(自作ヨット・・・いかだ?)
自作した「クルーザー」でクルージングを楽しんでいます。まあ「クルーザー」などと言ってますが、実は「クルーザー」号という名前のカタマラン型双胴ヨットです。ヨットというより「いかだ」といった方が正しいかもしれません。1996年に私が設計建造し、これまでに数回航海しています。
この「クルーザー」の開発に至るそもそものきっかけは、ウィンドサーフィン2艇をひもで繋いで何人かで乗ったのが始りです。その後ウィンドサーフィンのボードを組み合わせたいくつかの簡易型ヨットを作りましたが、もう少し本格的なものが欲しくなったというわけです。
船 型 カタマラン型ヨット(いかだ) 建造年 1996年9月(設計開始は同年4月から) 設計建造者 染谷幸一郎 全 長 3.6m(舵を含まず) 全 幅 1.6m(突起物を含まず) 喫 水 1m(センターボード未使用時は20cm) 重 量 90Kg 船体容量 260リットル×2 セール面積 メイン:5.5/5.7/6.0u(選択) ジブ:3.0u 乗 員 2〜4名
(建造時の図面はこちら)
ほとんど木材で作りました。また一部にはウインドサーフィンの部品を流用 しています。
角材の骨組みにベニヤ板を張り、前後の曲面部は成形が容易なよう発泡スチロールブロックを使用しています。 重量軽減のため外板を3mmと薄くしたので座礁や接触により破損しやすくなっています。そのためフェールセーフの考えに基づき、船体内を六つの水密区画に隔壁で区切り、万が一破損しても浸水がその区画だけにとどまり致命的な状態に陥らないよう損傷時復原性(ダメージスタビリティ) を確保しています。一ヶ所程度の損傷なら平常時の92%もの浮力があり航海にほとんど支障をきたしません。
また、船体上部に点検用ハッチを設けてあるので、平常時は各水密区画 が収納庫がわりになります。 特に左舷第4区画は壁面に断熱材を張りクーラーボックスとして使用できます。
(現在は点検用ハッチの扉の形状が改良されています)
二つの船体間に4本の角材を渡し、その上に板を敷いてあります。これらの部品は乗員の体重を直接支えるための強度を持たなければならず最も重量がかさむ部分となりました。 しかし、けっこう広いフローリングなので居住性は抜群です。
マストとメインセールはウインドサーフィンのものを流用しました。よ ってメインセールは、風の状況に応じて手持ちのセールの中から適切なサイズのものを選ぶことができます。ジブセールは、レジャーシートを三角形に切って作りました。
舵は角材とベニヤ板で作りました。舵の前縁に隙間を開けることで利きを良くしています。
抜き差し可能で、取り付け位置も前後50cmの幅で変更できます。
(現在はセンターボードを2枚使用しています)
普段は家の物置に分解して保管してあります。運搬時は、分解したままの状態で乗用車(マークII)のキャリアに乗せて海まで運びます。
艤装(組立)するのに約30分かかります。駐車場と浜が離れていると更に 時間がかかってしまいます。
(艤装手順はこちら)
・第1回航海(1996年9月 千葉県千葉市 検見川の浜)
会社の同僚4人で処女航海。
合成画像です。(^_^;)
・第2回航海(1997年9月 千葉県館山市 北条海岸)
・第3回航海(1998年6月 千葉県千葉市 検見川の浜)
(写真はこちら)
・第4回航海(1998年9月 千葉県千葉市 検見川の浜)
・風上に上りにくい問題の解決
特に4人も乗るとクローズホールドでは風下側に滑ってしまいます。
<解決策>センターボード(ダガ−ボード)を2枚にした。
・速力が遅い問題の解決
船体曲面部のカーブがきついため、前部は造波が大きく尾部では水流の剥離が発生します。
<解決案>船体を延長し前部と後部を緩やかな流線型に整形する。
・タッキングできない問題の解決
タッキングしようとすると風下の押し戻されてしまいます。
<解決案>上記2点を解決すると本件も解決するかも?
・儀装、解装の簡素化
・速度計の設置
・偏流計の設置
<解決策>中心部から水面にロープを流し、中心線とのずれを読む。
・デッキの床板の固定