地球が自転する夜に /その2


生きる?   


うさんくさい私自身の問いには うんざりだ   

午前2時の時計の音が鳴る   

視線を宙にさまよわせても   

闇が じわりじわり 言葉を生み出す

 

早く朝よ、来い。   

部屋にひびく 寝息 歯ぎしり 寝返りの音

私の頭の中で 勝手にキーを打ち続ける私    

終わらない ひとり問答を朝まで繰り返す

 

私にとって ひとつの救いは

こんな苦しい夜も 地球はきっと自転を続け   

天空の月が   

静かに 右から左へ移動する   

 

闇に集まる有象無象と もがく 私の時間と平行して    

別の世界が展開されている   

そう思う事は ひとつの救いである   

 

夜の女神が   

月をそっと 左へ押しやると   

彼女の右手が指差す彼方より   

やがて しらじら朝が来る   

蒼暗い地平線に   

黄色い 希望の光が見えはじめるはず   

 ポストにカタリ 新聞が届く   

闇に働く人の存在が 心に小さな灯りをともす
 

  

頭の中のタイプミスを 数え朝を待つ

心の天窓は まだ漆黒の闇