KSR110 シート加工

以前から気になっていたシートの前下がりを改善するため
アンコ抜きでは無くアンコ盛りに挑戦しました
アンコを盛るとノーマルのシート表皮では大きさが足りないため
新たなシート表皮への張り替えも行います

元々のシートを加工するのは色々と
怖かったので、中古シートを入手
\2980也

この水色にピンクのマークのシート
1990〜93年のKSR-I/IIのモノらしく
16年以上経っているんですね・・・
裏側のタッカーをマイナスドライバー
とラジオペンチで抜き取り、表皮を
剥がしました

表皮の裏側も黒ずみ、スポンジ上の
防水ビニールも破けていました
破れた防水ビニールを剥がしてたら
ベースからスポンジも取れてしまい
ました
スポンジもベースもシットリと濡れて
いたので一晩室内放置で乾燥
翌日ボンドGPクリヤーで全面接着

GPクリヤーはポリプロピレンやポリ
エチレンも接着できる、ありがたい
接着剤です
今回の主役その1
アストロプロダクツと言う工具店の
ニール&シッティングパッド
整備などの時に膝下に敷くと痛くない
と言うモノなのですが、触感がシート
スポンジとそっくりなのです
1枚\350也を2枚使います
KSRのシート上面に載せて形をペンで
書き写してからカット
ハサミで切るのが一番簡単でした
その後ボンドG17で貼付け
長さが足りなければ継ぎ合わせでも
大丈夫です

上面が水平になるよう、一番凹の
部分付近には2枚重ねています
上面が平になるよう、大まかにカット
コツは「切りすぎない」こと
切りすぎると修正が難しそうです

ここでは100円ショップのパン切り用
包丁を使いました
金鋸の刃でも切れますが、コッチの
方が刃幅があるので真っ直ぐに切る
のが楽に出来ます
ここからは削って成形していく工程
になります
ここでもコツは「削りすぎない」こと

以前ネットでシートのスポンジを削る
には、ディスクグラインダーにサンド
ペーパーのホイールを付けて使うと
良いと聞いたのですが・・・

コレ削れすぎます!
ペーパーは#180でしたが、ちょっと
当てただけでギャンっ!と音を立て
その部分だけゴッソリと粉に(汗
全面を撫でるようにやるのは大変
難しかったです
慎重にグラインダーを当てて、程々に
削ったところでKSRに載せて確認

上面はほぼ水平になっていますね
ココから先は地道に手作業
手前は使った道具達
左から
ダイソーのチーズ下ろし \210
(広い面を削るのに使用)
アラカン \1000程度
(狭い面を削るのに使用)
湾曲下ろし金 \105
(曲面を削るのに使用)
布ヤスリ#100 \80程度
(全体の仕上げに使用)
削ってはKSRに載せて跨って確認、
を何度も繰り返し、尻や太もも周辺に
違和感が無くなるまで少しずつ削り
納得の行く形になったのがこの写真

なんて書くと大変そうですが
実際の作業時間は小一時間くらい
ココをもうチョット削って・・・なんて
やってるウチに出来ちゃった、と言う
のが正直なところです
スポンジの成形が終わったら、
茶碗や皿などを梱包する時に使う
クッションシートで全体を包みました

削ったスポンジ表面の細かいアラが
目立たなくなるそうです
更にその上から純正と同じように
ビニールで包んでやります
私は建築塗装のマスキングに使う
マスカーと言うモノのビニール部を
使ってみました

防水の意味もありますが、削って
ボソボソになっているスポンジ表面を
表皮裏側との摩擦から守る効果も
あるようです
そして今回の主役その2
シート表皮のビニールレザーです
あえてハデな模様を選びました
購入先はカスタマイジングさん

ココはシートの張り方詳細に説明
してくれていてありがたいお店です

KSRのシートなら前後方向60cm、
横方向55cmで足ります
シート張りに使う道具と言えば
ホッチキスの親分みたいなタッカー

あるサイトで安価なタッカーの比較
やっていたのですが、一番良かった
のがダイソーの工作用ホッチキス
お値段\315也とリーズナブル
ただし針はMAXのT3-6Mを使うのが
良いとのことでした
お値段\200以下で2000発
相当な回数の張り替えが出来ます
シート張りの基本として、表皮は
伸びない方向を前後にします
ピーンと引っ張ってタッカーを前後共
1カ所ずつ打ち込みました

(なおココでの失敗が後々に響く
のですが、詳細は後ほど・・・)
前後を止めたら前方下側の角を
シッカリ引っ張ってタッカー止め
次に後方の角を止めます
ココにシワが出来ないよう張るのは
試行錯誤が必要でした
でもタッカーの針はタップリあるので
何度もやり直しが出来ます
後方の角が張れたら後方下側へ
段々シワが無くなってきました
後方下側の次は前方下側へ
その次は前方の角を張って行きます
シワを取るようにシッカリ引っ張って
シッカリ押さえてタッカーを打ちます

手が2本だとコツを掴むまで結構
大変でした
全体を見渡して変なところが無いか
確認し、気に食わない部分があれば
ドンドン針を抜いて打ち直します
何しろ針はたくさんありますので

納得の出来になったら裏側に余った
表皮をハサミやカッターで切り取り
ついに完成です!

実は使っていたハサミの切れ味が
悪く、意外にもココで手間取りました
出来上がったシートをKSRに載せて
・・・あれ?何か変だぞ?
上手くハマらない・・・

何とか押し込んでみてビックリ!
タンク側、こんなに浮いちゃってます

ああ〜どうやら最初に前後を止めた
時に表皮を引っ張りすぎたみたい!
シートベースが負けて反ってしまった
ようです
諦めて一旦表皮を全部剥がし、
あまり引っ張りすぎないように注意
して張り直しました

上の写真より改善されているのが
分かりますでしょうか?
スキマはゼロでは無いですが
人間が座るとタンクに密着します

今回はコレで納得することにしました

シート加工、今まで乗ってきたバイクもやっていましたが、全て専門店に出していました
今回自力でやってみて、意外にも楽しく作業が出来たことに驚いています

シート加工(アンコ抜き、アンコ盛り、張り替えなど)のコツは
・スペアを用意するのがベター(加工中も乗れる、失敗した時も困らない)
・スポンジを削るときは、とにかく「削りすぎない」こと
・シート表皮を張るときは、レザーをシッカリ引っ張ること
・ただし「引っ張りすぎない」こと

最後の2つは相反する事なので難しいかもしれませんが、
目安としては「シワが出ない程度に引っ張る」事だと思います

コレで自信がつきましたので、今後バイクのシートは自分で加工したいですね
アンコ抜きなら丸一日で出来ると思います