横断歩道にて





真っ青なまぶしい空 5月というのに

街にのしかかるように白い入道雲 もくもく育ち

正午まえの太陽

アスファルト照りつける




ゼブラ模様の横断歩道を うつむいて歩くヒト




ほら はやく はやくいそいで

でないと信号が チカチカ 点滅始める

何度 渡ってみても いつもきっと

横断歩道の三分の二のところで チカチカ始まる




うつむいて 道路に敷かれた白いおびを

数える あと 三本

あと 二本

向こう岸まで渡るには

ながい ながい 道のり




太陽は高くなり 黒い影はますます小さくなる

今日も渡り終えた 命の川は

気の狂ったバイクと車にのみ込まれた