インペラ脱皮機
大竹製作所のミニダップです。
高さ60cmで20キロほどの米用小型籾摺り機ですが、カントリーセンターなどで試験摺りに多く使われているらしい。

ミニダップ入手以前の検討時、オオタケさんにソバの脱ぷも出来ないかと確認したところが、あっさりと米用なので粉になってしまい、お勧めできないとの返答だったので一年以上、踏み切れずに居たのだが・・・、とうとう手に入れてしまった。
そば脱皮機専門メーカーの國光社の機種には脱皮部に、このミニダップをそのまま搭載しているものがある。
これが心臓部のインペラ部分。
中心から籾が供給され直径25センチ程の羽根車から遠心力で飛ばし、内側に貼られたウレタン板に籾を叩き付けて、その衝撃で皮を剥く仕掛けになっている。このウレタン板と羽根が減っていたので交換してからのテストとなった。
当たり前のことかも知れませんが玄ソバを洗ったり、磨いたりしても、殻付きのままでそのまま製粉すると、ソバに雑味があると言うか、油臭い感じになるように思う。
これまで石臼で蕎麦の脱皮をやって来ましたが、運良く超小型のインペラ式籾摺り機の中古品を手に入れることが出来たのでこれで蕎麦の脱皮に挑戦です。
籾摺りと言えばゴムロール式しか知らない私しにとって、こんなものがあったなんて知〜らなんだ!。
剥かれたモミと殻は風選別に送られ排出されますが、廃殻の集塵にはサイクロンが付いていて、そこで分離される様になっている。構造は到ってシンプルです。
回転数を落とせば何とかなりそうなので、とりあえずプーリーの調整で可能な限り回転を遅くして観ることにした。
インペラ軸の回転を測ったら3300rpmあったが。標準は3500。これはモーター軸に60hz地域のプーリーが付いている為で、更にVプーリーが可変式なので2720rpmまで回転数を落とすことが出来たが、ソバ脱皮メーカーでは2500rpmが標準で割れ状態を見て調整しているらしい。
300gの玄ソバをホッパーに入れ恐る恐るシャッターを開けたら、あらまッ!数秒でジャーと出てきて終わり。写真を撮る間も無し!。
半分以上はまだ脱ぷ出来ていない状態である。
よく観ると、剥けていない実子にふ割れがないようだ、石臼の場合は殻が割れ口が開きかけてはいるが剥けずにいる実があるのだが、これにはそれがない。又粉砕割れも少ないようだ。
投入した玄は自作粒選別篩機で仕分けした3番篩上の粒径のものである。出てきたものを同じ3番篩で選別。少量なのでコンテナボックスに重ね手篩する。実は篩枠はこの衣装コンテナのサイズに合わせて作ったのでピッタリなのです。
十分粒揃えをした材料なので剥けない玄が3番目を通ることは無いはず!?ではあるが、実際通ってしまう所がアナログ篩の面白いところでもある。
皮が剥けると大きさが1割ほど小さくなるのでこの差で選別するのです。
1ランク篩目が小さい4番で篩直すと、今度はこのように玄に混じる抜きが若干目立つようになるのだが、まアーこの辺がいい塩梅である。

粒数の比較で見た感じは一回の脱ぷで剥けたものは半分以下の4割程度なのだ。

重さでは網上の玄200g、網下の抜き77gです、網上は殻付きなのでこのような重量差になる。
剥けなかった玄を2回目のインペラに掛けて選別したところです。
今度は脱ぷ率が上がってきた。
これは2回目分の衝撃で剥け易くなった為だろうか?
網上の玄75g、網下抜き97g。
最終的に4回掛けてマル抜きと割れが仕上がった。
黒く混じるのが幾つもある、良く観るとこれは1枚殻で風選別できなかったものです。
石臼と比べると細かく割れた実が少なく、まずまずの出来である。

4回掛けても剥けなかった、しぶといヤツが十数粒だけ残ったが相手にしない。
残留殻を綺麗にするために唐箕風選の所へ直接入れて、残っていた殻を飛ばした。
インペラ側のパイプから風が来るので入れ難いこと・・・風よけの漏斗など工夫が要るようです。
左下に唐箕の調整が2箇所あるようなので最初から調整して置けば一発で済むのかも知れません。
300gの玄から229g(76.3%)の仕上がり。
ちなみに石臼でやっていたときは78〜80%くらいでした。このなかには未脱ぷ粒が7個ありましたがクレームが来る訳もなく無視です。
左の仕上がりの中には微細片がどれだけあるか?
メッシュ#10で篩って見たら、25gあった。これは排塵へ廻らなかったことになる。石臼脱ぷに比べれば相当少ない。
排出された廃殻67gです。作業中のサイクロン周りは排塵が舞うこともなくクリーンでした。
300=229+67で4gが剥けなかった実や何処かへ行った分になる。
左の廃塵に混ざる排出された粉が気になるのだが、メッシュ#10下で粉や甘皮、殻のカスで11gであった。
皮が剥けると0.4mmくらい径が小さくなる。
インペラ脱ぷのテスト結果は上々です。
予想外だったのは小型ながら唐箕の選別能力がすばらしい。
臼脱ぷのときは手回し唐箕ですが何回も掛けないと行けなかった。特にガク部で繋がった殻が飛ばし難く苦労していた。
インペラでの排出殻は2つ割れた状態の殻が多いのが良いのだと思います。

さて、一回で脱ぷさせることは無理で、臼のときは玄実子の大きさの僅か差で剥ける、剥けない、の違いが出ると思っていましたが、そのことや水分影響だけでは無い様です。
外皮のヨロイには相当な固体差があるようです。外皮へいくら物理ストレス掛けても、皮を脱ごうとはしない頑丈なヤツもいます。
脱ぷ率を高めれば必ず割れが多くなり、それに伴い排出されてしまう花粉の量も多くなって来ます。

 丸抜きの量産
粒選別機とドッキングさせての連続運転です。

ミニダップにインバータを付けて脱ぷファンの回転速度を変更できるようにしました。
剥けなかった玄は篩い落ちずに左側へ出て来ます。これを繰り返しダップ機へ戻してやる訳ですが
4〜5回は繰り返します。
丁寧にやるなら回数を重ねる程、小まめに回転速度を落として行く方向でしょうが、非常にアバウトです。

割れを少なくする為には回転数を抑えれば良いのですが、そうすると今度は脱皮率が下がるので
繰り返しダップ機に掛ける回数が多くなる。
割れ混じりで丸抜きとしての見映えが悪くても、脱皮後は直ぐ様製粉臼へ掛けるので
大勢に影響は無いのですが、問題は割れにより貴重な内層粉が飛んでいるだろう?と気にしてしまいます。
玄ソバから抜き実の量は毎回79%程度で2割強は廃殻となります。
それにしても大がかりな仕掛けになったものです。(^_^;;;;

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