空との会話





もくもくした柔らかな土の上を歩く

この春 いちばんのウグイスの声に

ぐるっと山々を見回せば

尾根を渡っておりてきた風はまだ 頬に冷たい




季節は 行きつ戻りつ安定せず

小箱の奥の面影までが ふと 不安に翳ったようで

うす水色の空に浮かぶ 絹綿雲に

ふたこと みことの呟きを 託したくなる




わたしはここにいます

まいにちが ここにあります

おきて つくり ねむります そのくりかえしです

そのために いきをしています

息をさせてもらっています




コンクリートのベランダで今朝

黄色の水仙が咲きました




私の毎日も ここにあります

起きて 創り 眠ります それだけです

それ以上の何ものでもありません

それだけなのに

息をしています




こうして

ここにいるんです