HP作成実録 No.34
ADSL導入
・ADSL概要
ADSLとは「Asymmetric Digital Subscriber Line」の略で、
非対称デジタル加入者線と呼ばれます。
現在、電話局から各家庭等に引かれている既存の電話回線(銅線、メタル線)の、
音声電話で使用する周波数(300Hz〜3.4KHz:「4KHz帯域」という)よりも、
高い周波数帯を利用する事で高速データ伝送を可能にしています。
「非対称(Asymmetric)」の名の通り上りと下りでは速度に差があり、
上り方向(利用者から電話局へ)は512kbps程度であり、
下り方向(電話局から利用者へ)は最大8Mbps程度となります。
一般に下り方向の速度で宣伝されており、
「1.5M」や「8M」はこれを指しています。
但しこの速度は「最大」であり、電話局(収容局)と加入者宅間の距離が長くなると、
減衰やノイズの影響等により最大転送レートが下がるため、
通常は電話局(収容局)から数kmまでの範囲でしか利用できず、
通常最大速度での通信は出来ない事になります。
(大体70%〜90%程度の速度?)
他に両方向で同じ通信速度を持つ「HDSL」や、ADSLの超高速版の「VDSL」等の、
新しい規格もあり、これらを総称してxDSL(x Digital Subscriber Line)と呼びます。

・利用料金
ここからは今shinが利用している「NTT 1.5M 電話共用」をベースに書いていきます。
利用する会社によって若干の差があるかと思います。

NTTではタイプが2種類あって加入電話と共用するタイプと、
インターネット専用にして利用するタイプがあります。
どちらも常時接続で月定額となっています。
サービスそのものに差はなく、料金の違いだけです。
2002年2月現在の月額料金 (NTT東日本)
タイプ別電話共用タイプ専用線タイプ
8M ADSL利用料3,100円4,750円
1.5M ADSL利用料2,900円4,550円
ADSL屋内配線利用料
(ADSLモデムを買い上げる場合は不要)
60円
ADSLモデムレンタル料
(買い上げる場合は不要)
440円
スプリッタレンタル料
(買い上げる場合は不要)
50円不要


この様になっています。
ADSLモデムはNTTが販売している一番安いもので13,000円です。
スプリッタは1,800円のようです。
レンタル料金で言うと約30ヶ月分(=2年半)になります。
shinは「2年半後にADSLがあるかどうかわからない」と思ったので、
ADSLモデムとスプリッタはレンタルにしました。
現在でもより高速な光通信等があるため、
普及率(=自分が使えるか)と料金しだいで、
いつ別の方式のものに乗り換えるかはわからないからです。
この他に初期費用として契約料や工事費等があります。
また、プロバイダへの料金は別にかかります。
2002年2月現在の初期導入料金 (NTT東日本)
タイプ別電話共用タイプ専用線タイプ
契約料(1契約ごと)800円
基本工事費
(自分で設置を行う場合)
4,500円
(1,000円)
交換機等工事費1,800円1,000円
ADSL屋内配線工事費
(自分で設置を行う場合は不要)
3,800円
機器工事費
(自分で設置を行う場合は不要)
6,400円4,700円


また既存の線が光収容だったり、ISDNからの変更だった場合は、
別途の工事が必要となるため、別の料金がかかります。
上の表の「自分で設置を行う場合」とは、
モジュラージャックからADSLモデムを経由してパソコンまでの接続の事です。
自分で作業すると工事費が一万円以上違います。
実際には線で機器同士を繋ぐだけの作業なので簡単です。
もしやってみてダメであれば、その時に工事を頼む事もできるようです。

あとはパソコンにLANを接続する機能があるかどうかと、
接続する台数によって機器が必要になります。
LANボード(デスクトップ用、有線)は1,200円位です。
LANカード(ノートパソコン用、有線)は3,000円位です。
これらはすでに付いていれば必要ありません。
LANケーブル(通常はストレート)も必要になります。
長さによって値段は違いますが、一本1,000円(以下?)位です。
複数台接続する場合はサーバーかブロードバンドルータが必要で、
ブロードバンドルータは9,000円位からあります。

・機器の接続
ここでの接続例では電話回線を共用する場合になっています。
専用線の倍は「スプリッタ」と「電話、FAX等」はなくなり、
「モジュラージャック」から「ADSLモデム」へ接続します。

通常1台のパソコンに接続して使う場合はこうなります。
一般的にはこの接続方法が多いと思います。
モジュラージャック
(通常の電話線)
スプリッタ
(通常の電話線) (通常の電話線)
電話、FAX等 ADSLモデム
  (LANケーブル)
  パソコン


次に複数台のパソコンを接続する場合です。
ブロードバンドルータが中間に入ります。
ここではパソコン2台を接続していますが、
最大接続台数はブロードバンドルータによって異なります。
モジュラージャック
(通常の電話線)
スプリッタ
(通常の電話線) (通常の電話線)
電話、FAX等 ADSLモデム
  (LANケーブル)
  ブロードバンドルータ
  (LANケーブル) (LANケーブル)
  パソコン 1 パソコン 2


次に複数台のパソコンを接続し、サーバーを使う場合です。
と言ってもサーバーがないので自分でやった事はありません。(^^;)
モジュラージャック
(通常の電話線)
スプリッタ
(通常の電話線) (通常の電話線)
電話、FAX等 ADSLモデム
  (LANケーブル)
  サーバー
  (LANケーブル)
  HUB(ハブ)
  (LANケーブル) (LANケーブル)
  パソコン 1 パソコン 2


・素朴な疑問だったこと、他
導入前にふと疑問に思った事が幾つかありました。
思い出せる限り書いてみます。(^^;)

● 電話と同時に使えるか?
 問題なく使えました。
 但し開通後にこの様な障害が出る場合もあるようで、
 その場合はNTTの方で別の工事をするようです。
● 複数のプロバイダを使えるか?
 使えませんでした。
 もちろん契約や設定はできますが、
 「2つのプロバイダへ同時に接続をする」のは無理でした。
● 料金の請求はいつくる?
 NTTの料金請求時にまとめてきました。


なにかもっと色々と疑問に思ってたような気はするんですが。
実際に導入してからの関心事はまず速度だと思います。
体感速度は1.5Mだとそれほど早くなった気がしません。
速度計測をすると早い事は(数字で示されるので)判りますが。
この後アナログモデム(56K)に戻ってみた時に早くなったと実感します。(^^;)
何より良くなったのは時間を気にしなくていい事です。
電話代を気にしなくてよくなります。
実質の月額料金は電話共用、機器レンタルで3,650円ですから、
1日1時間程度使用するのであれば、ADSLの方が得になります。
一つの回線で複数台のパソコンを接続できるのもいいです。
ダイヤルアップだと、交代しなければならなかったので。
デメリットも少しあって、常時接続だとウィルスの感染等、
危険も高くなる(確率が上がる)ようです。
ブロードバンドルータを使うと、この機器がファイアウォール等の、
セキュリティ対策機能を持っている事が多いので、多少安全性は高まります。
ADSLに限らず、常時接続では個人でもセキュリティ対策が必要になります。


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