
Unexplained gravitational disturbances summon
the Starship Enterprise to the planet Elysia,
and the android Lieutenant Commander Data
to a date with destiny. For on this alien
world, he will be drawn into an impossible
quest, leading him to consequences both heartwarming
and disastrous, as he finally dares to pursue
his fondest desire: to become human.
正体不明な重力変動の原因をつきとめるため、エンタープライズは惑星エリューシアへ向かう。そこでデイタ少佐はありえないような冒険の旅にでることになり、人間になるという望みを実現する。しかし、それは心温まるとともに悲惨な結果をもたらすものだった。
タイトル:変身
作者:JEAN LORRAH
発行年:1990年
設定時期:第2シーズン「人間の証明」(The
Measure of Man)の、デイタ少佐の復帰パーティのシーンから始まります。
173宇宙基地の軌道上、エンタープライズのホロデッキではデイタのための「おかえりなさい」パーティが開かれています。話題は自然と「デイタの存在について」みたいな方向にゆきます。
ドクター・ポラスキー「ねこのミステリーは、不思議なことにいつのまにか部屋を抜け出してあっちこちに出没して、人間にはすり寄って来てのどをゴロゴロならすし、暖かい機械もお気にいりで、機械には自分の体をこすりつけてるわ。彼女はデイタにも同じようにするわね。デイタはマシンよ。でも、それはすばらしいことなんだから、人間になろうなんて思わなくてもいいじゃないの。」
エンプラの次の任務は、エリューシア星系の調査。最近の技術発達で、連邦の活動範囲が広がったのと、この星系がロミュラン帝国との中立地帯、そして孤立している32宇宙基地に近いためです。また、星系唯一の有人惑星エリューシアの調査も。100年前にU.S.S.クラリオンが訪れた時、農耕社会段階の知的で友好的な住民に歓迎されながらも、クルーが聖域を侵してとがめられ、3日間で退去させられたという経緯がありました。
惑星に近づくと、正体不明の重力変動がエンプラを襲います。その時、救難信号が。ダリル・エイデン(デーア)が率いる3隻の小型艇8人からのものでした。エンプラは、彼らをきわどいところで救助することができました。
デーアという人は、元宇宙艦隊の保安部員で、故ターシャの恋人でした。ターシャを生まれ故郷の惑星から助け出した後親しくなったものの、その後、罠にはめられて反逆・殺人の罪で指名手配されたことで、2人は別れてしまい、後にデイタがこの問題にかかわって彼の無実を証明したことから、デーアは自由の身になってターシャとの仲も復活したのでした。しかし、それもターシャの死で終わりになって、その時、デーアの元にターシャの「お別れのあいさつ」ホログラムを届けたのはデイタだったという事情があります。
惑星の調査のため、地元民に扮装したライカー副長率いる上陸班でしたが、惑星の人々はなぜか彼らの訪問を知っていて、逆に招待され、偽装はむりだからという理由ではずされた残りのメンバーも上陸します。ウォーフ、ジョーディ、デイタ、そして社会学者のタラーレン。彼はテスキアンという種族で、顔は青白く髪は黄色で、ゆるくカーブしたアンテナの持ち主です。
彼らは、神の代弁者の女性から次のような話を聞きます。昔、彼らはひとつの大陸に住んでいましたが、争いをし、神の怒りをかったため9つの居住地にわけられてしまい、それぞれの陸の間には有害な大気を含んだ沼が広がっている。各民族ごとに神の言葉を理解できる者がいて、それに従って人々は生活している。神は聖なる山に住んでいる。
副長たちは、神が住むという、聖なる山の洞窟を発見し、調査しようとしますが、慎重な態度の艦長に押しとどめられ、とりあえず鉱石などを持って帰還することにします。
転送寸前、デイタは接近する何かに気づき、一人残ります。沼を小船で、若い小柄な女性が渡ってくるところでした。デイタを見て驚いた女性がバランスを崩して溺れ、沼の生物のようなものに襲われたところをデイタが助けます。
彼女はアトリディアという部族の、神の言葉を伝える者、名前はテーリア。クエストの途中だといいます。クエストとは、神に自分の願をかなえてもらうため、つらい旅をして神のもとへ行くことで、彼女の願いは、隣の部族との間の沼をなくして、歩いてゆききできるようにしてほしい、というもの。デイタを、神から与えられた旅の同行者と思っているようです。自分のことも自己紹介しながら、文明干渉を恐れてアンドロイドであることを告げないデイタ。彼が、疲れず、食べず飲まないことを不思議に思いながらも、ふたりは旅をつづけます。けれど、テーリアを危険から守ろうとして、その結果、デイタの肌の下の機械が見えてしまい、逆に彼女を恐れさせてしまいます。テーリアは、一度はデイタと離れたものの、再び、助けられて、デイタを受け入れます。
自分がアンドロイドだと打ち明けながら、デイタはピノキオの話をします。それを聞いていたテーリアも、自分たちの部族に伝わる、次のような話をします。
ある年とった木工彫刻家が人形にカラティーナという名をつけ、自分のクエストを成功させて、彼女を人間にかえました。でも、彼女は心がないので彼を愛することができません。そこで、彼女も愛する心をもちたいというクエストを成功させて、しかし、その帰り道、別の若いハンサムな男の人を好きになってしまいます。でも、彼の好きな人は別にいました。彼が結婚した日、呪縛が解けてカラティーナは彫刻家の元に帰ります。しかし、彫刻家は老衰で彼女の目の前で亡くなってしまい、心が破れたカラティーナも死んでしまいます。
その後、デイタとテーリアは、さまざまな試練をくぐりぬけて、ぼろぼろになりながら神のもとにたどりつきます。自分のクエストを成功させたテーリアは、デイタに感謝の言葉を残して消えてゆき、デイタもクエスト成功でかなえてほしい願いを聞かれます。最初は、神の正体について知りたいと願っていたデイタでしたが、人間にしてほしいという願いをかなえてもらうことになります。
で、デイタは人間になってしまいました!!
最初の転送位置に戻って、エンプラに転送されますが誰も信じない。ドクターだけは別で、「デイタが人間だったらいかにも、って感じじゃないの」などと言っています。
やっと信じてもらえて24時間のオフをもらったデイタは、部屋に戻って早速、自分を観察。色白で、黒い髪にウェーブがかかって前髪がひたいにかかったりしています。
リプリケーターで日用品をゲット。洗面用具にパジャマにベッドに、副長の趣味を真似して香水まで。若い少尉を見てボーッとしたり、初めて水泳をしたり、食べ物がおいしくて太りだしたり、デーアの仲間の女性とひと晩過ごしてしまったり!!ま〜楽しそうです。
でも、いいことばかりではありません。ドクターを体でかばおうとして死にそうになったり、士官としての能力テストを受け直さなければならなかったり、アカデミーの頃、暗記科目はインプットして終わりだったので(うらやましい)、今から勉強しなおさなければならなかったり。
エンプラは救難信号を受けて急行することになりました。サムディアン宙域の惑星ダケットがコナーという敵に攻撃されているというのです。実はデーア達も傭兵として雇われてその惑星に向かうところでした。
ダケットは何百年も前にひとつの種族に植民地化された3つの惑星のうちの一つで、他のジョカルンは5年前からのコナーの攻撃ですでに敵の手に落ちてしまっているという状態でした。
エンプラの調査でわかったことは、コナーはダケットの大人たちを殺害し、一部の子供達を連れ去っていること、彼らはテレパシーで会話していること、そしてダケットの住民とよく似た外見をしていること、でした。
コナーと直接交渉するため、ジョカルンに上陸班が向かうことに。ライカー、ウォーフ、トロイ、社会学者のタラーレン。チーフオブライエンとデイタが転送装置を操作。それども、コナーたちの反抗にあってトロイが傷つけられ、かばおうとしたタラーレンが呼吸停止の状態で上陸班は転送回収されます。
タラーレンを蘇生させようとするデイタ。驚いたまわりの人々にとめられます。タラーレンが属するテスキアンたちの文化では、一度死んだら魂が体から離れたと考えられ、蘇生なんてしたら一生、仲間から疎外され不名誉を背負って生きなければならないのです。そんな基本的なことも忘れてしまっているデイタは、自分自身にショックを受けます。
結局、何の進展もないまま、実はコナーは、ダケットと同種族で、テレパシーが発達した異分子ということがわかります。内戦干渉になるため、エンプラは何もできずに星域を離れざるをえませんでした。
上陸班の失敗は、実はデイタとタラーレンの状況分析の見込み違いから起きたことでもあり、タラーレンの死による欠如感、ダケットに対する裏切りのような気持ち、デイタはだんだんつらくなってきて、どうして自分がこんな状態を望んだのかわからなくなってきます。
そのころデイタの夢に毎晩同じ人物が現れて、デイタは彼女を想っているのですが、それが誰なのかわからない状態が続いていました。トロイに手伝ってもらってよく考えたところ、それはエリューシアで別れたテーリアでした。ライカーに勧められて、休暇をとりエリューシアへ向かうデイタ。
行ってみると、アトリディアは翌日の結婚式の準備でもりあがっていて、それはテーリアと、つながった隣の大陸の王子シャルンのものだというのです。住民から歓迎され、テーリアにも会ってみたものの、彼女にはデイタがわからず、おまけに、最後に二人が別れたとき、テーリアがしたキスは呪縛で、デイタは一生彼女を想いつづけなければならないらしいことがわかってきます。
「こんなのいやだ〜」と叫ぶデイタ。
再び、エリューシアの神の前。いままでの記憶を消して、もとのアンドロイドに戻してもらうことに。ほんと、「一睡の夢」の話みたいです。
そして、場面はエリューシアからエンプラに転送されるところに戻ります。
デイタの目の前を、若い男女が手をとりあって山に向かってゆきます。デイタにはわからないけれど、それはテーリアとシャルンです。
惑星ダケットからの救難信号を受けたエンプラは急行し、デイタの正確な分析のおかけでコナーたちとテレパシーで会話が可能になり、彼らを説得して、他の者たちと共存させることに成功します。
そして、最後のシーン。デイタの部屋に、ねこのミステリィがやってきます。デイタにとっついて、不思議なことにのどをゴロゴロ鳴らしています。何かが変わったということでしょうか。