、筑後船小屋案を後押しすることになったと思います。同駅設置に反対した方の何割かは、仮に羽犬塚で決まっていたとしたら、恐らく黙認していただろう、という複雑な事情もあったことでしょう。
機会があれば別項目で紹介したいと思いますが、人の手が入った自然の近くに多くの人が生活している筑後平野の風景が私は大好きで、こここそが「日本の原点」の一つだと感じています。そこに新幹線の駅が複数出来たことを、私は素直に喜んでおります。
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