白菜は生産量3位でなくてはならない日本の野菜となっていますが、もともとは白菜は中国生まれの中国育ち、英名をChinese.Cabbageチャイニーズキャベツと言
う様に、中国で古くから栽培されていた野菜です。冬の寒い中国北部では、年間野菜消費量の25%を占め、冬から春にかけてですと、なんと80%を占めます。
日本には、秀吉の朝鮮侵略の際にも、無理やり連行してきた陶工などによってもたらされたとも言われています。しかし、結球する白菜の栽培は定着しませんでした。明治に入って、何度も導入されました。輸入された種子以外にも、日清、日露の両戦争に出征した兵士たちが種子を持ちかえりました。しかし、その輸入種子での栽培には成功しても、その白菜から種子を採ると、白菜が体菜やシロナに化けてしまうのです。そのわけは⇒白菜の品種。そんなわけで、大正時代には白菜の種子を中国から輸入していたのです。少量しか栽培されず出廻っていなかった様で、小説家・獅子文六氏は、「異国の味」を感じさせる野菜だったと書き記しています。
それが日本で種子の生産ができるようになった大正末から昭和にかけて、白菜は急速に普及しました。精進料理でダイコン、豆腐、ハクサイを「養生三宝」と呼んで、貴重な食材としていますが、100g当たり12kcalと、きわめて低カロリーで腹一杯食べても体に悪影響を及ぼさない健康野菜です。白菜は飽食の時代の健康野菜として、肥満防止にもってこいの野菜です。栄養面では良質の植物性タンパク質を持ち、ビタミンやミネラルなどはキャベツにひけをとりません。がんや動脈硬化によいといわれるイソチオシアネートなどを含みます。さらに白菜は味に癖が無く、どんな料理にも合い使い易い野菜です。
白菜の栽培は、第二次大戦後、急速に増えましたが、連作による病害、特に、球が腐る軟腐病やウルイス病が多発する様になりました。結球するためには、80〜100枚の葉が必要といわれます。結球期に入ると植物ホルモンの一種オーキシンの生成がさかんになります。このオーキシンは、葉の表に光が当たると葉の裏側に移行し、そこの細胞を大きくするために、葉が立ち上がり、結球するというわけです。その葉を虫が食べてしまったら大変です。その防除は
白菜は15〜20℃の冷涼な気候を好みます。キャベツよりも高温に弱いのです。また結球するためには、80〜100枚の葉が必要といわれます。同じ葉ものでも、葉数が少なく、結球しないホーレン草や小松菜などに比べると栽培で適温・適地を選びます。結球期に入ると植物ホルモンの一種オーキシンの生成がさかんになります。このオーキシンは、葉の表に光が当たると葉の裏側に移行し、そこの細胞を大きくするために、葉が立ち上がり、結球するのです。
夏場、高温期に結球させると、病害による被害が多く、防除などが大変です。そのため、普通は秋に播種し、11〜2月に収穫するのが普通です。
また同じ畑で毎年栽培を続けると軟腐病やウルイス病が多発する様になります。この連作障害を避けるには、イネ科、マメ科作物と組み合わせた4〜5年輪作が一番良いのですが、白菜は適地を選びます。さらに、1966年に制定された野菜生産安定出荷法により計画生産のために産地が指定されて固定化しています。この結果、秋〜冬どりは広い肥沃な畑のある茨城が出荷の約3割を、夏どりは冷涼な長野が約8割を占めています。耐病性品種を栽培するなどの薬剤に拠らない対策も採られていますが、農薬による土壌消毒が行われます。
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おもな病害はモザイク病・べと病・軟腐病・白斑病・黒斑病・根こぶ病・尻腐れ病・菌核病、害虫はアブラムシ類・ハクサイダニ ・アオムシ・コナガ・ヨトウムシ です。 |
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| 化学合成農薬の散布回数(製剤数) | (特別栽培農産物表示ガイドラインによる慣行レベル) |
| 茨城県 秋〜冬収穫 | 21回 |
| 長野県 夏(7月以降) | 20(南佐久)〜23回 |
| 新潟 (夏まき冬収穫) | 16 |
白菜は安くて美味しい野菜で、腹一杯食べても身体にも、懐にも悪影響を及ぼさない健康野菜です。一緒に食べる他の食材の味を引立てる、世話女房の様な野菜です。その美味しさは、日清、日露の両戦役に従軍した人々が、満州、朝鮮で、身の丈1メートルもあ
る縦長の大きな白菜(タケノコ白菜)や見事に結球した白菜を食べました。大きさと言い、煮込んだ時の甘み、旨味と言い、菜っ葉しか知らなかった当時の日本人(兵士)にとって、実に魅力的だったのでしょう。彼らは白菜の種子を、こっそりポケットに忍ばせて持ち帰った者もいました。それが、今ある白菜のルーツと言われています。その美味しさは今も変わりません。
きわめて低カロリー
栄養面や薬効と言った場面で、取り上げられることの少ない野菜です。しかし、良質の植物性タンパク質を持ち、ビタミンCはミカン並、カルシウムはセロリ(34mg/100g)よりやや多く、その他、鉄、カリウム、ビタミンB2、ナイアシンなども意外と含んでいます。キャベツと成分が似ていますが、キャベツに比べて糖質が少なく、100g当たり12kcalと、きわめて低カロリーです。鍋物や漬け物で山ほど食べても太らない、まさに、飽食の時代の健康野菜として、肥満防止にもってこいの野菜です。
整腸作用
食物繊維が含まれており、便秘の改善や、大腸がんの予防に効果が期待できます。食物繊維の量は100g中1.1gで、キュウリとほぼ同量ですが、ハクサイは煮込むとカサが減って、一度にたくさん摂れる長所があります。
塩漬けにしても、ビタミンCは失われず、乳酸菌などのお腹に良い腸内細菌ができるので、整腸効果が期待できます。
風邪などの予防や美肌効果
ビタミンCを多く含み、また、煮た白菜には、体の中の余分な熱を冷ます作用があるので、風邪で熱のあるときには効果があります。
熱に弱いビタミンCは、漬物にすると壊れずに生かされ、こちらも風邪や美肌に効果があります。
ガンや動脈硬化の予防
イソチオシアネートが含まれています。イソチオシアネートは、発ガン性物質を抑制したりや血栓ができるのを防ぎ動脈硬化を予防する効果があるといわれています。また、最近の研究では、発ガン性物質の一つである亜硝酸アミンの吸収や蓄積を抑制するモリブデンという微量元素が含まれることもわかってきました。これらの物質より、ある程度の抗ガン作用が期待できます。そのほか、食物繊維も取れるので、便秘の改善や、大腸がんの予防を期待できます。
高血圧予防や利尿作用
カリウムには、利尿作用や取り過ぎた塩分を体外に排出するという作用があり、高血圧予防につながります。ハクサイには、100g中カリウムが230mgも含まれています。ただし、カリウムは煮ると汁に溶け出しますので、白菜を加熱した時はスープごと利用しましょう。
一般的に塩(主成分は塩化ナトリウム)を多量に使う漬け物は、血圧が上がるとされていますが、白菜漬けの場合には、白菜に含まれるカリウムがナトリウムを排泄して、塩分を過剰にとるリスクを軽減させます。しかし、くれぐれも食べ過ぎには注意してください。
また、利尿作用もありますので、尿道炎や膀胱炎のように、排尿時に痛みを感じる人には、白菜をよく煮たスープを、タップリ飲ませて下さい。痛みが和らぎます。
可食部100gあたりの成分 五訂日本食品標準成分表より
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エネルギー
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水分
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たんぱく質
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脂質
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炭水化物
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灰分
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飽和脂肪酸
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不飽和脂肪酸
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コレステロール
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食物繊維
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14kcal
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95.2g
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0.8g
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0.1g
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3.2g
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0.6g
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0.01g
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0.03g
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0mg
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1.3g
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無機質
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ビタミン
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ナトリウム
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カリウム
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カルシウム
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マグネシウム
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リン
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鉄
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カロテン
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E
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K
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B1
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B2
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ナイアシン
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B6
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葉酸
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パントテン酸
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C |
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6mg
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220mg
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43mg
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10mg
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33mg
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0.3mg
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99μg
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0.2mg
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59μg
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0.03mg
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0.03mg
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0.6mg
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0.09mg
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61μg
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0.25mg
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19mg
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白菜の旬は冬。特に、霜の当たった白菜は柔らかくて、旨味があります。白菜やキャベツのビタミンC含有量は、外の葉ほど高く、内の葉ほど減少します。そして芯の部分で再度高まります。どうも一番捨てている部分ほど栄養価が高いと言えそうです。カリウムなど水溶性の養分は煮ると汁に溶け出しますので効率よく摂取するためには、白菜を加熱した時は煮込んだおつゆ、スープごと利用しましょう。白菜は、煮ると芯まで柔らかくなり、消化がよく、胃の弱い人や病人の食事によく利用されます。
白菜は味に癖が無く、どんな料理にも合うのが最大特色です。美味しく料理する共通的なコツは、白菜の淡い味を生かして、調味は控え目に、汁や煮汁は旨味を濃いめにすることです。
保存のコツのコツは、丸のまま1日陰干しにし、4〜5枚の新聞紙に包んで、凍らない程度に冷たい場所に保存します。冬場では3〜4週間は十分持ちます。横にすると重みで腐り易くなります。必ず箱などに縦詰めにして置きましょう。根を付けたまま吊り下げても良いです。なお、ハクサイを縦割りにする時は、包丁を株元のほうから入れ、三分の一ぐらいまで切り下げたら、後は手で二つ割りにすると葉崩れが少なくて済みます。
部位別調理のコツ
料理に合ったところを使うことが白菜をおいしくいただくコツです。葉部と中肋部の柔らかさが、大きく違うことが白菜の特徴です。葉部と中肋部の重量比は約1:1で、これを別々に切り分けることが第1のポイントです。軸は火が通りやすいように大きなそぎ切り(包丁をねかせ、端からなるべく厚みを均一に薄く切る。素材の厚みに対して斜めに切ります。身の厚い肉、魚、しいたけなどによく使われます。)に、葉はざっくりと切るようにしましょう。
外側の葉は、煮もの、きざんで炒めもの、クリーム煮やグラタンなどに。
中ほどの葉は、鍋ものや、炒めて八宝菜などに。ゆがいてレモンじょうゆ、ごまじょうゆで食べてもおいしいです。
内側の芯は、蒸しもの、甘酢漬けに。また、せん切りにしてさっとゆで、酢じょうゆにつけて食べてもおいしいです。
ゆでたり煮たりするときのコツ
栄養とうま味を逃がさないように細かく切らずにゆでるのがコツです。アクを抜く必
要もありません。汁を少なくし、ふたをして蒸すように加熱すると甘みが出ます。また、葉も芯も同じ料理に入れたい場合は、時間差をつけて加熱してください。
炒めるときのコツ
水けが出て料理が水っぽくなるので、強火で一気に炒めることがポイントです。
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| 白菜のサラダカリカリベーコンソース・・材料・作り方 | 白菜とにんじんのサラダ・・材料・作り方 | 白菜の甘酢漬・・材料・作り方 |
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| 白菜と水菜の温サラダ・・材料・作り方 |
八宝菜・・材料・作り方 |
白菜の柚子しそ漬け ・材料・作り方 |
美味しい漬物の漬け方
まず第一に、白菜を選び、よく洗ってから、丸一日風通しのいい場所で陰干しします。次に、株元から包丁を半分程度入れて、あとは手で二つ割りにします。もっと小さく漬けたい時は、さらに二つ割りにします。なお、各株元の真ん中に、味が染み込み易くするための切れ目を入れます。
加える塩の量は白菜の重さの3%程度が目安で、まず樽底に塩をふり、株元を外に白菜を隙間のないように並べ、その上に塩とトウガラシを入れます。次に、葉と株の部分を逆に、株元を内にして詰め、塩とトウガラシをふります。こうすると重石が傾いたり片側だけ漬かり過ぎることがありません。
ところで、トウガラシは彩りと風味の他に、腐敗を抑える役割を果たします。最後に塩をふって重石をしますが、最初はハクサイの二倍程度の重さがよいでしょう。水が十分に上がってきたら、同程度の重さにし、食べられるようになったら半分にします。なお、トウガラシに加えて、昆布や柚を入れたり、好みの味を工夫するのも楽しいものです。
樽の半分くらいまで水が上がったら、白菜の上下を入れ替えて漬けます。すると上から順に食べられます。少し出したい時は、包丁を使わず、前に切れ目を入れたところから手で裂いて取り出すとよいでしょう。まあ、漬けて1〜2週間が食べ頃で、その後は発酵が進んで酸味が出てきます。もっともその方が好きな人もいますが。
漬物は、元々は発酵食品です。それが最近では、多量の塩で野菜を一晩二晩、漬け込み、塩抜きしてから調味料に漬け込むだけのインスタント漬物が多いようです。ちなみに、市販の漬物のパックの多くに「要冷蔵」と表示してあります。いつの間にか保存食品であった漬物が生鮮食品になってしまったのです。
白菜は中国原産です。山東半島を中心に発達した山東生態型(菊花心群、芝罘・チイフウ群、膠県群)、それより北で発達した北方生態型、それより南で発達した南方生態型と、三つの生態型があります。日本には、その中の山東生態型に属する品種が定着し、菊花心群から野崎群(愛知)、芝罘群から松島群(宮城)、膠県群と芝罘との雑種から加賀群(石川)が分化、成立しました。現在、私達が口にする品種は、これらの品種を組み合わせた一代雑種(F1)です。現在は主な栽培品種だけでも、150以上あります。
代表的品種
タキイ交配「無双」
環境適応性にすぐれ、栽培幅の広い万能型で、いたって作り易い早生種です。草勢旺盛で、球頭は包破し、胴張りの良い円筒型でよく締ります。適期では、67日で2.5kg程度に太る多収品種です。
ノウリン交配「新理想」
は種後、70〜75日で収穫できる中生種で、頭部包頭の正円筒で株張り良く、1球3.5kg内外で食味抜群です。肉質は柔らかで甘味が多く、水分に富み、食味は特に優れています。ただし、ウィルス、軟腐病に対する抵抗性は特にある方ではなく、無理なは種は避けるべきです。黄芯系白菜の代表的品種。
半結球白菜や不結球性の品種は、秀吉の朝鮮侵略の際に、無理やり連行してきた陶工などによって、半結球白菜が日本にもたらされたと言われています。彼らが持ってきた白菜も他のアブラナ科野菜との交雑によって、消えて行ったのですが、各地で新たな品種となり生き残ってものも多くあります。山東白菜と同じ仲間の広島菜、大阪白菜(シロナ)などが江戸時代から作られて来ました。
唐人菜・・江戸時代、中国、オランダに開かれて窓であった長崎。中国山東省か
ら伝来したヒサゴナから生まれた土着種です。長崎の食生活に深くなじんだ白菜です。
白菜は、他のアブラナ科の植物と交雑しやすく、雑種化してしまいます。長崎の谷あいの地形は、交雑が起りにくかったのです。 唐人菜・長崎白菜は他の白菜と比べて結球せず、葉は立ち外開きになります。葉色は黄色がかった緑色でシワが入り、晩生ほど濃緑とシワが顕著になります。やわらかい葉と独特な風味で、漬物・鍋物・おひたし・油炒め等に長崎では活用されます。
中国野菜ブームの折に、北方生態型に属するいくつかの品種が再導入されました。例えば、甘みと独特の風味のある紹菜、タケノコのように細長い形に結球するため、タケノコ
ハクサイと呼ばれています。この白菜はアメリカでも栽培され、改良されて「チヒリ−」と言う名で、サラダ用として消費されています。日本でも、筒形(チヒリー)の品種がいくつか育成されています。ただし、高熱調理に適した品種のため、一般家庭ではなく外食産業を中心に、近年出回りつつあり、いため物、煮物に使われています。
南方生態型の品種の中には、播種後40日前後で結球する極早生品種があります。ま
た、柔軟多汁でサラダ用にも適します。しかし、外観が在来の白菜とはかなり異なり、知らない人は「とても白菜とは思えない」と言うほどです。これと他の群との交雑後代の中から、夏作用の品種やサラダ用品種が育成されています。
白菜は中国生まれの中国育ち 親は華北のカブと華南のパクチョイ
白菜は被子植物門・離弁花亜綱・アブラナ科に属する一・二年生草本で、キャベツ、カブ、ツケナ、タカナ、ダイコン、ブロツコリー、カリフラワーなどと同じ仲間のも野菜です。英名をChinese.Cabbageと言う様に、中国で古くから栽培され、改良され、現在の白菜が出来上がりました。何時、何処で、誕生してきたのでしょう。中国の山東農学院の李家文教授によりますと、白菜は、北京の南、上海の北にあたる揚州で生まれたとのことです。しかし結球した白菜は野生状態では見つかっていません。
李教授は次の様にも述べています。「白菜は中国で成立した野菜として知られているが、その祖先種である野生植物は中国では見つかっていない。また、紀元前五世紀に書かれた『詩経』には、白菜に関する記録はなく、その後、十世紀に書かれた「本草図経」に登場する牛肝菜(別名、牛@菘、扇くらいの大きさで形は有毛で縮れているなど白菜にソックリで結球しない菜)こそが非結球白菜で、結球白菜の先祖である」
さて、それでは「牛肝菜」はどう様に生まれたのでしよう。教授によれば、華北のカブと華南のパクチョイ(チンゲンサイ)が交配されて出来たと言うのです。この説を実証するために、1960年から62年にかけて,中国全土から多くのカブとチンゲンサイを集め、この二種類の野菜を人工的に交配させました。すると、白菜そっくりな野菜が出現しました。さらに細胞学的研究でも、この説が支持されました。華北の寒さに強いカブと華南の大きく、多くの葉を持つパクチョイから、7世紀頃に両者の特性を受け継いだ非結球白菜の原始型白菜(牛肝菜)が誕生したのです。それが進化し、16世紀に半結球性、18世紀に結球性の白菜ができたと言われています。今も、色々なタイプの白菜が、主に東洋で栽培されています。
原産地の中国では、白菜と言うと「大白菜」と「小白菜」の総称であり、「小白菜」には、タアサイやチンゲンサイ、パクチョイなどの菜物まで含まれます。それに対して、日本で白菜と言う時は、中国で言う「大白菜」のことです。それも普通は結球タイプのものを指すことが多いです。一般の人は結球しない白菜を白菜とは呼びはしないでしょう。しかし、元々、白菜には結球、半結球、不結球の物があります。
では、カブやチンゲンサイの祖先はどんな植物でしようか。李教授も指摘している様に、その植物は中国では見つかっていません。それは漬菜(ツケナ)類と同様に、バルト海周辺地域からウクライナ、ロシア、トルコ
、イランにかけて自生するブラシカ・カンペストリス(Brassica.campestris)と推定されています。元々は不結球性の葉菜で、これが、2,000年以上前にヨーロッパ・中央アジア方面から中国に、アフガニスタン高原から西域(チベツト)を経由して、または、コーカサスから蒙古を経て、中国に伝播したと推測されています。ブラシカ・カンペストリスと言う名の野生植物は、今でもトルコや東ヨーロッパに自生しています。土地の人すら名前も知らない植物ですが、この植物からカブやチンゲンサイだけではなく、パクチョイ、ターサイ、小松菜などが生まれたのです。もっとも、日本人にとっては、この名前に馴染みがなくても、昔から大変馴染みの深い植物でした。実は、菜の花の事です。
白菜はその発生からも分かるように、他のアブラナ科作物の花粉が昆虫の媒介によって容易に交雑し、白菜は優良品種の形質を維持し得ないのです。明治に入って、何度も導入されました。日清、日露の両戦争に出征した兵士たちが種子を持ちかえりました。しかし、栽培には成功しても、その白菜から種子を採ると、白菜が体菜やシロナに化けてしまうのです。採種した種子を畑に播いても、半分くらいしか結球白菜は出来なかったのです。
何故なら、その当時は今と違って、春になると、一面の菜の花畑が、日本中どこにでも見られました。元々、白菜は、カブや小松菜、ナタネと親戚です。その花は、よく似たカブやナタネ(菜の花)と簡単に交配してしまいます。そのため、出来た種子は純粋の白菜の種子ではなくなってしまい、結球する事を忘れたりするのです。そうです、浮気者の白菜は、すぐ他のアブラナ科の野菜と子を作ってしまうのです。この理由がわかり、白菜だけを隔離して栽培し、種子が採れるようになるまでは、白菜の種子を中国から輸入していたのです。
日清戦争に従軍した陸軍・仙台師団の岡崎参謀が、結球性白菜の種子を持ち帰り、県立農学校の教官・沼倉吉兵衛氏がそれを試栽培しました。最初は、100%結球する 白菜の種を採るのにどうしたらよいのかなかなか分からなかったのです。 色々と他のものと雑交するのは、 ミツバチがあちこちから花粉を運んでくるからなのです。 平地で純粋な種を採ろうとすると、 半径2キロの範囲内はそれと交配するものを絶やさないとよい種は採れません。 白菜と交配するものには何があるかというとカブやタイ菜、
野沢菜…、 いっぱいあるわけです。
ところが花粉を媒介するミツバチは海を渡らないのです。 ミツバチは反射する光をあまり好まないからなのです。
日本三景の松島湾に無数にある島にあります。そこで、湾内の島毎に一つの品種だけを栽培しますと、自然交雑が防げて、優秀な品種を作りだし、その維持
が可能になるのではないか。島の中で採種をする、 島の中だけ環境を整備する、 つまり島の中だけで巣箱を持っていって受粉すれば、 遺伝的に純度の高い種が採れるということが想定されたのです。
この隔離採種で、沼倉氏は湾内の馬放島で交雑していない種子の生産に成功しました。沼倉氏に協力していた渡邉穎二氏は、優れた個体を選び出し網の覆われた室内で栽培し、純系の遺伝的に純度の高い品種の育種に成功しました。その種を、松島湾の島々で湾内の島毎に一つの品種だけを栽培採種し「松島交配」 というブランド名で短期間のうちに全
国に普及しました。1924年発表の松島純2号や1943年発表の松島新二号などは今でも栽培されています。
一方、これとほぼ並行的に愛知県でも、野崎徳四郎、綱次郎氏らの努力により、中国より導入した結球性のよい「芝罘(チーフー)」および「包頭連」の交雑から、巻きのよい「野崎白菜」を作り出す事に成功しました。これが現在の早生〜中早生白菜、山東・野崎群のルーツとなったのです。そして、一時期、愛知県を日本一の白菜県にしました。
また、昭和初期に、石川県の松下仁右衛門氏らは、芝罘と包頭連の雑種の中から大型・晩生の品種を育成しました。これが現在の中〜晩生白菜、加賀群のルーツです。こうして昭和初年までに、日本の白菜の基礎をなす品種群が成立しました。
さらに、第二次大戦後、白菜の栽培面積は急速に増え連作による病害、特に、球が腐る軟腐病やウルイス病が多発する様になりました。東京の下山義雄氏が昭和28年に育成した「下山千歳」と、同31年に農林省農業技術研究所園芸部で育成した「平塚一号」の耐病性品種(ただし食味は劣る)の登場がきっかけとなって、耐病性育種が盛んになりました。これらは、軟腐病やウルイス病に強いキャベツの性質を取り入れたものです。キャベツもアブラナ科ですから、白菜は容易に交雑するのです。すぐ他のアブラナ科の野菜と子を作ってしまう白菜の浮気性が役に立ったのです。
先ほどの昭和初年まで育種された品種群とこれら耐病性品種を交配した一代雑種が、現在、私達が口にする品種です。白菜は、自家不和合性といって自分の花の花粉では受精せず種を作りません。現在の品種のほとんどを占める一代雑種(F1)は、この性質を利用し、純系同士をかけあわせてつくり出されました。例えばA系統とB系統を畑に1列おきに植えておくと、人の手を用いずに、媒介する昆虫の働きでA系統にはA×Bの種子、B系統ではB×Aの種子が得られます。親系統の長所をあわせもち、しかも長所が均一化しているので品質がよく、生産量も安定しています。
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