漂流 (流れ着いた腕のこと)





海の色って何色だったろう

そんなこと繰り返し考えてた




お気に入りだった絵本の真っ青な見開き

あの南の島はコバルトブルー

おばあちゃんちの浜で

水を飲んでぐるぐる土用波にまかれながら

海中でもがき目を開けたら

うっすら薄緑の太陽が光るのが見えた




なんど星空数えたろう

どこまで流れてゆくのだろう

悲しさも寂しさも海にとけて いつか

流れ着けば すべてが終わると思ってる




そこはどんな場所だろう

そんなこと繰り返し考えてた




だれかが 待っていたよと言ってくれるかな

暖かいスープが飲めるかな




きっと小さくさざなみ寄せる

穏やかな水のほとりならば いいな

あなたと歩いた春の日の

ペイルブルーの空みたいな