霜柱

 

早起きして歩いた

白い草原が続く

まるで雪が降ったような 霜柱

 

後戻りするには

どれだけの気力がいるのだろう

回れ右の号令 聞こえても

自分の歩いてきたこの道を どうして否定できようか

凍りつくこの寒さは 私を責めている

 

ざくざくと 霜柱の息絶える音は

潔く 踏み潰せと 私に差し出された音

なのに

答えの見つからない 「問い」ばかりが

足跡になり 後悔ばかりが残る

 

霜柱

踏まれる為に夜明け前から、背伸びした

昼前には陽に融け 泥にかえり

気温の上昇と共に昇華し 天に帰る

 

あたりの冷気が 少しゆるみ

晴天を知らせる うす水色の空が広がる

私のように 小さく息をするもの達にも

もう一日の猶予が与えられた

また 人として 今日を生きるのだ。