みずいろの時間





一日の中で記憶に残らない時間

水色の空に白い雲

今日は何日だったか何月だったか

思い出せない

ほほに当たる風で感じてみる 

この感じは3月29日ぐらいの風だから

そお言う事にしておこう

 

私の右左の足が勝手に動いて 歩いている

時は 私の中で行ったり来たりしている

何時でもいいんだ 

ただ 小さく息をしている

この子犬と歩いている私も 小さく息をしている

頭の片隅で少しだけ 何かを考えている

 

忘れようとしていたのに 霧にかすんで 

かすかに 嫌な気分がフラッシュバックする

慌てて別のことを考える 夕方のことを考える

 

パタ パタ パタ パタ

ヘリコプターの音が呼んでいる

吸い込まれそうな空を見上げて

急いで小さなその姿を探す

風の無い暖かな空気は パタパタ音を

柔らかく跳ね返し あたりは 春の雰囲気

私の頭がぐうっと天まで伸びた

白い雲の上で 心地よく目を閉じたい

 

今日がいつだって どうでもよくて

明日は来ても来なくても

この地球の上に

確かに今 存在している 私を私が知っている

それだけ あとは風に流れて消えていく 

水色の空に白い雲 その下を歩く私と子犬

時間は止まっているのかな 道は続いているのかな