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ガウリイは罪悪感と戦っていた。 もう手に入れるべくもない女を忘れようとする為に他の女を利用している自分が嫌だった。 けれどこれは自分の選んだ道。 選んだ運命。それを共にしてくれる可能性を示す女と関わる事が何故いけない? 傲慢な心がガウリイを支配していた。 自分に向き合うのに心が一杯で、ガウリイは自分の腕の中のケナの事にまで気持ちが及ばなかった。 唇を焦らすようにゆっくりと重ねると、ケナが縋りついて来た。 荒々しく服を剥ぐと、ガウリイは無理矢理ケナの体を弄った。 軽い抵抗も全部力で押さえこみ、愛撫を続けるうちに、ケナの腕がおずおずとガウリイの首に巻きついた。 堪えるようなくぐもった声を聴き、初めてケナの状態に気がつく。 体の力を抜いて、体重をかけ過ぎないように自分の体を少し起こすと、細い手が肩に掛かった。 その手が酷く震えていることにガウリイはようやく思い至った。 「経験ありそうな振りをするから」 「そんな振りしてない」 「じゃあ、好奇心旺盛なんだ」 「そうかもね」 「経験あんまりないだろ」 「まね」 「何やってるんだよ。俺は」 そういうとガウリイはケナの手を引き剥がすと起きあがった。 手探りで自分のシャツを引寄せると、その手に小さな手が重なった。 「いいよ。抱いても」 「だめだ」 「誰かの代わりにするから?」 「分かってるなら誘うな」 「いいよ。それでも」 「プライドはないのか?」 「それよりも、好奇心が旺盛ってことにしとこうかな。 いつまでもそうやってそのひと思いつづけるつもり?」 ケナの言う通りだった。 だからと言って、今リナを忘れる為にケナを抱くわけには・・・ 「良いっていってるのに。それともこんな顔の女はやっぱり嫌だよね」 「そんなこと言ってない」 「じゃあ」 そういうと、ケナはガウリイの胸に飛び込んだ。 小さくて熱い唇がガウリイの喉に押しつけられた。 ゆっくりと湿った舌が喉を這い、胸へ降りていくと、堪らずガウリイはケナを組み伏せた。 ケナはここへ来てから、くちなしの香りをつけていた。 グレースが持っていた化粧品のなかから、これがいいと、選んでつけていた。 その香りがガウリイを満たした。 リナはどんな香りがしていたのだろう。 何もつけなくても女らしい良い香がしていたのを思い出す。 けれどそれがどんな香りだったのかはもうわからなかった。 無意識にガウリイはケナの耳を攻めた。 舌先で耳をなぞるとケナが震えた。 びくびくと若魚のようにガウリイの腕の中でケナが跳ねる。 ガウリイは胸が痛んだ。 柔らかい肌に手を這わせる。 胸の傷はもういいらしい。こちらはもうほとんど傷跡がわからない。 胸の膨らみをそっとつつむ。 ケナも胸は大きいほうではない。 なんだか俺は小さい胸の女にばかり縁があるらしい。 親指の先で円を描くように胸の頂きを擦ると、甘い吐息が漏れる。 すすり泣きをするほどケナを愛撫してようやくガウリイは体を重ねた。 ケナの足が手が、ガウリイの体に巻きつく。 ゆるやかにリズムを刻み始めると、ケナもそれに合わせて頂上を目指す。 昂ぶるケナがガウリイの肩に爪を立て伸び上がって耳に噛み付いた。 ケナをそのままに、ガウリイは急速に自分が醒めていくのを感じた。 試すように手を這わせ体を動かしてみる。 思った通りの反応に、ガウリイの表情が変わる。 そしてまた、意を決したように、ガウリイは激しく体を動かした。 薄れていく意識の中で、ケナは確かにガウリイが自分の名前ではない女の名前を呼んだのを聞いた。 涙が一筋流れた。 けれどそれはガウリイの目に留まることもなく、シーツの波に吸いこまれていった。 体を離すなり眠ってしまった女の顔をガウリイはそっと触っていた。 見えるものなら見たい。 どんな顔をしているのか。 眉から目。鼻筋。 唇から顎、そして耳。 手をとって指を一本一本口に含んでは確かめる。 体中を隈なく触ってそしてきつく抱き締めた。 「何がケナだよ」 ガウリイの声は震えていた。 |