★File No.6  脳の開放★

最近では、個性的な若者が増えているといわれている一方で、個性の画一化が問題視されていますね。この矛盾した現状にはいったいどんな背景があるのでしょうか、その背景から見えてくる世界を通して、表現者としてのオリジナリティについて考えていきたいと思います。ここはオリジナリティを表現し、それを客観的に見て個性と言えるのかということを原点から考え直し、真の個性とはなにか、その一つの答えである『脳の開放』を通して考えていく場なのです。

そもそも個性とはなんでしょうか、オリジナリティとはなんでしょうか、わかっているようで説明するのはとても難しいものです。奇抜なかっこうをしている人は個性的ですか?前衛的な表現者にオリジナリティを感じますか?客観的に見ると人々の意識の違いという点に行きついてしまいます。しかし、それは世間の風潮、常識に依存しているのです。それらのものの見方から離れたとき、果たして個性とはなんなのか、とてもあいまいになものになってしまうのです。

たとえば、現代日本に侍がタイムトリップしてきた場合、侍の言動、格好はとても個性的に写るでしょう、しかしそれはオリジナリティを無視されている“個性的”なのです。また、「他人と同じ事はしたくない」という考えのもとに作られたものは、“他人と同じもの”という概念(パクリ、世間一般の普通)がなければ存在しないのです。何物にも属さないで生きることは不可能なのかもしれません。しかし、あらゆる物に依存していても自分の中だけで存在している世界、完結している世界というものは誰でも持っていることでしょう。個性とはそれらの世界(オリジナリティ)から派生してくるもではないでしょうか。あなたはオリジナリティから個性へのパイプラインはきちんと機能していますか?

そこで、オリジナリティから個性へのパイプラインの機能の一つとして、我々ファンシー通信教育事業部が創立時から提唱している『脳の開放』があるのです。自分の中だけで存在、完結している世界、ちょっとした思いつきで広がってしまった世界=パラレルワールドに旅立ち(脳を開放する)、住民になるのです。たったこれだけのことなのです。しかし、たったこれだけといってもパラレルワールドが不完全な世界では旅立つことさえ不可能なのです。最初は試行錯誤の連続かもしれません。また、試行錯誤を繰り返していくうちに行きつく先が現実世界の模倣であるかもしれません。パラレルワールドとはあなたの欲求を満たしてくれるやりたい放題の世界ではないのです。

思いつきから派生した世界、そこには様々情報、欲求が混在していると思います。その中にはそこだけにしか存在しないしきたり、現実的なしきたりも混在していることでしょう。その法則をあるがままに受け入れ、流されてみるのです、そこがパラレルワールドの入り口となるのだから。

入り口に来れたなら自由にその世界を歩いてみてください。思いつきで発生した世界ですが、広がりが無限にあることにきっと驚くことでしょう。また、その中にはあなたが表現したかったことも自然と分かることに更に驚くことでしょう。そう、パラレルワールドとはあなたの無意識の欲求が生み出したある意味現実との合わせ鏡的世界なのです。後はあなたなりの表現方法で納得が行くまで排出し、表現てください。それが表現者としてのあなたの個性なのです。ただ、排出されたものを表現するには現実的な“技術”というものが必要です、それはあなたのセンス、努力に関わってきます。

おわかりいただけたでしょうか?といってもこの説明を読んだだけではきっと分かっていただけていないと思います、きっと胡散臭く聞こえることと思います。実践するかどうかはあなたの自由ですが、あなたが空想世界を堪能できる人ならばきっとこの『脳の開放』は心強い味方となってくれることでしょう。オリジナリティを内包したものを表現することは“作(創)り出す”ことではなく、“排出される”ものなのだから。

しかし、この『脳の開放』を実践するに当たって一つ注意点があります。それは、行ってしまっても必ず帰ってくると約束してほしいのです。この言葉は『ファンシー通信』のトップページにも書いてあるので皆さん気づいているとは思いますが、もう一度意味を考えてみてほしいのです。“イッちゃっても”ではないのです、パラレルワールドに行きっぱなしになってはいけないということです。現実世界の物事が刺激になってはじめて現実との合わせ鏡的世界“パラレルワールド”が生まれるのです。そのことをふまえた上で『脳の開放』を実践してみてください。きっとすばらしいものが生まれることでしょう。

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