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 CDの音を元の音楽に近づける方法   
CDで聴ける音楽の音質は概ね
1)CDの製造品質
2)CDプレーヤー等の再生機器
3)再生環境

以上の総合的な結果となる。

音楽の音質は "製造品質"、"再生機器"、"再生環境"の各部での悪化度合いに左右される。  音質の大部分を決めるCDの製造品質がゴミ同然なら再生機器や再生環境が良くても音質上は意味が無い。

CDの製造品質はレコード会社の領域で消費者にはどうにもならないが、仮に最高品質のCDでも”再生機器”や”再生環境”に問題があるとその分の音質が悪化する。
現実には再生機器や再生環境にも問題点があり、その原因を探るとCDの音の再現は結構難しい。

手の出しようが無いCDの製造品質は置いといて ”再生機器”と”再生環境”に焦点を絞りCDの音をなるべく元の音楽に近づける方法を紹介。

(2023/7 NO.110 掲載)



1) 再生環境

ここでの再生環境とはコンセント等の電源周りを指し、いわゆる使いこなしに当たる部分。

1-1「アース」
重要な点は”アース”が有るか無いかです。
アースと云っても馴染みの無い場合も有ると思いますが、万一の感電を防ぐために洗濯機や冷蔵庫、電子レンジ、エアコン等に付いている緑色の被覆線を繋ぐ端子です。
国内の家庭用AC100Vコンセントは二極タイプが主流で昔からの家屋はアースが有りません。
コンセントが三極タイプやコンセントとは別に保安用接地端子(アース)が設けて有る場合はアースが使えます。

保安用接地端子付コンセントの写真

[写真1]
 保安用接地端子付コンセントの例

”アース”の蓋の所にアース端子が有る。(矢印の所)
蓋を開けて中の端子金具にアース線を繋ぐとアースが使える。主な用途は洗濯機や冷蔵庫、電子レンジ等の家電製品に付いている緑色の被覆線(アース線)の接続。

保安用接地端子はオーディオ製品のアース線接続先としても使えます。


オーディオでは値段に関係無くどの様な製品でもアースを使える事が重要でアースが使えないとそれだけで再生機器の音質がだいぶ悪化します。
一般的に国内向け家庭用オーディオ製品にはアース線を繋ぐアース端子が有りません。
このため、たとえコンセントにアース端子が有ってもアース接続は出来ず、自動的に音質の悪化した音楽を良い音として聴かされている事になります。
音の悪さに気づいても価格等を理由に仕方無いと諦めている場合も有るかと思います。
この件についてメーカーは昔から知らんぷりで説明は無い。
アースの使い方は「再生機器」の項目で説明します。

1-2「電源コード」
電源コードの差込プラグをコンセントに挿す向きでオーディオ製品の音質が少しだけ変わります。
少し変わるだけのため体調が悪い時などは間違える事もある。
通常は、電源コードに捺印のある側のプラグ端子を左の接地側にする。
コンセントの差込み口は左右で長さが違い通常は次の様になっています。

 [コンセントの差込み口]・・・・・[写真1]参照
・右(短い方):電圧側(100V)・・・・・(電圧線側の接続)
・左(長い方):接地側(0V)・・・・・(中性線側の接続)

コンセントに挿す差込プラグの左右を入れ替えて音質の良い方にします。
製品の取扱説明書に書いてある事もありますが、これはオーディオの初歩です。
最初に確認してプラグに印を付けておけば迷いません。
尚、ACアダプタも同様に最初に必ず確認します。

電源タップ(マルチタップ)の差込み口は左右共に同じ長さの物も多いため、使用する前に差込プラグと本体の差込み口の導通をテスターで確認して印を付けると間違いを防げます。

1-3「コンセントと電源タップ(マルチタップ)」
オーディオ製品の音質が良いのは、電源コードの差込プラグをコンセントに直接挿した時です。
電源タップを使用すると音質が少し悪化します。
電源タップは便利ですが音質を悪くする要因な事を忘れずに。
尚、電源タップも汎用やオーディオ用などの種類によって変化の度合いが異なります。

1-4「電磁波」
他の家電製品から出る電磁波もオーディオ製品の再生音質を悪化させます。
電磁波は目に見えないため厄介ですが、電波を出す物や放電を利用した空気清浄機等には注意が必要で影響が大きい場合は電源を切ります。
盲点はスイッチング式ACアダプタで他の製品の物が近くにあると音がこもるため影響の大きい物は音楽を聴く間は抜いて置きます。
 (※該当製品のACアダプタを抜き差しして音の変化を調べる。)

2) 再生機器
重しを載せたYAMAHA TSX-140の写真

[写真2]
 YAMAHA TSX-140

ステレオスピーカー 一体型CDラジオ。
作製した音楽CD-Rの音質確認等にも使用。
mp3再生用USB端子付で電源はACアダプタのため直流安定化電源も使用可能。
 (このモデルの型としては少し古い)
スピーカー部の上に載せているのは防振ゴムとオーディオテクニカのディスクスタビライザーで箱鳴りを抑えるため。

(※防振ゴムは洗濯機等に使う汎用の物。)

一体型の場合は重しで過度な箱鳴りを抑える事が音質改善の大前提。
比較的小型のオーディオ用単体スピーカーの場合は揺れが抑えられて音がより明瞭に成る。
TSX-140は再生機器が抱える問題点が分かりやすく改善策を行える機器構成になっている事からこれを例に説明する。

通常の再生音は音場が前方に迫り出すように広がり音像もぼやけているのが特徴。
音像のぼやけは音の悪化による物でこの様な特徴はメーカーや機種を問わずどれも似た状況と云っても良い。
これは本体にアースが無いためでアースを付ければ音を良い方向に変えられるがアース端子の無い物に無闇に付けるのは逆効果になる。

何処かにアース端子の代わりになる物が無いか探した所、TSX-140の様にUSB端子付の製品ではUSB端子がアース端子の代わりになる事が判明。
アースの役目をするのはシールドでこれにアース線を繋ぐと奥行きのある再生音場に変わり音像にも明瞭さが出てきてCDが持つ音に近づく。
 (※シールドが内部回路のアースラインに繋がっているためと思われる。)
ただ、クリップ等で挟むやり方ではアース接続が不安定で安定的に接続する方法が課題となった。

アース端子付USB外付けハードディスクの写真

[写真3]
 HDH-SUE400(アース端子付き)

安定的なアース接続として見いだしたのが写真のアース端子付きUSB外付けハードディスク。
内蔵電源型ハードディスクで安全のために筐体にアース端子が付いている。 (※製品としては古い物。)

USB-Bレセプタクルのシールドと筐体のアース端子が繋がっているためUSBケーブル経由で安定したアース接続が行える。
使い方もハードディスクとTSX-140のUSB端子をUSBケーブルで接続するだけで済む。

アース線とUSBケーブルを接続した外付ハードディスクの写真

[写真4]
 アース接続したHDH-SUE400
  (※写真の緑色の被覆線がアース線)

「取付け方法」
1)オーディオ製品の電源を切る。
2)保安用接地端子(アース)にアース線を接続する。
3)アース線のもう片方をHDH-SUE400のアース端子に接続する。 4)USBケーブルでハードディスクとオーディオ製品のUSB端子を繋ぐ。

ハードディスクの電源は”OFF”のままで電源コードの接続もしない。
 (※あくまでシールドを利用したアース接続として使う。)

この方法はUSB端子付のオーディオ製品ならどれでも有効でAC100Vの内蔵電源型も同様です。
特別な加工などをしないため何時でも元に戻せるのがこの方法の利点。

USBケーブルでアース接続にしたTSX-140の写真

[写真5]
 USBケーブルでアース接続したTSX-140

USB端子に接続したUSBケーブルはアース線の役割でHDH-SUE400のアース線に繋がっている。

希にUSBケーブルのシールド線が断線している場合があるので事前にテスターでシールドの導通確認をする。


※現在の外付けハードディスク製品は、アース端子付きの物が見あたらず新規入手は困難な状況。
現状では既に該当製品を所有している場合のみ有効です。

3) USB端子用アース接続部品

HDH-SUE400の様なアース端子付き外付けハードディスクが無い場合は、USB-Bレセプタクルとターミナルを使いUSB端子用のアース接続部品を作る方法がある。
レセプタクルとターミナルを半田付けするだけの簡単な作業で作れ費用もだいぶ安く済む。

USB端子用アース接続部品の写真

[写真6]
 USB端子用のアース接続部品(自作した物)

基板取付用USB-Bレセプタクルとターミナル(黒)を半田付けした物でアース線とUSBケーブルのシールドを接続する部品。
これが有ればアース端子付きのUSB外付けハードディスクを用意する必要はない。


USB-Bレセプタクルとターミナルの写真

[写真7]
 USB-Bレセプタクル(メス)とターミナル(黒)

通販(※秋月電子通商)で入手した物
レセプタクルの外側を覆っている金属がシールド。

※レセプタクルの上側が黒っぽいのは照明の加減によるもの。
下側を外したターミナルの写真

[写真8]
 アース線接続用のターミナル

ターミナルの下側は外してネジの部分を半田付けする。

半田付けは上側の留めネジ部分を一旦外し、ネジ溝を無水エタノールで拭いてからネジ単体で予備半田付けを行う。


ターミナルのネジ本体の写真

[写真9]
 ターミナルのネジ部分

ターミナルのネジ部分は、レセプタクルに比べて熱容量が大きく半田が付きにくいため、予備半田付けした半田を溶かす形でレセプタクルに付ける。
予備半田付けの際にネジがかなり熱くなるため、ピンセットやラジオペンチ等で挟み作業する。

レセプタクルもターミナルを付ける金属部分を予備半田付けする。
半田付けで付いたフラックスはティシューに染みこませた無水エタノールで拭けば取れる。

アース線とUSBケーブルを接続したアース接続部品の写真

[写真10]
 アース線とUSBケーブルを接続したアース接続部品

保安用接地端子に接続したアース線のもう片方をターミナルの留めネジ部分に取付けUSBレセプタクルにUSBケーブルを差し込み接続する。
ケーブルのUSB-A端子をオーディオ製品のUSB端子に差し込めばアース接続の完了。
電極部分は剥き出しながらアースは電圧0Vのため触れても大丈夫です。
但し、剥き出しでは埃が付き易く予期せぬトラブルを避けるためにもプラスチック容器等に入れて使用した方が良い。

アース接続したUSB端子用アース接続部品の容器

[写真11]
 USB端子用アース接続部品の容器(一例)

綿棒の空容器を利用した物で柔らかめのPP製容器のためカッターナイフで穴開け加工が出来る。
蓋にアース線とUSB-B端子を通せる穴を開け、中にアース接続したアース接続部品を入れる。
電気絶縁性があり蓋をすると比較的丈夫で穴の部分をテープで塞げば中に埃が入るのを防げる。


(注意)
プラスチックは紙のように簡単には切れないため刃が幅広で丈夫な作業用のカッターナイフを使う。
一度では切れないため何度もなぞるように切り込みを入れてカットし穴を開ける。

(参考)使用工具、材料など
・半田ゴテ:白光 FX600
・電子工作用はんだ
・無水エタノール(瓶入り):入手先(薬局又はヨドバシ・ドット・コム)

「アース接続の効果と範囲」
USB端子へのアース接続で再生音場や音像のぼやけは大きく改善されますが、オーディオ製品にはアンプ部の動作電圧ずれの問題があり、実際にはその分の僅かな音のぼやけは残ります。
従来からのCDの製造品質不良に起因する音のぼやけはアースを付けても改善しません。
同様に高音質CDを謳いCD製造マスター(音源)に小細工をした物の音のぼやけも改善しません。

ACアダプタを使う製品では直流安定化電源を使い動作電圧ずれに起因する音のぼやけを解消する方法があります。
方法については 「音が良くなる!!直流安定化電源の使い方」を参照。
尚、AC100Vの内蔵電源のオーディオ製品類は直流安定化電源が使えないため使用者側で動作電圧ずれを調整して音のぼやけを消す手段はありません。

更新履歴
  • ・2024/5/17
  •   体裁を幅780pxに変更、フォント指定"sans-serif"追加、ガイドバー変更。
  •   文章の見直し修正、ページタイトルの変更。
[ by star-route13 ](2023)/N2024
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