歯とお口の基礎知識
知らない間に忍び寄る、歯周病を知ろう。

歯周病、えっ!こんなところに影響が。

虫歯菌は親がうつす

定期検診こんなに大切
知らない間に忍び寄る、歯周病を知ろう
 最初は自覚症状が無い歯周病。でも気がついたときはかなりすすんでいたなんてよくあることです。
そんな怖い歯周病。まず敵の正体からつきとめましょう。
 原因は歯垢。食事をすると歯と歯茎の溝にたまる歯垢。歯垢って何だか知ってますか?顕微鏡でのぞ
いて見るとうようよと見えてくるのはいろんな形をしているばい菌のかたまり
そうですそのばい菌が出す毒素で歯肉が腫れたり膿んだりするのです。
 歯周ポケットが要注意。歯周病が進むとほとんど無いはずの歯茎のみぞがどんどん深くなります。その
溝が歯周ポケットです。その中で歯垢がたまりばい菌がどんどん繁殖してしまうんのです。歯垢が石灰化する
と歯石になります。
 歯周ポケットの中はドブ酸素の届かない歯周ポケットの中は空気の嫌いなばい菌が喜んで住み着きます。ドブの中のようなものです。だから歯槽膿漏の人の口臭が強いのは臭いを出すばい菌が歯周ポケットにたくさんいるからです。
 顎の骨が溶けて崩れます。歯肉がの炎症が慢性的になると歯の根を支える骨が溶けて崩れてしまいます。やがて歯がぐらつき抜けてしまうのです。
歯周病、えっ!こんなところに影響が。
 心臓病は2倍以上。最近の研究の結果年齢にもよるが歯周病の人は心臓病のリスクが2倍以上にもなることが分かりました。しかも歯周病が重い人ほど確率が高くなります。動脈硬化のリスクも跳ね上がり。硬くなった血管の内部から歯周病の原因菌が見つかっています。
 低体重児早産は7倍。さらに驚くことは妊婦が歯周病だと低体重児の早産の確率が7倍という信じられない数値がでています。
 肝臓にも負担。糖尿病の引き金か?さらに歯周病は肝臓に悪影響を与え、代謝障害を引き起こし糖尿病を悪化させたり。糖尿病の引き金になる可能性があります。
虫歯菌は親がうつす。
 ミュータンス菌が虫歯の原因。お口の中にミュータンス菌(M菌)が無い人には虫歯は見られません。また口の中に一つでも治療してない虫歯が放ってあると治療をきちんとしている人と比べるとM菌の数は数十倍から数百倍に増えてしまいます。まさに虫歯そのものがM菌の巣窟なのです。
 虫歯菌は母親がうつす。生まれたての赤ちゃんの口のなかにはM菌はいません。M菌は普通親からうつされると考えられています(母子感染)。一般的には母親の虫歯が多かったりM菌の量が多かったりすると子供への感染率は高いようです。M菌がうつされなければ子供の虫歯は防がれるわけです。
 母子感染を防ぐには。母親の虫歯を完全に治療すること。母親の口のなかを清潔にすること。口移しで食物を与えないこと。母親の口の中のM菌を減らすこと。歯ブラシ後のうがい薬でのうがい。特に有効なのはキシリトールガムを食後使用することです。
 キシリトールガムの使用法。キシリトールがいくら有効といっても口の中の虫歯を放置していたら何にもなりません。まず全部治療すること。そして食後できたらブラッシングしてからキシリトールガムを噛み最初の唾液を飲み込まず約二分間口の中でぐるぐる回します。
こんなに大切定期検診
 痛く無ければ大丈夫? 歯周病でも虫歯でも痛みを感じる状態は急性状態です。もともと歯科疾患は慢性的にじわじわ進行するもの。痛くなったら歯の神経が炎症を起こしているか歯肉が急に化膿しているかどちらかです。そこまで行ったら神経を抜くとかいうような大掛かりな処置になってしまうことが多いのです。結果、治療期間が長びいたり費用が余計にかかったりしてしまいます。
 
 早期発見早期治療。虫歯やある程度進行した歯周病には自然治癒が当てはまりません。ですからほっておいた分だけ悪くなるのです。小さな虫歯ならたった一回の治療で済みますし歯へのダメージも最小限で治療出来るので虫歯の発見は早ければ早いほどいいのです。

銀歯や入れ歯、詰め物の樹脂には耐用年数がある。
銀歯を詰めたからといっても永久的というわけではありません。銀歯を接着する歯科用セメントはすこしづつ唾液に溶けたりして目に見えない隙間が出来てきます。保険の銀歯の場合もつ場合は10年20年もつ場合はありますが。4〜5年
ぐらいが区切りと考えて下さい。様子を見ながら順次詰め直すのがベストでしょう。前歯などに詰め物をするときの樹脂(コンポジットレジン)は3年経てば着色や磨り減り、微小な隙間が大きくなってくるので、やはり詰めなおしをお勧めします。