心の石



いじと書けば意地か。

石のように固い意思

意思を維持する石の心

とめどない涙が 積もり

憂鬱な鍾乳石の固まりとなる。

 

溶けることない 氷の原には

マイナスの風が震えている

無に近い灰色の大地

空は冷たく重く広がる

意地は重かろう。

 

石を抱えてどこまで歩く。

意地は いつしか

遺志を伝える石となり

鬱々と拒否をし続ける。

 

主(あるじ)が亡くなり 放り出された心の石は

長い年月を繰り返し 重ね

風雨にさらされ 朽ちていくのか

 

誰もかもが 主を忘れてしまった頃

風の通り道には

意地を込めた石の花が

ひとつ 咲くだろうか。