ワンダーメガ2を稼働させていたこともあって、箱に入れたままになっていた初代メガCDを二年半ぶりに出して動かして見たら、コントロール画面は出るものの、メガCDのディスクや音楽CDを入れても、少し間をおいてトレイがイジェクトされる不具合が発生した。
仕方なく本体を開けてメガCD内部の動きを調べたところ、中に入ったディスクが回転していなかった。
メーカー修理はとっくの昔に終わっている事から自力で直すしかないが、修理をした事が無いので参考になる情報を”メガCD修理”をキーに検索した結果、幸いにも同じ様な症状で修理したと云うブログが見つかった。
ブログにはCDドライブメカを上下させているゴムベルトと電源周りのアルミ電解コンデンサに原因があること等が書かれていた。
放置していて不具合が発生した事から、ゴムベルトとアルミ電解コンデンサの可能性が高いと思われたので、この二点の修理に取り掛かったが、ブログには数点の写真はあるものの、何処を外すとかの詳細な点までは書かれておらず、ゴムベルトの位置を探すのに手間取る等、分かれば簡単だが修理を終えるまでかなりの時間を要した。
ともあれ、短期間で無事に不具合から復帰したのはブログ作者のお陰と感謝している。
ゴムベルトの問題は初代メガCDに共通する事項に思えるので、今後の修理の参考に気が付いた点を含めて紹介する。
[写真]
初代のメガCD本体。
外観は右側面の四角いコネクタ部分が特徴的。 CD-ROMドライブだが、この本体単体では動かず電源すら入らない。
メガCD本体を開けて中の動きを見るにはメガドライブ本体を接続する必要がある。
操作はメガドライブのコントロールパッドを使い、コントロール画面から行う。
本体を開けるには、底面のネジと写真のコネクタ部分のネジを外す。
上蓋部分はコネクタをカバーしている四角い部分をつまんで、反対側を支点にして斜め上方向に引き上げると外れる。
組立は逆順に支点側をセットしてから閉じる。
※真上に開けようとしても外れない。
CDドライブ部は四角い金属カバーで保護されている。
3箇所のネジを外して金属カバーを取り外す。
写真はCDドライブ部の金属カバーを取り外した状態。
メガCD内部は、コネクタ側のメイン基板とCDドライブ部及び電源周りがある背面の細長基板で構成されている。
メガCDを動かすためにメガドライブ本体をセットする。
金属カバーが無いのでCDドライブメカに当たらない様に片側を綿棒で支える。
頼りない感じだが本体が軽いのでこれで十分。
[不具合症状]
音楽CDを入れトレイを閉めると、シュルシュルと音がした後に、CDが回転しないままイジェクトされてしまう。
写真はメガCDのトレイをイジェクトした状態で電源を切り、メガドライブ本体を外したところ。
ゴムベルトはトレイの下にあり、トレイを外さないと状態を確認出来ない。
トレイをイジェクトさせた状態の方が外しやすいための処置。
※写真は修理後、掲載用に写した。
※実際の修理ではゴムベルトの位置を探すために先にCDドライブ部を外し、後からトレイを外した。
トレイには、中から見て左の下側の溝にツメで固定された樹脂製のピンがあるので、先にこれを外す。
その後、メカ部の金属板ベースの前方両側にある樹脂製ストッパーを一緒に外側へ広げ、トレイを前に押し出すと外れる。
ストッパーには円い穴があるので広げるにはピンセット等を使うと良い。
写真はトレイを外したドライブメカ部。
トレイを外すとゴムベルトが顔を出す。
ゴムベルトを外すには、白いプーリーの半分を覆っている樹脂カバーを外す必要がある。
カバーはツメで下側の穴に固定されているため、先にCDドライブ部を筐体から外す。
不具合の原因は、ゴムベルトの変形とギア付の白いプーリーの軸に塗られたグリスが固まったためと判断。
外したゴムベルトにひび割れなどは無いが、弾力性が失われてきて変形し、それが元でスリップして力が十分伝わらないと思われる。
[ゴムベルト]
約φ25、実測1.55mm□の角ベルト。
※直径はおおよその値。
ゴムベルトの代替品は入手可否が不明な事と、ゴムの弾力性を復活させれば使えるとの判断から、”テープレコーダー用クリーニング液セット”のラバー用で丁寧に清掃した。
背面側にある細長基板のメイン基板から伸びるフレキシブルケーブルの当たりに三端子レギュレーターがあり、この周りに三個のアルミ電解コンデンサがある。
アルミ電解コンデンサは経年劣化を起こしやすい部品で修理の最初に交換したが、 不具合症状(トレイの自動イジェクト)には効果がなく、今回は予防取り替えの意味合いになった。
簡単に紹介する。
部品番号 | 耐温度 | 耐圧 | 容量 |
C27 | 85℃ | 16V | 100μF |
C25 | 105℃ | 6.3V | 100μF |
C24 | 105℃ | 6.3V | 100μF |
高さ | 耐温度 | 耐圧 | 容量 |
5.9mm | 105℃ | 6.3V | 100μF |
7.6mm | 105℃ | 16V | 100μF |
応急修理から二年余りが経ちメガCDをしばらく使わないでいると、最初のゲーム起動でプーリーに掛けてあるゴムベルトのスリップが再発するようになったため、いつでも交換できるように購入した代替品。
価格的には安いが送料等が掛かるため、何か購入する際についでに買うと良い。
尚、ゴムベルトのスリップはゴムが固くなる冬場に起こりやすい。
[写真]代替品のゴムベルト
φ25mm、1.6mm□
通販:千石電商で入手。
※商品は2010年頃に確認していた物。
メガCDのドライブメカを上下に動かすプーリーのゴムベルトがスリップして発生するCDトレイが自動イジェクトする症状が再発した場合の簡単な回復方法を紹介する。
これは、テープレコーダーのラバー用クリーニング液による応急処置が有効だった本体における方法です。
修理で説明している通り、ラバー用クリーニング液による応急処置でも、ゴムベルトを新品交換する場合と同様に、ドライブメカ部の分解等の手間が掛かる。
本体をその都度開けることは、メガCDを傷める事にもなるため出来るだけ避けたい。
そこで、本体を開けること無くゴムベルトの応急処置をする方法を探してみた。
[写真]
メガCDのCDトレイをイジェクトして、正面からCDトレイの下を覗いた状態。
CDトレイをイジェクトしてから電源を切り、この状態を保持する。
右側にCDトレイを動かす大きな歯車は見えるが前面にカバーが有るためゴムベルトが掛けてあるプーリーは見えない。
[写真]
本体を右斜めにしてCDトレイの左下から中を覗いた状態。
矢印の所に白いプーリーとゴムベルトが見える。 写真には写っていないが左奥にはモーター軸の小さな黒いプーリーも見える。
この位置なら綿棒がゴムベルトまで届く。