換算式




くるくる まわっている

あの人の 口もとを

たたぼんやりながめていた

 

言葉は みずからのものさしで計られて

するすると口から流れあふれ出る

 

みなが ものさしを背負って歩いてる

そして立ち止まっては

尺度をはかり

背を向けては メモしている

 

ビルも 木も 人も

町は 世界は 巻尺でぐるぐる巻きだ

 

ヤードもインチもセンチメートルも

ひとりひとりが みなちがう

自分の尺度に換算するのもあきらめて

ただ 私は

相手の口もとをみつめていた