自制心のダムは決壊

枯れるまで涙は流れ

水源はつき

 

我に帰りつつある途中では

すでにもう むなしく

虚脱感に襲われる

 

甘苦い余韻の中での後悔

静かな雨の降り続く午後に

 

やっかいな事は起こる 

締め切った部屋の中で

想いはぐるぐるめぐり

細い糸が絡まるから

 

うすら寒いこんな雨の日

隣近所には

どうせ声など聞こえないだろう

安易な計算

 

しぼり出した心の叫び

頭の中は 自分のセリフで溢れそう

声は 部屋の壁に跳ね返り

即座に自分の耳に戻る

 

その時には

ただの滑稽な脱けがら

 

己のセリフが

己の身体に再び入るとき

役者は 急激に蒼白になっていく

 

自分のみっともなさに

一刻も早く幕を引きたいのに

みじめにも時は止まらない

 

声は

言霊に姿を変え

精根尽き果て呆然と立つ者を笑う

 

舞台の歯車は回り続け

幕はあがったまま

頭をかかえる私