姉の手紙はいつも、自分の近況を知らせる内容で、僕に元気でいるかとも訊けないでいる。

良い出来事しか書いていない手紙に、僕も元気でいると返事を書く。会いには行かない。

心配する事も、させる事も口に出来なくなった僕らが、長い長い別れを決めたあの日から、ゆっくり、家族に戻るまで。





「 ああ、間に合いませんでしたねぇ 」

集配に寄った郵便屋が、宛先を見て残念そうに首を振った。


「 あちらは大雪になったそうで、一昨日から馬車が出せなくなったんですよ。ああなってしまうと、春まで運休です 」

『 いいんだ。急がないから 』

「 そうですか?では、持ち帰りますけど・・・でも、内容が古くなってしまいません?」

『 春に書いても、まだ同じだから 』

「 分かりました 」

職業柄、過ぎた詮索をする事もなく、郵便屋は手紙を黒鞄にしまった。


「 こちらもまた、降りそうですね。私も今日の内に沢山回っておかないと 」

『 ご苦労様。また、よろしく 』

郵便屋が見た方角の空遠くに、雪雲が広がっていた。午後には、珍しくも無い雪が降るだろう。



あれも、世界から逸れたような、雪の夜だった。

『 僕は、ナナミのその必死さから逃げたい 』 

吐き出した言葉に、驚いた姉の大きな瞳。

本当はね、逃げて、何処かへ行って、いなくなって、でなきゃ、傷つけるから 、頼むから、遠くへ逃げて。



人は、それぞれの立場で人を愛さなければならないのなら、過ぎても、足りなくてもいけないのなら、

僕らは、お互いを愛する事がとても下手だったのだ。




















すみません。この部分を入れる話が無かったのです。

「Cherry」の冒頭が一番しっくりくるかもですが、時間的には「冬籠り」の前なんですよ。

ずっと浮いたままになっていたので、もう出してしまっとけと。

いつサイトを開設したのか覚えていないのですが、多分、十年やってます。

自分が十年CNSやっているのは驚きもしませんが、十年ずっと読み続けてくださっている方がいらっしゃるとは、

正直、思ってもいませんでした。二次創作は興味を持って頂ける期間が短いですし、始めた頃、すでに幻水2は旬を過ぎていましたし。

しかも、クルガンとナナミですし(笑)。これは本当に嬉しい事です。どうもありがとうございます。

CNS作品を保存してくださっている方は、何度か加筆修正がありますので、現在UPしている分を保存してくださると嬉しいです。



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