ＳＬ写真展 （ ＩＮＤＥＸ )～アメリカ ＆ 日本現役
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・山陰本線に日本海沿岸を巡る ⅴ
141.岩見の海岸を行く Ⅱ 、
小春日和の三隅海岸
・折井－三保三隅
〈０００１：〉
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〈紀行文〉
昭和４２年（１９６７年の秋頃だったろうか、近い将来に開くであろうＳＬ写真の個展では「海辺を走る」をテーマの一つに取り挙げようと決めていたので、今度は山陰本線に取り組むことになった。その手始めに「冬の餘部鉄橋」を昭和４３年の３月に撮ったので、次の年末年始の休みには次の目標として、撮影名所である三隅海岸を、可能ならば更に西い位置する宇田郷の橋梁も狙うことにしていた。そして待ちに待った年末には、クルマで子供たちを連れて出かけた。お決まりのコースである関西本線の加太超え（かぶとごえ）を撮ってから、伊賀上野市内で松坂牛のスキヤキで夕食を済ましてから、草津街道を教徒へ夜のドライブを敢行した。翌朝は保津峡で朝の客レを撮ってから、山陰路を家族サービスと、ロケハンを兼ねながらひたすら西へ向かった。そして、その夕刻に三保三隅駅の駅前旅館にお世話になって年越しの夜を過ごした。
翌朝は幸にも？、この季節には珍しい改正の朝となった。お陰さまで、冬荒れ気味の日本海どころか、小春日和の三隅海岸を撮ることができた。朝飯前に、駅を発車して三隅川鉄橋を力走してくる一番列車を迎え撃つために、丘を登ってポイントを探した。
午後から順光となる海側からのショットを心待ちにして、折井（おりい）駅と三保三隅の間をロケハンに余念がなかった。子供たちは暖かい陽を浴びて磯遊びに時を忘れて居てくれたようだった。
この三隅海岸の三点セットである、海に近い独立峰 標高６０５ｍの大麻山、それに白い砂浜、一転して巨岩がゴロゴロしている観音崎を前背景に海を入れてSL列車を撮ろうとする魂胆であった。
しかし、エクタクロームを詰めた３５粍カメラでは前景にこだわりすぎて大麻山は山裾だけとなってしまう失態であったのは後の祭りであった。
この三隅海岸は島根県の西部の浜田市と益田市の間４１㎞のほぼ中間に位置しており、沖に浮かぶ大島と海に突き出した観音崎辺りのことである。この二つの地域のほぼ中間に、地質境界線が南北に走っており、それぞれ特徴のある岩石海岸を形作っているのだと云う。その協会の東、大島側は丘陵性山地の緩やかな海岸線を構成しており、西、観音崎側は重くどっしりとした感じの岩体を成して、急崖となって海に迫っている。この地域一帯はリアス式海岸なのである。観音崎一帯には風当たりに強いクロマツ群落が見られる一方、海岸特有のウミウ、ミサゴ、ハマシギ、イソシギなどの海鳥の天国である。
所で、昨今は撮影名所「三隅海岸」も健在ながら、西隣にの岡見駅の東側に操業を始めた中国電力・三隅発電所との間に専用線が設けられており新しい撮影名所として登場している。
これは、一日一往復仕業の岡見貨物と云われるものである。赤いＤＤ５１重連が牽くセキ貨車の貨物列車は、往路では発電所で発生した石炭灰（フライアッシュ）を山口県美祢（みね）市にある「宇部興産 伊佐セメント工場に運んできて、往路では石炭と混ぜて燃焼させて脱硫効果を発揮させるための炭酸カルシウム（石灰石）を積んで発電所へ戻るのである。その運転ルートは、岡見駅－益田－新山口－厚狭－美祢－伊佐であると云うから楽しいことはかぎりないようだ。
撮影：昭和４４年（１９６９年）１月。（年月にはいささか疑問が残っている。）
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『山陰本線に日本海沿岸を巡る Ⅰ ～ⅵ 』シリーズのリンク：
０７７． 冬の漁村と余部鉄橋・山陰本線／鎧-餘部
３６２． 斐伊川 （ ひいがわ）旅情 ･ 直江-出雲市
－神話･｢やまたのおろち｣の舞台-
３６３． 出雲の海岸を行く、小田・田儀海岸・小田－田儀－波根
３６４． 石見の海岸を行く Ⅰ ：琴ヶ浜海岸・仁万（みま－馬路
161. 惣郷川橋梁のある長門路へ ・須佐－宇田郷