さんぽ



黙っていると 

色んな言葉が浮かんでくるけれど

言葉にするには難しい。

「難しい」なんて言葉で簡単に表してもいいの?と

さっそく誰か耳の中でささやく。

いやなヤツ。 でも私はいつもそいつと一緒だ。

さんぽの道

わんといっしょに風の中を歩く。

「今日は相棒はお出かけ?」

すれ違うご近所さんに声をかけられる。

「うん。今日はいないの〜」

だからわんと私と どんどん歩く。

歩くと頭の中のたまっていた言葉が

私のつけた あしあとの後ろへ

ぽとりぽとり落ちてゆく

万歩計のかわりに

歩いた歩数だけ 言葉がてんてんと 

私の後ろへ 落ちている

だからスタスタ歩く。 

わんも私もスタスタ歩く。