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誰にでもできる恋愛

<ブックデータ>
著者:村上龍
出版元:青春出版社
ISBN:4-413-03172-5
価格:1400円
初版:2000年


タイトルの「誰にでもできる恋愛」というのは反語で、
実はこの後に、「なんてあるわけねぇだろ」
という言葉が続きます。
話題があっちに行ったりこっちに行ったりするので、
内容にまとまりがないようですがしっかりあります。
違和感を覚えるとすれば、焦点が恋愛にではなく、
「人間の自立」についての本だからでしょう。

全体的に感じられる、「どこが恋愛の話なのさ?」という印象は、
村上氏が、恋愛の前提には精神的な自立が必要で、
精神的な自立のためには、経済的な自立が必要だと考えているからです。

そうなると、恋愛自体はほんとに個人的なもので、
なくても死にはしないわけですから、
他人がどうのこうの言える部分は少なくなりますね、確かに。

読んでいて、いろいろ考えるのは、
「世間」に頼る男、「女」に頼る男など、
依存癖のある男のことです。
わたしは、ここでいわれているダメな依存人間ではない、
少なくともそうならない方向に進もうとしている、
という自信をもっているつもりですが…。

ところどころ、はぁ?というところがあって、
「そりゃアンタ違うだろ」
と言いたくなるところもありますが、
「自立」や「自律」ということを最近よく考えるので、
ちょうど考えていたテーマとマッチしていたこともあって、
非常におもしろかったですね。

また、女性誌の連載なんですよね。
もしかすると、女性誌っておもしろいのかもしれない…


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