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メリーアンが逮捕されて1ヶ月。 ナージャとフランシスの元に、1通の手紙が届いた。 キースからだった。 拝啓, ナージャ、フランシス、元気にしてますか? 俺は今、ドイツで児童養護施設や孤児院で慈善活動をしています。 怪盗黒バラとしての生活も捨てがたかったけど、 もう、そんなことをするのは子どもじみた真似だとわかったんだ。 いままで俺は父と、貴族社会を憎んでいた。 でも、ただ憎むだけでは終わらないって、今わかってきた。 だから、今は1人でも多くの子ども達が幸せになるように、俺は頑張っています。 ナージャとフランシスへ,キースより 「キースも、変わったな。」 「色々とあったけど、キースは自分の道を見つけたのね。」 「メリーアンも、自分の道を見つけてくれればいいけど。」 キースの手紙が届いた次の日、ナージャはメリーアンと面会することにした。 囚人服を着たメリーアンには、スーパーモデルとして輝いていた彼女の姿は微塵も感じられなかった。 「何しに来たの?私を笑いにでも来たつもり?」 「メリーアン、あなたには随分ひどいことされたわ。でも、私が1番、あなたにひどいことをしたのよね。フランシスをあなたから奪った・・でも私はフランシスを愛しているの。決してあなたから奪おうと思って奪ったわけじゃない。それだけはわかってほしいの。」 メリーアンは黙っていた。 「私がもし貴女の立場だったら、あなたみたいに嫉妬に狂っていたかもしれない。私、1度死のうとした。でも、キースに助けられてわかった。いつまでも悲しんだり、人を怨み続けたりしたら明日は来ない。私はあなたを怨んだりしない。」 「そう。私バカだったわ。あなたからフランシスを取り戻したいばかりに、私はひどいことをしてしまったのよ。許してちょうだい・・」 そう言ってメリーアンは泣き崩れた。 「いいのよ。」 ナージャはそう言って面会室を後にした。 「ナージャ!」 メリーアンはたまらず叫んだ。 「私、自分の道を見つけるわ!いつになるかわからないけど・・私は自分の道を見つけてみせる!」 「その言葉が聞きたかったの。」 ナージャはそう言って微笑んで、メリーアンに背を向けた。 メリーアンとナージャの和解。 フランシスを取り戻したいばかりに、嫉妬に狂い、常軌に逸した行動を取ったメリーアン。 ナージャは彼女のせいでさんざんな目に遭いましたが、いつまでも人を怨んだり、悲しんだりしたら明日は来ないと知り、メリーアンとの和解を求めたのです。 メリーアンは、これからフランシスへの怨み辛みを断ち切り、自分の道を模索することでしょう。 次回は、最終回です。 Novel&Message by 千菊丸さん |