マグロ大水槽

青い尾っぽを上下にふりふり

朝日の当たるトタン屋根の上

尾長が4匹

まあるくなって 朝の会議中

ピチュピチュ 行き場をなくした言葉たち

だから早く 早く 外へ出て 

遠くから来た 朝の風を深呼吸しないと



 

さっきまで居た 部屋の中をのぞいてごらん

下駄ばきの素足 カラコロ 

こちらへ振りむけば

ガラス越し

いつかの水族館のマグロ大水槽のように

言葉たちがぐるぐると部屋中を巡っている



 

あんな中にいたんだよ

そう言い残して 飛び立つ尾長

すねに吹く おはようの冷たい風にも気付かずに

残してきた 自身のカケラを 見つめている