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はなマルッ!
TinkerBell

◆ゲーム情報
レビュー投稿者 :やつお 原画 :あおじる
発売日 :2004/05/28 シナリオ :秋華
定価 :\9,240 音声 :有
ジャンル :AVG 陵辱有無 :有
◆点 数
  10  20   30  40  50  60   70  80  90 100
システム : 65 ■■■■■■■■■□■■■
グラフィック : 65 ■■■■■■■■■□■■■
キャラクター : 60 ■■■■■■■■■□■■
サウンド : 60 ■■■■■■■■■□■■
シナリオ : 50 ■■■■■■■■■□
総  評 : 65 ■■■■■■■■■□■■■
◆あらすじ
オレの名前は望月拓真(モチヅキ タクマ)。
ちょっとしたお嬢様学校に通ってはいるけどそれ以外はどこにでもいる、平凡な男子学生だ。

変わった事といえば、学園の場所が山奥過ぎてオレを含めた生徒のほとんどが寮生…ってことくらいか。
ところが、退屈だけど平和に暮らしていたオレに突然、不幸の女神が舞い降りてきた。
なんと、寮内のオレの部屋が火事になっちまったんだ!
おまけに男子寮には空き部屋がないから 春風寮っていう女子寮に行けって言われるし!!
冬学期が終わるまでの間とか言われても それまで女だらけの中にオレ1人…。
密かに憧れてる図書委員の桜坂先輩や ちっちゃくて可愛い寮の管理人の桃ちゃんと
一緒に暮らせて嬉しい事は嬉しいけど 女の園に年頃の男が1人なんて…
ま、間違いがあったらどうするつもりなんだっ!? …だがしかし、オレにとっての一番の問題は別にあった。
春風寮には、なんと男子トイレがなかったのだ!トイレもないくらいだから、当然のように男風呂もない。
桃ちゃんがオレのために風呂を用意してくれたがその正体はなんと!! …粗末なトタンに囲まれたドラム缶…。
さらには、イギリスからオレの幼馴染のヒマワリがやってきてちゃっかりオレの部屋に住み着いちまうし…。
これから先、オレの学園生活はどうなっちまうんだっ!?

(OHPより引用)

◆システム 65
C.systemというスクリプトエンジンを採用しています。
基本的にはそれほど重くないエンジンなのですが、エフェクト表示スピードが鈍い傾向なので、
エフェクトを切って遊ぶことをオススメします。
また、音声再生時にBGM音量を絞る機能がついていますが、
BGMがあまり聞こえなくなってしまうまで絞ってしまいます。(減衰量を設定することはできない)
ので、この機能は使わないことをオススメします。
さらに、文字にアンチエイリアスを掛ける機能も存在しますが、掛けすぎて文字がぼやけてしまう始末。

と、まあ無駄な機能が多いのですが、不安定なことは無いので安心して遊べると思います。

>>○ここはOK
 無段階に調節可能なメッセージスピード。(瞬間表示可能)
 いつでもセーブ&ロード可能。
 セーブスロット48。
 ボイスリピート付きホイール対応バックログ。
 CG、音楽、回想モード装備。

>>△ここはイマイチ
 プロテクトのためCDレス起動不可。
 テキストウィンドウの色(ライトオレンジ)とテキストの色(白)の関係上、ちょっと文字が見難い。(変更不可)

>>△単純選択式AVG。
 時折表示される選択肢を選んで進行するだけのAVGです。
 同時攻略がやりにくい事、最初から全キャラを攻略できない事、に気をつけたら、
 選択肢が2択式という事もあり、さほど難しいことはありません。
 攻略したくないキャラには、徹底して冷たくすればいいかと思います。

◆グラフィック 65
原画家はあおじる氏。
全体的に”まるっこい”感じのデザインが特徴的ですね。
目も大きめで可愛らしさを強調した原画です。

本作では、コミカルCGの一部がアニメーションで動き、
そこそこのインパクトを誇りますが、あんまり数が無いのが難点。
使い回しが目に付いて、かえって萎えさせる要因となってしまっているのが残念でした。

>>○感情表現豊かなグラフィック。
 メインキャラクタークラスの表情は、かなり豊富に用意されています。
 恥らう表情一つとっても、数種類のバリエーションを用意するなど、力が入っています。
 また、デザインを崩したコミカルCGも用意されているため、
 キャラクターの感情表現の幅はかなり広いものとなっていて、なかなか楽しませてくれましたね。

>>○推定総CG枚数94枚。(差分含めず)
 それほど長いゲームではなく、短期決戦型のゲームですので、この分量には満足です。
 向日葵、椿、菫に大体それぞれ20枚程度、紅葉、桃にそれぞれ10数枚程度、といった配分です。

◆キャラクター 60
総攻略可能ヒロイン数5、エロシーンが存在するのもこの5人です。

>>△せっかくの好印象キャラも、シナリオの不備でイマイチ魅力出しきれず。
 ぞくに言う”萌えゲー”ですので、見た目勝負で挑んでいるキャラクター陣。
 主人公と攻略可能ヒロイン全員の髪の毛が三つ編み、というビジュアル面もさることながら、
 キャラクターの内面の方も、跳ねっ返りの幼馴染、物静かな図書委員の先輩(メガネ装備)等々、
 分かりやすい設定が採用されています。
 ですが、その萌えのの狙い方が中途半端というか、萌えの描写にバリエーションがないというか。
 シナリオが進行すればするほど、そのキャラを象徴する言動が減っていくのもいただけないです。
 後半シリアスシナリオになってしまったあたりで、ヒロインの持つ特性が薄められて、
 非常にノーマルで無個性なヒロインになってしまう感じ。
 シリアスイベントで別の魅力を引き出せていればいいんですけど、そんなことは全くないですからねえ。
 

>>○菫だけは、シナリオとの相性が良い。
 シナリオのおかげで魅力が減衰しているヒロイン陣ですが、、菫だけは例外です。
 子猫っぽく、か弱そうに見えて結構計算高いぶりっ子。端的に言えばこういうヒロインです。
 菫はこの特性を存分に、とまではいきませんが、結構高いレベルで生かしきっています。
 他のヒロインが、微妙にツボを外したイベントが多く、特性を軽視したイベント運びになっているのに対し、
 菫だけは、その特性を生かしたイベントでシナリオが構成されているんです。
 これは「最後まで菫らしいシナリオ」であることに他なりませんから、その魅力も伝わりやすいですね。

 菫には後述するように、”乾坤一擲の騙し討ち”がありますが、
 そのときにツボにハマったイベントが、実に素晴らしいインパクトでプレイヤーを襲うことでしょう。
 菫の真実が明かされたその時、それまでのイベントがプレイヤーの頭の中でリプレイされるでしょう。
 そこで、「萌えー!かぁいいなぁ。」と思うか、「嘘やろ〜、なんでやねん…ドアホが。」と思うかは、
 そのプレイヤーの個性しだいでしょう。私はもちろん前者です。そうでなきゃ○項目にしませんw
 真実が明かされた後でも、ツボにはまったイベントが続きますので、さらに効果大です。

◆サウンド 60
総曲数26、うちボーカル曲1。音源はPCMをサポートしています。

>>○特に印象に残る曲はないが、最低限の仕事はしています。
 総曲数26は、ゲーム時間を考えると過剰実装な気もしますが、その割には低印象ですね。
 軽快なマーチ風の曲や、和風アレンジな曲、南国風味の曲、歪んだシンセ音で奏でる暗い曲、
 ちょっとさびしい感じのオルゴール曲等、バリエーションは豊かな楽曲群ですので、
 BGMとしては悪くはないです。

◆シナリオ 50
寮の自分の部屋が焼けてしまった主人公が、仕方なく女子寮で住む事になりました。
で、女の子に囲まれた生活が始まった主人公は・・・・・。
といったところでしょうか。
お気楽な萌えシナリオ・・・を想像するかもしれませんが、結構シリアスな局面が長いです。
イベントが悪い意味でトントン拍子に進むため、シリアスの深さこそ大したことはないのですが、
それでも、お気楽萌えシナリオ、と呼べるような明るさには欠けるでしょう。
まあ、ヒロインのトラウマやハンデを乗り越えて二人で幸せを掴む、というシナリオですね。

>>△プレイヤー置いてけぼりで進む後半イベント。
 前半のお気楽&萌えイベントに関しては、特に問題なく読み進めていけるのですが、
 後半のシリアスシナリオに突入すると、悪い意味でシナリオがトントン拍子に進んでしまい、
 感情移入の余地を与えずしてハッピーEDを迎えてしまうため、興ざめしてしまいますね。

 ヒロインのトラウマやハンデで悲劇が訪れ、主人公やヒロインたちの奔走の末に、
 ハッピーEDを迎える、という流れは自体は別に悪いとは思いません。
 だけどもね、キャラクターの苦悩の描写もそこそこに、ふってわいたような、
 それこそ不条理な奇跡イベントで万事OK、っていう描写されたら、実に不愉快です。
 そもそも、この短期決戦シナリオ上に、死をも扱うようなシリアスシナリオが、
 マトモに乗っけようとすること自体に、無理があると思いますよ。

>>○やっぱり菫だけは例外。1ランク上のシナリオを実装。
 シナリオでも菫は、他ヒロインとは一味違っていますね。
 彼女のシナリオもシリアスになっていくのですが、その描写が1ランク丁寧です。
 (他のゲームと比べてしまうと、ちょっと苦しいデキなのですが。)

 唐突にシリアスイベントをつっこんでくるのは、他ヒロインと同じです。
 が、菫の場合は他のヒロインとは違い、比較的粘着質な描写のイベントが多いのです。
 たとえば、ヒロインのトラウマやハンデが明らかにされるシーンが、それぞれのヒロインにあるわけです。
 菫以外のヒロインは、かなり簡単に明らかになってしまい、肩透かしの印象が強いのです。
 対して菫の場合は、明らかにされる前に1クッション、2クッション描写を挟み、
 イベントを引き伸ばしているわけです。それゆえ、プレイヤーをひきつける力も強いのです。
 そうやって、十分にプレイヤーを惹きつけておいて、例の「乾坤一擲の騙まし討ち」。
 十分に惹きつけた分、破壊力も倍増といったところでしょう。

 また、菫は、向日葵や紅葉といったヒロインとは違い、命にかかわる重たいシリアスイベントはありません。
 ということは、シリアスの最大深度が比較的浅いので、短期決戦シナリオに乗っけても、
 無理なく進行可能という利点もあります。

◆お気に入りキャラ
>>桐嶋菫
 発売以来非難ごうごうなヒロイン(とシナリオライター)ですが、あえて言わさせていただきたい。

 よくやった!Good JOB!!あんたは大物だ!エライぞ!You Are Big Shot!!

 「乾坤一擲の騙まし討ち」。
 人をかなり選ぶ属性を、OHP紹介等では完全に伏せておき、本編で大々的に明らかにする。
 その手法は褒められたものでないでしょう。しかしながら、効果絶大な手法である事もまた事実です。
 驚きがある分、菫というキャラクターが強く印象に残ってくれるのですから。
 キャラクターは、記憶に残ってナンボのもんですからね。

 それにしても可愛らしいキャラクターで、個人的にすっごく萌えましたよ。
 こういうキャラクターだからこそ、子猫のような仕草が可愛らしく見えるんですよ。
 もし、「乾坤一擲の騙し討ち」のないノーマルなキャラクターだったら、萌えなかったでしょうね・・・。

>>以下ネタバレ
 菫は男の子です。ええ、間違いありません。
 「ロリロリ体系の可愛い後輩」というのを期待していたプレイヤーを、奈落の底に叩き込み、
 「女の子以上に可愛い男の子」が好きでしょうがない私を、一気に昇天させたキャラですね。
 まあ、結構好きなキャラなのですが、あえて苦言を呈したいと思います。

 こういう「完成された女装っ子」・・・つまりは「最初から女の子以上の男の子」なわけですよ、菫は。
 女装っ子ってね、その、「ノーマルから女装っ子に堕ちていく」過程が一番萌えると思うわけですよ。
 そういう「女装事始め」を書かないっていうのは、ちょっと肩透かしな印象でしたね。
 あと、オマケのバス痴漢シチュでも、菫が男であることがバレても、
 痴漢がほとんど動揺しないというのも・・・。
 主人公の存在を利用すれば、動揺しつつも菫に興奮する痴漢たち、というオイシイ演出もできたものを。
 菫は100%♀になりきっている事もあり、そういう「背徳感」の演出が希薄で、
 そのあたりが残念でしたね・・・、良いキャラなだけに。

>>ネタバレ終了

◆総 評 69
>>私の入手動機
 もともと買うつもりは毛頭なかったわけです。
 見るからに「アベレージな萌えゲー」でしたから。(事実そういうゲームでした)
 しかし、菫が実はゴニョゴニョ、という事で緊急に手配しました。
 事前にネタバレ情報を見てはいませんでしたが、予感は見事的中、満足満足ですw

>>どんな人にお奨めか?
 私と同じ趣味をお持ちの方。(空気読んで察してくださいw)
 あおじる氏の原画が気に入った方。

>>基本的にエロには期待してはいけない。
 エロシーン数19、「演出>実用性」「陵辱エロ<純愛エロ」という関係図のエロシーンです。
 向日葵(6)、椿(4)、菫(5)、紅葉(2)、桃(2)というバランスです。

 菫以外のキャラのエロシーンに関しては、あまり期待できる代物ではありません。
 エロテキストは粘着質にかける代物で、「おざなりな前戯→ワンパターンな本番」という
 これまた実用性にかけるエロシーンの典型コンビネーション。
 あと「パイズリ→本番」のような、「特殊シチュ→本番」の流れがあんまりないのも残念。
 フェラチオならフェラチオだけ、指舐めなら指舐めだけ、という風に単発で終わっちゃう。
 ただでさえ粘着力に欠けるテキストなのに、それに輪を欠けて軽くなっちゃってますよ。
 しかも、CGの方もかなりスッキリした塗り故に、あんまりエロくないときています。
 精液なんか「ゆるく攪拌した生クリーム」みたいで、実にそそらないです。

 唯一、三つ編みをペ○スに巻きつけるシチュが、向日葵、椿、紅葉に実装されており、
 「良いな」とは思ったんですが、「髪フェチ」というには、いささか力不足な感じですね。
 髪シチュなんて珍しいんだから、もっとフェチっぽさを出せばよかったのに。

 で、菫のエロシーンになると状況は変わってきます。
 菫のエロシーンだけ評価すれば、75点あげてもいいです。エロ専用項目つくって評価したいところです。
 まあ、他のキャラが薄いエロシーンですので(平均40点)それはしませんが・・・。
 他のヒロインと何が違うかといいますと、まずエロテキストの粘着力そのものが高いです。
 やけにねっとりと描写しているんです。主人公の焦らしテクも他ヒロイン比200%増しですよ。
 それに、ツボもちゃんとついているんですよ。「赤ちゃんできちゃいますぅっ!」とかね(笑
 あと、菫に犯されちゃうシーンもあり(手枷+足枷+首枷を強制装備させられるあたりもVery Nice!)、
 マイナーな性癖の人のことを考えてくれているのが、実に良かったですねえ。
 ちゃんと菫は念入りな前戯を行うため、なかなかに濃厚なエロシーンに仕上がってますよ。
 主人公が三つ編みなのは、このシーンを見越しての事じゃないかな、と思ったりw

>>ライターが作りたかったのは菫シナリオだけ。間違いないw
 菫以外のシナリオは、ハッキリ言ってどーでもいい代物です。
 菫シナリオだけが、キャラクターの持つ個性を生かすシナリオであり、
 菫のエロシーンだけがまともな実用性を持っているんです。
 他のヒロインのシナリオは、そのヒロインの個性を打ち消すような代物で、
 そのエロシーンは薄いエロシーンそのもの。
 ライターが何を重要視し、何を見せたかったかは、もはや一目瞭然。
 それは菫という一人のキャラクターであり、その他のキャラクターはオマケに過ぎないのです。
 
 確かに、菫というキャラクターは異色ヒロインであり、私の好む属性を持っているのですが、
 それだけで、本来50点も超えないようなゲームを65点にまで引き上げたりはしません。
 作者が一番見て欲しいヒロインを、それ相応のシナリオとエロシーンで魅力的に仕上げた、
 という風に感じたからこそ、65点まで引き上げたんです。
 菫は、単なる一発芸ヒロインじゃないんです。(←ここ重要)

>>結局・・・
 本来であれば、「絵が気に入ったんならどうぞ」っていうレベルの萌えゲーです。
 私のいう「眠たい萌えゲー」ですね。しかし、菫の存在がそれを覆しました。
 ハッキリいって、菫がノーマルなヒロインだったならば、
 このゲームは「数多くの萌えゲーの中のひとつ」として、その他大勢の中に埋もれていたでしょう。
 菫が「乾坤一擲の騙し討ち」を秘めたヒロインだったからこそ、
 少なくとも、私の脳裏に記憶されるゲームになったんです。
 ゲーム、小説でも映画でもそうですけど、記憶に残って、思い出になってナンボのもんだと思いますよ。
 当然、万人ウケはしませんが、そのぶん”その手の趣味の人”には、
 きっと喜んでもらえる内容になっていると思います。

 ま、次やるときは正々堂々とやってくださいね、シナリオライターさん。
 騙まし討ち、っていうのはあんまり褒められた手法じゃないのは確かですからね。
 そしたら、私のような人がイの一番に手を出しますから、ねw

>>余談・・・
 菫がノーマルヒロインだったと仮定した場合の評価を下に記しておきます。

 【システム】65
 【グラフィック】65
 【キャラクター】50(-10)
 【サウンド】60
 【シナリオ】40(-10)
 【総評】48(-17)
 ・お気に入りヒロイン=紅葉
  「くきゅう、きゅう」と連呼しながら主人公に懐いてくるイベントはGood。
  でも後半のシナリオ&エロシーンがあまりにもおざなりで、魅力を減衰させているのは残念。
  単なるお気楽シナリオであれば、魅力を引き出せただろうと思いますね。