弐千壱年 弥生初夜 木之日 神戸Pi:z



 昨夜からの雨はどこかの街へ行ってしまった。それでも、神戸の街は厚い雲に覆われたままだった。
 二頭の龍はこの暗雲を見上げ、何を思ったのか・・・。
 この日のステージは、双龍の新たな覚醒を意識させた。厚い雲の隙間からさす光のごとく、二人は何処までも真っ直ぐな光を放っていた。それは、「自分達は自分達」という確立されたスタンス、「俺達の形」を見つけ出した自信のようにも感じられた。

 
「OPEN THE GATE」 いつもの曲で幕を開ける。前回が前回だけに、知る者は少し安心する。「トランス・テクノとへヴィロックの核融合」と雷龍が話すように、熱を増幅させるうねりはOPENINGに相応しく、その空間全体の緊張を増幅させる。そして、曲の終わりの余韻をのこしたまま、続けざまに「BEAUTY」。POP感に包まれ、聞く者は「ホッと」、そして、蓄えていた汗を湿らせる。静まり返っていた会場全体が確実にヒートアップしていく様が、自分自身の内部に伝わってくる。MIND=WAR」「INFINITY∞」立続けの演奏が耳の奥に残像を呼び起こした中、初めてのBGMに触れる。
 今日のMCはvoTETSU。約束された3月のCD発表を告げ「ここに今日集まった人、希望者全員に3月28日ライブのチケットをプレゼントする」等と二人のヒートアップ度もいつもとは違っていた。・・・まあ、これで、今度はタダになった。ちなみに初めて耳にしたBGM、二人は
「Incubus」と名付けているらしい。
 その間奏の直後
「PILEDRIVER」のイントロが天井を突き抜ける。この始まりが、客席全体さえも突き上げたらしい。ノリが最高潮に達し、ステージ前方には男達も女達も関係のない空間が広がっていく。いつものステージと客席を隔てる張り巡らされた黄色いロープは切れ、空間は完全に一つになっていた。その混乱に「VICTOR」が追い討ちをかけ、女達が更にヒートアップする。珍しくHIROLYNが男達を煽りたてる。「男も女に負けるなよ!」シンプルであり的を得ている。

 そして、
「DCS−J」。どうやら今夜、昇天したのは二つの龍だけではないらしい。絡みつくツタのように会場全体がもつれ合い、・・・その先頭を、二人は黒い雲の狭間に消えていった。


 久々の快進撃!!なんて古い表現だが、過去に知る双龍のステージとは、明らかに違っていた。良い、悪いなら、もちろん前者に決まっている。しかしそれ以上の何かが変わった。明らかにそれはTWIN DRAGONだった。他とは違う、他の何者でもない双龍でしかなかった。集まった者たちも、そんな理屈を考えることなく体に刻み込んだに違いない。彼ら、彼女達は、このステージに何を感じたのだろうか?



 次は3月28日。その頃には新しいメディアでの音源が発信され、新しい双龍の姿が見えているだろう。前回のトラブル、そして、これまでのミス、そんなものさえ糧にしながら突き進む二人の龍は更に急成長を遂げるだろう。
 ターニングポイント。今日のライブは心の中でその位置付けになった。覚醒した双龍はこれまでの音楽=既成のリズムを拭い去ろうとしている。
 まだ、双龍を経験していないのなら、ぜひ、ライブを見て欲しい。雷龍のいう「核融合サウンド」の体感者になる為に・・・


SET LIST
1.OPEN THE GATE
2.BEAUTY
3.MIND=WAR
4.INFINITY∞
5.Incubus
6.PILEDRIVER
7.VICTOR
8.DCS−J
9.ENDROOL

seagull