パセリは栄養価の高いの健康野菜。

 パセリは、地中海沿岸を原産地とする、セリ科に属する二年草です。学名は「petroselium crispum」で、英語では「parsley」、フランス語では「parsil」といいます。また、日本には江戸時代にオランダから伝わったため、オランダゼリとも呼ばれています。日本でパセリといえば、普通、葉の縮れたものを思い浮かべるでしょうが、原産地である地中海沿岸のパセリは、真直ぐな葉のもの(イタリアンパセリ)が一般のようです。パセリは、日本では、主に料理のデコレーション(飾り)として使われていますが、ビタミン・ミネラル共に豊富な非常に栄養価の高い野菜で、少量でも様々な栄養が取れます。その独特の香りのため、よい口直しにもなります。 

  1. パセリの栄養、健康機能性

  2. パセリの種類

  3. パセリの生産地、栽培

  4. キアゲハを殺す残留、現在の残留基準で日本人は危害されないか?

栄養、健康機能

パセリは、地中海沿岸を原産地とする、セリ科に属する二年草です。セリ科の植物は、様々な薬理作用をもつ薬効成分を多量に含むことで知られていますが、パセリは消化器系や婦人科の健康増進、利尿の薬用用途で欧州では使用されています。ドイツの薬用植物の評価委員会(コミッションE)は、腎臓結石の治療への医用を承認しています。
 全草に含まれる精油成分[アピオール(apiol)、アピオリン、ミリスチシン(myristicin)、ピネン(pinene)]が薬理作用の主体ですが、栄養的にはビタミンC、カロチン、ビタミンB1、ビタミンB2などを多量 に含み、1本(10g)を食べると、ビタミンCは1日の必要量 の半分カロチンは30%を摂ることができます。ビタミンKも大変たくさん含まれているため血液を凝固させるはたらきがあり止血作用もあります。
また鉄分をたくさん含むため貧血にも効果 があります。
葉にも含まれる精油成分は口臭が消える効果 、食中毒なども防ぎ、またまた疲労回復、発汗、利尿、保温効果 もあり、多量に含まれる葉緑素が悪玉 コレステロールから守ってくれます。
 細かくきざんでオムレツに入れたり、スープに浮かべたり、サラダ、スパゲティに散らして。トマト、リンゴ、ニンジン、バナナ、オレンジをベースにパセリを適量好みに合わせたパセリ入りのジュースもお勧めです。
 一度に大量(200g程度、虹屋で売っている物なら5袋分位)を食べると、恐らく危険であるといわれます。パセリ油の経口摂取は、アピオールやミリスチシンなどの毒性成分が含まれるため、おそらく危険と思われ、妊娠中は食事に含まれる量以上のパセリ種子を摂取するのはおそらく危険と評価されてます。
禁忌として、腎臓疾患、炎症を伴う腎臓病の患者と血栓の予防などで抗血液凝固剤を服用している人。

成分表 五訂食品分析表・100g当
エネルギー
(kcal)
タンパク質
(g)
脂質

(g)
炭水
化物
(g)
カルシウム
(mg)


(mg)
ビタミンA
(μg)
ビタミンB1
(mg)
ビタミンB2
(mg)
ビタミンC
(mg)
ビタミンD
(μg)
食物
繊維
(g)
44
3.7
0.7
8.2
290
7.5
7400
0.12
0.24
120
-
6.8

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パセリの種類

モスカールドパセリ(Moss Curled Parsley)
日本で最も知られているであろう葉の縮れたパセリです。日本でパセリというと、大抵の場合、このパセリのことを指します。主に小葉や小葉に近い細い部分の葉柄が食べられます。 

イタリアンパセリ(Plain Leaved Parsley)
フレンチパセリとも呼ばれています。モスカールドパセリと異なり葉が真直ぐなのですが、葉以外はモスカールドパセリとよく似ております。日本でも、フランス料理、イタリア料理でよく見かけます。モスカールドパセリ同様、小葉や小葉に近い細い部分の葉柄が食べられます。味もモスカールドパセリとほとんど同じですが、葉の形状が違う分、食感が異なります。 

ハンブルグパセリ(Hamburg Parsley)
根の大きなパセリで、形状はニンジンに似ています。ニンジンと同じように根の部分を食べますが、葉の部分も食べられます。味は??。 人参もセリ科です。

ナポリタンパセリ(Neopolitan Parsley)
葉柄の部分が大きなパセリです。セロリと同じように葉柄の部分を食べます。 
セロリもセリ科です。



 パセリを使ったサプリメントには、中国パセリを原料としているものがあります。パセリは二年草ですが、中国パセリは1年草ですから別物です。中国パセリは別名パクチー、香菜・シャンツァイ、シラントロ。種子を乾燥させたものがスパイスのコリアンダーです。日本では西暦927年編集の「延喜式」のなか で「胡ずい」記されていて、種子を香辛料として用いた記録がありますが、その後は食用には広く普及していません。コリアンダーは、カレー粉・ルーに入っていますから、7回分4900円もするサプリメントより、カレーを食べたほうが安上がりですね。

 

 

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パセリの生産地

  日本のパセリの生産量はおよそ9000トンで、自給率は86パーセント、主要な産地は、長野県、千葉県、静岡県、福岡県、香川県で、長野県、千葉県でそれぞれ約2000トンずつ、静岡県で約1000トン、福岡県で約700トン、香川県で約600トンのパセリを作っています。
 日本では、3〜4月に種をまいて7〜12月に収穫する春播きと5〜6月に種をまいて9〜翌年3月に収穫する 初夏播きが主な作型で周年供給されてます。パセリは冷涼な気候を好み暑さは苦手。生育気温は15℃から20℃。25℃以上では葉肉や色が薄くなり、病気にかかりやすくなります。
 パセリ栽培の主な病虫害は、土壌病害は立枯病やセンチュウ。害虫はキアゲハ、アブラムシ、ヨトウムシ。病害はウドンコ病、軟腐病などです。そして葉が十枚ほどになったら、収穫します。パセリの葉は、根元から生えている茎のようにみえる一本一本は、実は葉の一部である葉柄で、そこにいくつかの小葉に分かれている、いわゆる複葉です。この葉が12枚ほどになったら4〜5日おきに1〜2葉ずつこまめに収穫します。4月以降の収穫は、気温が高いため4日おきが基本。採り遅れると気温が高いためすぐに老化葉となり、葉柄にスが入ります。収穫後の黄変も早いため品質が低下しやすいためです。
 パセリは、せいぜい水で洗ってゴミを落として食べます。農薬はどれ位、どのように使われているのでしょう。

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キアゲハを殺す残留、現在の残留基準で日本人は危害されないか?

 主要産地で、栽培方法、防除方法の情報を公開しているのは、2006年7月では長野県だけです。それでは、収穫開始前に8回(剤)収穫期間中には週当たり1.7回です。苗の植え付け前の土壌消毒は欠かせないようですし、収穫中に殺虫剤、殺菌剤の散布が行われています。収穫期間は5ヶ月ほどです。5月×4週×1.7=34回+8回??
 千葉県の生産者の掲示板で「子どもが夏休みの自由研究で飼っていたキアゲハの幼虫に市販のパセリをあげました。いままでは庭のイタリアンパセリをあげていたのですが、スーパーで買ったパセリをあげたところ、何匹も死んでしまいました。弱っているものもいます。家族皆で成虫になるのを楽しみにしていたので大変悲しいです。原因はなんだったのでしょうか。是非教えて下さい。」と言う問いかけに生産者は次のように答えています。
「キアゲハの幼虫が死んだあるいは弱ってしまった理由が農薬(アファーム乳剤)のためであると考えられますが、それはパセリに残留していた農薬のレベルが、人間には害を与えないがキアゲハの幼虫には害を与えるレベルであったということです。
 大変心無い言葉で申し訳ありませんが、作物の残留農薬基準は人間に影響を与えないためのものであって、虫への影響は考慮されていません。たとえばペットセンターで虫の餌用として売られていた野菜や果物を食べさせて虫が死んでしまったのなら、それを売っていたお店に抗議もできるでしょうが、スーパーに売られているものは人間が食べるものとして置いてあるわけですからそれもできないでしょう。」
 アファーム乳剤の有効成分はエマメクチン安息香酸塩、虫の神経系に作用し、きわめて速やかに殺虫効果を発揮します。害虫に対して付着した葉を食べるなどでの食毒および接触した皮膚から浸透する経皮毒として作用しますが、食毒としての効果が顕著です。それで、害虫が発生する前に予防散布が奨められています。環境への毒性は、魚類毒性Cですからかなり強い毒性を持っています。ラットなどの哺乳動物でも神経毒として働き、特に母親に神経障害が起きない摂取量でも産仔には顕れています。安息香酸のナトリウム塩は食品添加物・保存料で使われますが、変異原性、染色体異常をおこすことが知られています。
 使い方は、パセリでは少なくとも収穫7日前に散布、散布は1回のみです。「つまみ菜、間引き菜には使用しないでください」と警告されています。しかしパセリの収穫法は摘み菜の取り方そのままですし、4月以降の収穫は、気温が高いため4日おきが基本ですから、この使い方が完全に守られるでしょうか??
 残留基準は暫定値が0.5ppm。これは日本の専門家、食品安全委員会などが安全性・危険性などを検討して出された残留基準値ではなく、パセリを輸出している米国などの基準値をそのまま暫定的に日本の基準値にしたことを意味します。
 日本での残留基準値の定め方は、@ADIという一日当の摂取の上限を定めます。ADIは一日摂取許容量ともいい、一生涯、毎日摂りつづけても害の起きない量といわれます。動物実験の結果などから論理的に考えて導かれた値ですが、人間で確認した値ではありません。また人間の胎児期、乳幼児期、少年期、成人では毒物の感受性・影響の受けやすさが違います。概ね、より年少なほど感受性が高い=毒性が顕れやすい。特に環境ホルモンと言う毒性は、その感受性を持つ時期が胎児期の極限られた数日です。現在定められているADIは、成人を想定しています。

AこのADI、各農薬の作物毎の標準的な使用法での残留結果(B)、作物毎の一日当の平均的摂取量(C)などから残留基準値(E)が定められます。ある農薬がキャベツと胡瓜にしか使っていないとします。
(きゅうりB×きゅうりC)+(きゃべつB×きゃべつC)がADIより小さければ、きゅうりBをきゅうりEに、きゃべつBをきゃべつEにできます。超えていれば、胡瓜やきゃべつでの使い方、使用回数や収穫前の使用時期などを規制して越えないようにします。
 つまり各農薬の作物毎の残留基準値(E)、作物毎の一日当の平均的摂取量(C)を掛け合わせた理論的な作物毎の摂取量の総和・合計がADIを超えない。これまでは、ADI×53kg(成人の平均体重)の80%以下で運用されてきました。残りの20%は水や空気からの摂取のための空きです。

B さて新たにトマトにも基準値を設ける事になったとします。(きゅうりE×きゅうりC)+(きゃべつE×きゃべつC)+(トマトB×トマトC)がADIの80%より小さければよいのですが、超えていたら?
 日本国内ならトマトでの使い方を規制すれば事はすみますが、輸入品(特に某米国からの)では日本の使用規制が及びません、日本向けには特別に栽培法をかえるなんて耳を貸しません。そこで考え出されたのは、実際に市販品を調理した時での残留している量で計算しなおすことです。標準的な農薬使用法での残留結果(B)は収穫直後で測られますが、市販品では流通時間中に自然分解がすすみます。こうしたことから、市販品の残留量は小さいことが多いのです。したがって、それで計算しなおせば、その分ADIに空きが出来ます。新たな作物での使用=残留を認めることが出来るわけです。@で指摘したように現行のADIは、人間に無害な摂取量と確認されていませんから、このやり方は安全のマージン余裕を少なくします。

C さて急増する輸入農産物の規制を目的・名目に残留基準のない農薬と残留基準を超える農薬が残留している食品は輸入・加工・販売等をしてはならないという法改正が2003年におこなわれ、全ての食品に全ての農薬(約800)の残留基準値がこの5月に設定されました。
 食品は、主要な作物・食品は個別ですが「そのほかセリ科の野菜」とかの大括りしてます。それでも残留基準値は約16万設定が必要でBのやり方でも間に合わない。まず国際規格=コーデックスが最優先され、次は日本に既存の基準値約9000と米国など外国で基準値があるものは、その基準値を、ない場合は一律の値、作物では0.01ppmで暫定的に設定しました。
 アファーム乳剤(エマメクチン安息香酸塩)では125作物・食品で設定されましたが、既存の規制値は9作物にしかありませんでしたから、そのほとんどは暫定値です。作物では0.01ppmは一つもありませんから全て米国など外国の基準値の借物です。パセリは暫定値0.5ppm。
 外国と日本では食習慣が、同じ作物でも食べる量が違う。農薬の使い方も違う。つまりADIは0.0025mg/体重1kgと同じで、設定のやり方が同じでも、日本と外国では残留基準値は違います。9作物のみで残留基準値を設定していた5月までは、理論的な最大摂取量はADIに対する比率で13.6%でした。125品目に増えた現在はADIの何%でしょう?それが判らない。
 現在の基準、大半が外国から借り物の残留基準値と作物・食品毎の一日当の日本人の平均的摂取量からの理論的な最大摂取量がADIの80%以下か、ADIを越えているのか、国は確かめていないのです。
「作物の残留農薬基準は人間に影響を与えないためのものであって、虫への影響は考慮されていません。」は正しい。しかし、キアゲハを殺す残留が現在の基準値が、日本人に影響を与えない目的をはたせるのかは誰も評価していません。これから順々に食品安全委員会で審査するのです。何年かかるやら??

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Q&A、過去の「畑の便り」をみる

e-メール nijiya@sky.plala.or.jp
残留基準の決め方 http://www.ffcr.or.jp/zaidan/FFCRHOME.nsf/7bd44c20b0dc562649256502001b65e9/c45d9ddc1014d10349256efc00086144/$FILE/_g2279244nns884kg_.pdf  財団法人日本食品化学研究振興財団
サプリメントの安全性(独立行政法人)国立健康・栄養研究所
 

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更新日 : .2006/7/10