悲しい映画なのかと思ったら 映画館を出て 微笑んでいたり またそれを 巷に合わせて 涙ぐんで見せたり そのたびに心の奥に畳まれてゆく ホントのこと
長いこと手に取られるのを待っていたと 色あせたビロードの本は 自らを身震いさせて 薄茶色のページをめくるけれど 文字は もう読むことも出来なくて ええ、素晴らしい本ですね、とつぶやき棚に戻すとき また 心のひだに堆積してゆく ホントの言葉
誰が作るんだろう みんな自分に一生懸命になるしかない 萌え出る緑の季節に そんなこと 思う
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