キャブレターの構造
4・加速ポンプ系統
「スロットルバルブH」を急に開くと
(アクセルペダルを急に踏み込んだとき)
一時的に高速の空気が流れます。

この時、「メインノズルM」からの燃料噴射が遅れ
(燃料は空気の増加について行けず)一時的に、シリンダー内に
流れる混合気が希薄なモノとなり、追従性が悪くなります。
加速ポンプは「スロットルバルブ」を急に開いた時に燃料を加圧
して噴射する装置です。


加速ポンプの作動範囲は「スロットルバルブH」の開き始めから
30%位までとなっています。
MIKUNI・PHHは「ダイヤフラム式」、
OERは「ピストン式」を採用しています。
 
MIKUNI・PHH
「スロットルバルブH」を急に開くと「ポンプロッドN」を介して
「ダイヤフラムO」を押し上げます。「ダイヤフラムO」の動きで
ポンプ室内の圧力が上昇し、「チェックボールP」「ウエイトQ」
を押し上げて「ポンプノズルR」より噴射されます。
 
OERキャブレター
「スロットルバルブH」を急に開くと「ポンプロッド(L)」を押
し上げます。すると「ポンプスプリング(J)」の力で「プランジ
ャー(ピストン)(K)」が押し下げられ、「チェックボールQ」
「ウエイトP」を押し上げて「ポンプノズルR」より噴射されます。
 
キャブレターの分解・整備
ぺラグスクリューを外すとポンプノズルが脱着出来ます。
「Oリング」が劣化している場合は交換します。
ピンセットが有ると便利です。 アルミのガスケットをお忘れなく
組込には方向性があります。
穴を覗くと切り欠きが見えます。
 
 
 
フロートチャンバーカバーを外した所に、
「ボール」「ウエイト」等が分解できます。
ボディのココに入ってます 型によって「ウエイト」の形状や
構成部品が違います
上から、
2型・3型用
4型用
S型・5型用
右は、2型50PHH用
キャブレターをひっくり返し、6本のスクリューを外すと
「ポンプカバー」 「ダイヤフラム」 「ポンプボディ」
等が分解できます。
ボディの底面(裏側) ボンプボディ部の構成部品
ポンプボディにはチェックボールが内蔵されているので振って音が
することを確認する

裏と表で矢印のとおり通路がつながってます打ち込みプラグは分
解してはいけません。
チェックボールが固着していると、ダイヤフラムが燃料を吸わなか
ったり、
逆流を起こし、正常に吐出しなくなってしまいます。
洗浄しても「チャラチャラ」と音が鳴らない場合はASSY(アッ
センブリー)なので新品に交換する。。。んですが、生産廃止で新
品が無いんです。
ダイヤフラムに硬化による
「ひび割れ」や
「傷」・「ピンホール」、
「異常な伸び」等がある場
合は,
新品に交換してください。
「ポンプカバー」のレバーが
それぞれ
同じ曲がり位置か確認する。
時々、中古品で曲げられてい
る場合が有ります。
揃ってないとレバーのストロ
ーク量がバラバラになってし
まいます。
「ポンプボディガスケット」

「ポンプカバーガスケット」
は、
分解の度に、新品に交換してく
ださい。
 
「ポンプノズル」から吐出する燃料の量は本来なら
計測調整しなければならない
なぜなら「ポンプノズル」自体は吐出量ではなく噴射持続時間を
規制するノズルだからです。
噴射量自体はロッドのストロークで調整するのです。
その仕組みは、構造の項「加速ポンプ系統」にてご理解頂けたと
思いますが、所詮、鋳物加工品のキャブ。その複雑な構造上、
(燃料通路等)個々のキャブレターでは吐出量に個体差が
あります。これを測定・調整します。

計測は、スロットルレバーを全開にすればノズルより燃料が吐出
しますので、吐出する燃料を口の広いビーカーなどに採取します。
1回の吐出では量が少なく計測しにくいので10回行います。
採れた燃料をメスシリンダーに移し、この量を10分の1に
すれば1回の吐出量がわかります。
この時の量は様々な諸説があり0.4〜0.6ccと目安の
範囲が大まか過ぎて、どれが本当か判りません。
⇒誰か教えてください。
#40のポンプノズル時、0.4cc±0.1 と言う説有り。

ですので、「分解前の注意」の項で述べたように、
バラす前にマーキングなどをして組み立て時も同じ寸法で組み
立ててください。
それで、キャブが2連・3連で装着する場合は必ず全てのキャブ
が同じ吐出量になるように調整してください。

ようは、それぞれのキャブが同じようにストロークして同じ
吐出量になれば問題ありません。

中古キャブをバラで購入して装着してる場合は必ず
チェックして下さい。吐出量がバラバラだと、
どうなるかは説明しなくてもお判り頂けると思います。
「ポンプスプリング」
はテーパータイプに
なってますので向きが
あります。
巻きが小さい方が上です。
割ピンの位置で調整
割ピンの位置は、
真ん中が標準です。
吐出量の増減は、
割ピンを入れ替え、
ポンプストロークを
変化させることに
よって行います。
割ピンの位置が上段にすると、ストロークが大きくなって、吐出増え、
下段はその逆となります。

例:真ん中で0.42ccの場合、
上段0.44cc、
下段0.4cc位
ポンプロッドを廻して調整
@;コネクティングロッド
を廻すことによって、適切

寸法Aを調整してください。

A;調整後は動かない様に
接着剤等を適用してくださ
い。

 
[O E R]の場合、、、
従来のホリゾンドラフトキャブレターではポンプの吐出量調整は
エンジンに装着されたままでは非常に困難でしたが、「OERキャブ」
はこのスクリューを廻すだけで増減できるように設計されています。
また、工場出荷時に測定調整されていますので、キャブレターを複数
装着されてる場合、調整の方法はポンプアジャストスクリューを
バラバラに廻さず、必ず同じ回転数左右に廻してください。
右に締め込む方に廻すとストッパーが下がりストロークが伸びるので
量が増えます。
分解組み立て後は、アジャストスクリューを全閉にすると最大ストロ
ークとなりそれより6回転半戻しで通常標準値の大まかな目安です。
(但し、上記で述べたように個体差がある為あくまでも目安とゆうこ
とを御理解ください)正確に吐出量調整を行う場合は、上記のように
採取しスロットルレバーを5回ほど全開した時のポンプノズルから
の吐出量を測定します。
OERの場合は5回の平均量は、約1.8cc〜2.0ccです。