「MIKUNI・SOLEX」,「OER」キャブレターの歴史
SOLEXキャブレターの基本モデルは1900年代初頭

フランスで開発され、フランスに本拠を置きイギリス・

ドイツ・イタリア・スペイン・メキシコ等、各国のキャ

ブレターメーカーと技術提携の下に 数々の特徴を持つ

色々な種類のSOLEXキャブレターを生産。


「PHH型」はこれらSOLEXキャブレターの中でも

スポーツ車・GT車に適するものとして、イタリア・

ドイツのSOLEXで実績のある型の特殊キャブレター

です。



SOLEX 40DHH

SOLEX 40PHH
日本では三國工業(現 ミクニ)が1960年初頭、

フランスソレックス社とライセンス契約を結び生産が開始。

 日本における「PHH型」は1965年(昭和40年)

より販売を始めているみたいです。

しかしながら、公害問題により排気対策の必要性から
インジェクション車の登場により各国の拠点は次々に
スポーツタイプのキャブレターから撤退していきました。

御本家フランスのSOLEXの現在は、イタリアの

「マグネッティ マレリー社」(マネッティ・マレリ) 

(Magneti Marelli
⇒ロゴはよくF1の中継でコースの
             あちこちに映るのを見かけるでしょ、


の傘下の経営会社(フランス)が商標を所有しており、

キャブレターとは無縁になっているようです。


Magneti Marelli ロゴ

話は外れますが、別部門で商標「VELO SOLEX」

(自転車の前輪に小さなエンジン?が付いてるアレです)

も有り、こちらも世界各国でライセンス生産され

(70年代にはダイハツも製作してたらしい)

これも1988年にはフランス、2002年にハンガリー

等で生産が終了しましたが、現在一部地域で再生産され

「Velosolex America」が権利を持って販売しているよう

です。

2006 VELO SOLEX








そういえば、「Magneti Marelli」社って「WEBER(ウェーバー)」も

 商標の権利持ってなかったっけ?

日本の「ミクニ」は現在では二輪車のキャブレターメーカ

ーとしても有名ですが、 四輪用スポーツキャブレター

「PHH型」は市販汎用型とメーカー向けOEMとして

国内の車メーカーにも1977年頃までは純正採用され

ていました。

その後は市販汎用型は型が変わりつつ継続して生産され

て(いつのまにかジェットカバーの上の浮文字がSOL

EXからMIKUNIに変わっています)我々の手にも

廻っていました、が、ついに日本でも「PHH型」キャ

ブレターは生産を終了してしまいました。

(オーバーホール部品だけでも作り続けて頂きたいと

願うだけです)

 
OERキャブレターは、

1983年(昭和58年)に

大阪の「三陽機器工業所」が開発を始め、1986年

(昭和61年)に完成、販売を開始しました。

「三陽機器工業所」と言ってピンとこない人が現在では多いようですが、
昭和40年代に三國・SOLEX・PHHキャブレターに色々な車種の
オリジナルマニホールド製作してキット化し「サンヨースポーツキット」
として数多く販売し「ソレ・タコ・デュアル」の一時代を作っていました。


                     「サンヨースポーツキット」 
このカタログよく見るとクラウンの36Φキャブキットとかがが載っている!
キャブターボも「コンポターボ」と言う名称で販売。

またキャブではありませんが、ボルトオンターボとして
「SKターボ」も国内はもとより海外にも輸出して一世を
風靡したようですので、ある年代の人なら知っていると
思います。


キャブターボの「Compo Turbo」


ボルトオンターボシリーズ
で、そのOERキャブレターですが、 「サンヨースポーツキット」
「コンポターボ」等の開発販売の実績とノウハウと、当時のキャブターボでは
加給が0.25前後しか掛けられなかったのでこれに対応できるようにと
「OERキャブレター」が開発されました。
又、当時三國がメーカー系(トヨタ)に純正採用されたことにより、生産ラインが
そっちの方ばかり生産していて、一般市販販売型が廻ってこなかったから
業(ごう)をにやして、それなら自分とこで造るっていって開発が始まったって
説も有る。

構造は、基本系統はどちらかというとWEBERの特性を取り入れ、
スロー系統はSOLEXの特性を活かした構造になっています。

その後細かい所が仕様変更されていって販売していましたがいつしか生産が
終了してしまいました。
が、、、
1998年、「(株)オーイーアール」が、「OERキャブレター」を
復活させました。この復活時も以前タイプに比べ仕様変更を行っています。
フロート室の可能な限りの拡大化を図り、フロートの容積(浮揚力)の
アップとバッフルプレートを内蔵することによって、フロートレベルの安定化
を向上させています。


現在でも「(株)オーイーアール」より
「OERキャブレター」は購入可能です。


 
以下は、当時のカタログを観ながらこの会社がどのような物を製作していたかを
御覧下さい。(現在では入手はほぼ不可能です)
スポーツクリーナー
「DODO」

純正キャブ対応の
エアクリーナー。
今ではキノコ型とか色々
あり、ごく普通だが、
当時は画期的であった。

スポーツクリーナー
「REMORA(レモラ)」

TOYOTA
2T−G
18R−G 専用。


















下段下方は
「SOLEX
チューンナップキット」

これも
2T−G
18R−G 専用。
純正とは違うサイズの
ベンチュリー、
スリーブ、
ジェット、ブルードパイプが
入ったセット。
当時の価格は
2T−G¥12800
18R−G¥14000

たまに、某オークションに
未使用品が出ていて、
未使用って事も驚くが、
落札価格も驚きます。







上はDODOだが、

下はキャブキット用の
エアクリーナー
「BOXER」

L6キャブキットに
丸いエアクリーナーが
カチ上げに装着される
一品。

エアクリーナーも当時は
四角、丸等色々あった
みたいです。

エアーファンネルも
100mm!!が
設定がありました。

最近はあまり見ない
ネット付きも販売して
いたようです。
「SONIC(ソニック)」

ファンネルとキャブの
間に装着するパーツ。

中低速域の
レスポンス
パワー を
向上するげな。

シンクロメーター
「サンヨーチェッカー」

ようは
キャブチェッカー、
キャブバランサー です。

アルミ製で結構重いの
ですが、フラップバルブ式
でカブルことなく、測定・
調整が出来ます。


うちの近所のショップの
オジさんもいまだに
使ってます。
最近のプラスチック製の
カタツムリ型したあれより
使いやすいとのこと。


燃圧調整器
「F.C.Z」

燃圧を一定に保ち、
油面の変化に突起する
数々の弊害を取りのぞく
のだそうです。
PATENT No,
11938681








下段は
「SUNエアガバナー」
2次空気導入装置。
燃費向上、及びエアコン
(カークーラー)ON時の
ダレを解消。
これも特許品。
第753500号

「SKターボ」
初期はKKK製で
後期はHITACHI製?

当時KKKは珍しく、
シグマ(現サード)が
やっと輸入販売を
始めた頃。

後半はEXハウジングを
自家製作?
0.47A/R
0.68A/R
0.84A/R
の3種から選べたようだ。

?は当時の資料が無く
不明。

キャブターボの
「サージタンク」
ボルトオンターボキット

このチラシは
英語版(輸出用)の
カタログの1部、
DAIHATSU用
ボルトオンターボキット
NISSAN L6

スポーツ
インジェクション用の
スロットルボディ。



それに合わせ、
スポーツインジェクション用
の汎用コンピューターを
開発。
D−CON
(Dジェトロコンピュータ)

車種別の
スポーツインジェクション
KITが登場。
上が4AG、
下は1G−GE。
















1Gは
キャブでは出来なかった
ファンネルカチ上げが
カッコいい、、、
でも、
音だけで遅い1G、、、

またまた話がだいぶそれるが、景気のいい時は当時のレース等にスポンサーにも
なっているようだ。

当時の「日産スポーツクラブ」の冊子より。
右上の丸円内のドライバーは若き日の柳田春人
そうあのZの柳田さん(現セントラル20代表取締役)

このFP(フォーミュラパシフィック)SK号(山陽シェブロン)を駆り、
表彰台で手を上げているのはなんと、
長谷見昌弘氏(現ハセミモータースポーツ代表)

L14エンジンDOHC4VALVE)

SKステッカーとか横に「KKK Turbo」とあるが
ターボでもないしSKの部品を使っているわけではない。
ただのスポンサーです。
 
↑80年初頭の雑誌の広告より、