鍵 の 話
 
日産の鍵は大まかに年代により次の6種類に分類できます。
(旧PRINCE時代や旧DATSUNを除く)
5山タイプ、6山タイプ、8山タイプ、10山タイプ、内溝タイプ。

また、5山・6山はさらに細かく分かれていています。

貴方の鍵はどのタイプ?




と、その前に、、、

このページでは便宜上、下記の通り鍵の部分名称を呼ぶことにします。
(正式名称は知りませんのでご注意を)

A = 鍵板本体「鍵軸」  
B = 鍵軸の「縦溝」「センター溝」   
C = 縁の切り溝(鍵山)、「山」及び「歯」

 
さて、実際に色々なタイプを見ていきましょう。

5山〜6山 片切タイプ
鍵の縁の切り溝が片方しかない。
通称「ライオンキー」
SR311の初期まで位の年式の
とある車種はこのタイプで獅子が描かれてます。
それ以降になるとライオンが居なくなり以下のタイプに変わります。
組み合わせ数を稼ぐ為に、溝の向きや
位置を変えて4種類位あったようです。
純正の品番は
A:KEY00−00202
B:KEY00−00201
C:KEY00−00203
D:KEY00−00204
ですが残念な事に生産廃止です。


車にステアリングロック機能が付くようになるとまた変わったタイプの鍵の登場です。


おもて うら
断面から見ると溝は全て角ではなく一部丸いです。なんか倉庫の鍵みたいです。
厚みは約2.45〜2.50mm位です。

ハコスカも年式やグレードで鍵の種類(タイプ)があり、初期のステアリングロック機能付き
イグニッションキーは上記の断面が一部波タイプの鍵で更に2種類存在します。
初期がWASOタイプ、次にVOSSタイプになります。WASOの方がVOSSより若干鍵が長いです。
(ところで、WASO TYPE と VOSS TYPE って何だろ?誰かわかる人教えて、、、)
ステアリングロック機能無しのイグニッションキー及びドアキーなどは
下記のタイプの片面キーなのですが、後期のステアリングロック機能付き
になると両溝切りタイプになり、メインキーだのサブキーだのややこしくなります。
 
(1972年発行のハコスカ取扱説明書より)↓
左記は後期GT系の取扱説明書ですが、

ドア・トランク・給油口は片切りタイプの
これで、

イグニッションは6山両切タイプの
これのようです。


点線で記しているのはKPGC10(GT−R)の
線で、これによると全ての鍵を片切りタイプで
賄っているようです。
なお、VAN系も片切りタイプ1本


6山 両切タイプ
鍵の縁両方に切り溝(山)があるリバーシブルタイプ、上下逆さまに鍵を挿しても廻ります。


これは初期の分。少し鍵長が短い。
S30はこのタイプではないでしょうか?
この手のタイプになると
右溝(R溝)・左溝(L溝)2種類存在します。
以下に詳しく、、、
(L溝)
’71年〜’83年位の車両。
通称:M253(後藤/FUKI)、
   M240(クローバー) 
(寸法は下のR溝と同じ)
純正KEY No,M5001〜M6000、
M7001〜M8000、N1001〜N2000
(R溝)
’71年〜’83年位の車両。
通称:M254(後藤/FUKI)、
   M239(クローバー)
(寸法は上のL溝と同じ)
純正KEY No,M4001〜M5000、
M6001〜M7000

8山 タイプ
’83年〜’95年位の車両。
通称:M301・M302(後藤/FUKI)、
   M290(クローバー)

(上の6山R溝とよく似ていますが違います)

純正KEY No,0001〜9000、
X0001〜X9000、Y0001〜Y9000
8山タイプのサブキー

メインキーとは溝が違う。
メインとサブを並べてみました。

違いが判るかな?

10山 タイプ
’95年以降位の車両。
通称M396・M397・M403? 

(途中にガックリが無く真っ直ぐスマート)

純正KEY No,00001〜22185

写真はBNR34「GT−R」のイギリス向け用の
イモビ無しタイプ。

*上記の通称名(M***)はうる覚えです、間違ってたらごめんなさい。
 ちなみに当方は鍵屋ではありませんので問合せされても回答できません。

5〜8山の標準の純正マスターキーには鍵No,が鍵自体に打刻が有ったはず。
10山になると鍵本体には打刻がなく、キーナンバーが打刻されたタグプレートが別途に存在します。


NISMOが販売していたブランクキー
左:8山タイプ用  右:10山タイプ用

これ以降になるとインテリジェントキーが主流になり、鍵を挿さなくても良くなります。
一応リモコンの中にはキーが入ってます。
(写真はフーガの輸出用、INFINITI M45用の4つボタンタイプ)

内溝 タイプ
その他の鍵としてはの内溝タイプ(通称 MT−1)ってのが存在します。
ですが、プレジデント(JHG50)、インフィニティQ45(G50)だけみたいで、
次のプレジ(PF50)には採用されていません。
プレジデント(JHG50)の七宝焼きキー
オプションのダイヤ入りキー
H0567-66U00
スターリングシルバー0.1CTで\165,000から
H0567-66U03
プラチナ900の1.0CTで\3,146,000(税別)
まで4種類。
誰が買うんだいこんなの、、、

インフィニティQ45(G50)のキーセット
インフィニティQ45(G50)のメインキー
オプションの18金
H0567−61U00 \546,000
Q45のサブキーのブランクキー(生鍵)


下の写真の寸法は私がノギスで測ったもの
 多少の誤差は有りますし、個体差もあります。
 あくまでも参考寸法です。
 違ってても一切の責任は持てません。

*下記はノギスで測ったあくまでも参考数値です。個体差があるかもしれません。
 一般にはセンター溝の寸法で判断するのではなく、溝の位置で判断するようです。
  
 左から「6山L(左)溝タイプ」 「6山R(右)溝タイプ」 「8山タイプ」

↓ 上「8山タイプ」 「10山タイプ」



「山」と言いますが、正確には「タンブラー」の枚数であり、
6枚なら「6枚タンブラータイプの鍵」と表現します。
「タンブラー」の枚数が増えると当然、鍵の長さも長くなります。

で、「タンブラータイプ」って何?ってことになります。

では、少しお勉強してみましょう。


キーシリンダー内部に
「ディスクタンブラー」なる物があり、
キーを抜き取った状態ではスプリングに
押されて外筒に突き出しているので廻り
ません。

キーを差し込むとタンブラーはキーの刻
みによりスプリングに抗して内筒に収ま
りラインが揃うので内筒を回転させる事
が出来、ドア等の鍵が施錠や開錠(解錠)
します。
では、実際にバラしてみましょう。

今回のサンプルは日産ムラーノ(Z50)
のグローBOXの鍵です。
本来は10山キーですが、グローBOXの
所は先っぽ4山分のみで開閉出来ます。
内筒からディスクが2枚飛び出している
のがお判りでしょうか?
コレでは外筒に引っ掛かって鍵は廻りま
せん。

*飛び出してない2枚は反対側に飛び出
してます。
鍵を挿すとディスクの頭が一直線に
揃います。
これで外筒に引っ掛かることなく鍵が
廻ります。
こんどは外筒無しの状態で観て見まし
ょう。

鍵を挿してないとディスクタンブラーが
飛び出してます。
鍵を挿すとディスクの頭が引っ込み
一直線に揃います。
ディスクタンブラーとキーの刻みの
位置関係です。
内筒内にディスクにテンションを架ける
小さなスプリングが仕込まれてます。

防犯上これ以上詳しくは宜しくないので、
この辺までにしますが、
この「ディスクタンブラー」に種類があり、
枚数と組み合わせによって鍵の種類が別けられ、
同じ鍵が存在しないようになってます。
 
合鍵

カー用品店やホームセンター・金物屋などの「合鍵屋さん」に
純正のブランクキーを持ち込むと断られる事がたまに有ります。

純正のブランクキーは硬い材質です。

一般の合鍵屋さんに置いてあるスペアキーは真鍮等にメッキした柔らかい材質です。
よって、それ用の機材しか無く、機械の刃先が傷みむなどの理由や、
旧車等で長年使って山が摩耗した元鍵での製作(合鍵から合鍵複製)で、
廻らなかなかった時のクレームがイヤだったり、持ち込みキーが1本しかなく
失敗等のリスクもあり断られる事も。

もう一度言います純正のブランクキーは硬い材質です。
だから純正は強度が有り長持ちします。

合鍵作製は只コピーする(簡易的に凹凸を似せて作る)だけの「合鍵屋さん」では無く
錠前の知識の有る「鍵の専門店」で精度の良い機械で作製するのが良いと思われます。
何軒か廻って伺ってみては如何ですか?