百合と薔薇

第9話:恋敵


作:千菊丸さん
ハーコート邸のパーティーから数日経ったころ、ダンデライオン一座の公演が終わった後、ナージャとフランシスは毎日会うようになっていた。
フランシスはナージャの太陽のような明るさに、徐々に惹かれてゆくのがわかった。
ナージャもフランシスの優しい一面に、心惹かれていった。

この日も、ナージャとフランシスはデートを楽しみ、別れようとしていた。
「じゃぁ、また明日。君の公演を見に行くよ。」
「楽しみにしてるわ、またねフランシス。」
ナージャとフランシスは互いの頬にキスをして別れた。ナージャは帰路を急いでいた。
その時、裏の路地から背の高い女性と、ローズマリーが現れた。

「久しぶりね、ナージャ。」
「ローズマリー。」
姉妹のように育ったローズマリーに、ナージャは駆け寄った。
「どこに行っていたの?元気にしてる?」
「元気にしてるわ。この人があなたに話があるんですって。」
そう言ったローズマリーは不敵な笑みを浮かべていた。 「はじめまして。わたくし、メリーアン・ハミルトンともうしますわ。」
「こっ、こちらこそ。私は、ダンデライオン一座の踊り子で、ナージャ・アップルフィールドです。」
メリーアン・ハミルトン。
ナージャはメリーアンの顔を見た。
よくファッション誌の表紙を飾っているスーパーモデルだわ。
ヨーロッパの政財界を牛耳っているハプスブルク、プレミンジャー、ハーコートの3家よりも劣らない名門貴族・ハミルトン家の令嬢が何故こんなところに?
それに何故スーパーモデルである彼女が、踊り子である私に何のようなのかしら?

「私、あなたにお願いがあって来ましたの?」
「お願いって・・なんでしょうか?」
「フランシスを・・取らないで。私とフランシスは幼なじみで、私はフランシスが好きなの。あなたにフランシスは渡さないわ。フランシスを諦めて!」
美女の口から出る激しい言葉に、ナージャは一瞬あっけにとられたが、メリーアンに言い返した。
「私、フランシスのことが好きです。諦めろって言われても、諦めません!!」
「フランシスは私のものなのよ!!」
メリーアンはそう言うとナージャの両肩を掴むと、ナージャの身体を激しく揺すった。
般若のような形相をしていなければ、誰もが羨む美女だろう。
だが、ナージャの目の前にいるメリーアンは、嫉妬に狂い醜く顔を歪ませた女に過ぎなかった。

「お姉様、誰か来るわ!!」
ローズマリーの声を我に返ったメリーアンは、ナージャを突き飛ばした。
「お姉様って・・ローズマリー、どうしてあなた、メリーアンさんと・・」
「私、メリーアン様の妹になったのよ。ハミルトン伯爵の養女になったの。プリンセスになったのよ、ナージャ。」
ローズマリーの顔には、アップルフィールドで見せていた笑顔はそこになく、メリーアンと同じ嫉妬で醜く歪んでいた。
「あなたは私の忠実なナイトだった・・それなのに、楽しそうにワルツを踊って・・裏切り者!私は決してあなたを許さないわ、ナージャ。地獄の底に突き落としてやるんだから。」
そう言ってローズマリーはメリーアンの方にきびすを返した。
「それではまた会いましょう、ナージャさん。フランシスは渡さなくてよ・・」

メリーアンとローズマリーが去った後、ナージャはいつまでもショックで身体を震わせていた。









フランシスとのデートを楽しんだナージャの前に、メリーアンとローズマリー登場。
ローズマリーは没落貴族であった両親に捨てられ、ハミルトン伯爵の養女となり、プリンセスへの野望を突き進んでいきます。と同時に、自分を裏切ったナージャを陥れようと、フランシスを想っているメリーアンと結託します。

メリーアンはフランシスの幼なじみで、フランシスに想いを寄せています。ナージャを目の敵にし、彼女を消そうと企みます。
本編とは性格が若干違いますので、それを踏まえてこの物語をお楽しみいただければ嬉しいです。

私事なのですが、最近「Gyao」というサイトに無料登録し、韓国ドラマ「星に願いを」に夢中になっています。
孤児のヨニが、継母や義姉からのいじめを受けながらも、ファッションデザイナーを目指すシンデレラ・ストーリーです。
原作はいがらしゆみこ氏のマンガ「キャンディ・キャンディ」だそうで。
1話は「ドラマ韓」というサイトで無料で見たのですが、Gyaoでは完全無料ですので、第2話〜第6話まで楽しめました。
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Novel&Message by 千菊丸さん


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