ＳＬ写真展 （ ＩＮＤＥＸ )～アメリカ ＆ 日本現役
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･瀬戸内の呉線に急客蒸機 Ｃ５９、Ｃ６２を訪ねて ⅵ
202. 通りすがりのＣ５９ ･広－安芸阿賀 間 ＆ 天応－吉浦 間
〈000１：№２２０１１１：呉線 黒瀬川鉄橋にて･安芸阿賀〉
〈撮影メモ：昭和４４-１２-２９．撮影〉
鉄橋の上を行く機関車を追いかけた。３個の動輪が大きく見えた。背後の遠い山々は中国山脈です。
〈０００３：№１９０１１２重連客れが横瀬川を渡る〉
〈撮影メモ：1968.12.29撮影〉
昼下がりに、６２６レ旅客列車がＣ59
＋Ｃ62の重連でやってきた。このプロポーションの大きく異なったサイドビューが、平凡になりがちな河口の橋梁のアングルを面白いものにしてくれた。
呉～糸崎間の蒸機牽引普通列車は１日３往復。上りは３本とも撮影時間帯だ。
安芸阿賀-広。
雑誌掲載写真のデーダは、
国鉄時代０６６-０２．ｊｐｇにあります。
〈0002:№２２０１１３：上り荷、Ｃ５９１６２〉
〈撮影メモ： 1969.1.3．撮影〉
呉ノ市街ヲ抜け、海に沿った吉浦?天応の間の国道と並行している区間で、古めかしい石積みのトータル（坑紋）のトンネルを見つけた。ダイヤを見ると、折よく上り荷物列車42レが来る。この付近の煉瓦積のトンネルは１９０３年（明治36年）の呉線の開業のままで、その断面は小さくＣ59やＣ62が通過するには精一杯のようだ。ほどなくして、トンネルの暗闇から、蒸機が地響きをたてて近づいてきた。期待通り古めかしい石積みポータルのトンネルから、煙と蒸気を大きな体にまとわりつけながら勢い良く跳び出してきたのは、Ｃ59１６２号機であった。小屋浦-天応。
〈０００４：国鉄時代６１．ｊｐｇ：小屋浦発車のＣ５９〉
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広島行き通勤列車が小屋浦を発車する。冬の朝日がC59の美しく染めた。
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〈紀行文〉
今回は昭和４４年末に出かけた南九州への家族ドライブ旅行の道すがら、出電化を目前にした呉線沿線で出会ったＣ５９の姿をアップしました。
三原から国道185号線に入って、やがて穏やかな美しい瀬戸内の海を眺めながら安芸幸崎から忠海の海沿いを通り過ぎると、ちょうど昼頃に竹原の街に入った。さすが安芸の小京都」と呼ばれるだけあって塗ごめ壁や格子窓の家並みが往時を忍ばせてくれた。この先の安浦からの｢安登越え｣を抜けて、明るく広い内海のう奥に広がる広の街並みに入った。この広駅構内の広さは呉線随一で、大型ＳＬが牽引する朝の通勤列車が三本も勢揃いすると云う有名撮影地なのだが、昼下がりのためか閑散としていた。かって、この駅前からは呉市電が呉市の中心まで11kmもの併用軌道で走っていたと云う国道185号を安芸阿賀方向へ走ると、やがて下流側に呉線の黒瀬川橋梁が間近に見える場所にやってきた。そこで、陽当たりの良い南側に渡って下り列車の通過を待つことにした。この鉄橋を渡り、安芸阿賀駅を出ると線路は直ぐに呉とんねるに突入して呉市害へ向かっていた。
やがて堂々たる姿を現したのはＣ５９であった。鉄橋の背景がいささか「うるさい」のに嫌気がさして、追いかけクローズアップを試みてみた。午後の柔らかい光がたくましい直径1750ｍｍの動輪を持つ足回りを明るく照らしていた。このゆったりと流れる川面では水鏡も狙える格好の撮影ポイントであるとのことであった。
この呉市最大の河川である黒瀬川は延長50.6kmの二級河川で、中央分水界の南に位置する虚空蔵山（こくぞうざん、標高666m）を水源としており、東広島市の中心部で山陽本線や山陽道の通過する西条盆地などを南流し，さらに二級峡（にきゅうきょう）の隘路を抜け下って、やがて川の流れがよどむ辺りが呉の広町の開けた平野であった。
この川向こうには呉市外と広の市外とを分ける山並みがそびえており、川岸から山裾に掛けて漁師町である阿賀地区の古い町並みが細長く並んでいた。
ここの西側には、呉市街南西に横たわる半島部をなす休山山地がある。呉線は、この下を全長 2582mに達する呉トンネルで抜けており、ＳＬの煤煙が乗客たちを苦しめることで良く知られていた。
この山並みは最高峰である休山（標高 497m）から いくつかの頂きが高さを次第に落としながら続き、南の瀬戸へ呑み込まれていく。半島ともなんとも名前は付いていないが、これ自体がひとつの大きな岬のようであった。国道185号線は大きく迂回しながら呉越峠を越えて呉市街へ通りぬかっていたが、これと併用軌道であった呉市電は峠を50パーミルと云う驚くべき急勾配で上下していたと云うのだが、残念ながら私の訪れた二年前に廃止されてしまったようで、その痕跡を観察する機会はなかった。今は既に休み山トンネルが開通していて、峠は閑散としていることだろう。 一方の呉線は安芸阿賀駅を出ると直ぐに長い呉トンネルを抜けると、呉市街が広がり、左手に海上自衛隊の基地を眺め、大きく左カーブして二川川（にかわがわ）を渡ると、呉駅に着く。市内での寄り道をせずに通り抜けて、海に沿った吉浦－天応の間で古風な石積みのトンネル入り口を見つけた。ちょうど間もなく上り荷物列車の飛び出しが見られるのに喜んで狙うことにした。このトンネルも明治36年(1903)の海田市-呉間（19.96km）の開業に合わせて完成した古典的な貫禄を見せているようだった。後の呉線電化に際しては放棄される運命に陥るほどのせまさからであったから、大型のＣ６２やＣ５９の通過するには精一杯だったのであろうか。こどなくしてこの、トンネルの暗闇をついて、大型ＳＬが地響きをたてて近づいてきた。案の状、ん煙と蒸気を大きな躯体にまとわりつけながら、引き連れるように跳び出してきたのはＣ５９１６２号機であった。
撮影：昭和４４年（１９７４）
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◆『瀬戸内の呉線に急客蒸機 Ｃ５９、Ｃ６２を訪ねて Ⅰ ～ Ⅶ 』のリンク
１９１． プロローグ：海辺を疾走するＣ５９･須波-安芸幸崎 間
１２８． 冬の沼田（ぬた）川堤防から須波海岸へ･三原-須波－安芸幸崎
３６６ 瀬戸内の浜路を走る・呉線のどこかで
３６５． 安登越えの急行｢安芸｣・安浦－安登－安芸川尻
129. 夕暮れの寝台急行（ 安芸 」 ･ 忠海～安芸幸崎 間
１１３． 昼下がりと夜の糸崎機関区にて 」
－スナップに添えて、ゴイラー用水とその管理-