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パーティーは盛況だった。 ルドルフは従兄弟や友人達と談笑していた。 「お父様。」 ルドルフの1人娘・エリザベート(エルジィ)がやって来た。 「エルジィ、どうした?」 「お父様、お誕生日おめでとう。」 そう言ってエルジィはルドルフにプレゼントを差し出した。 「ありがとう。」 「お父様、このパーティーが終わったらハバナへ行くのよね?」 「そうだよ、エルジィと2人で、いっぱい楽しもうね。」 「お母様は?」 「お母様は、お忙しいんだよ。」 そう言ってルドルフは娘の頭を撫でたが、顔はこわばっていた。 「ハバナの別荘か・・この間は南アフリカに行ったとか言ってたな。」 「エルジィちゃん、可愛いいね。お父様似だね。」 ワインを飲みながら、フランシスとキースが言った。 「私の財産は、娘に継がせるつもりだ。」 「じゃぁ、奥さんとは?」 「別れる。」 シュティファニーは、ルドルフの方を振り返った。 「どうして?」 「あいつとは政略結婚だ。あいつには何も渡さない。」 シュティファニーにわざと聞こえるようにルドルフに言った。 「あなた、いやよ別れるなんて!」 そう言うと、シュティファニーは夫にすがった。 「お前は彼氏がいるんだろう?そいつと幸せになったらどうだ?」 ルドルフはそう言うと、妻を振りほどいた。シュティファニーはテーブルにぶつかり、料理を頭から浴びた。 「いやよ・・私は一体なんのために・・何のために嘘をついたのよぉー!」 ルドルフの歩みがとまった。 「あの男と一緒になれないように車に細工をして、アルフレートが捨てたってあなたに吹き込んで・・全てあなたのためにやったのにぃ!!」 ルドルフはシュティファニーを見下ろした。 「荷物をまとめて出て行け。」 シュティファニーの嘘は、あっけなくバレた。 その夜。 アルフレートは、ハプスブルク邸に泊まることとなった。 「アルフレート、私を想ってくれていたのか?」 ルドルフは、壁に向かって呟いた。 シュティファニーの嘘に躍らされ、アルフレートに憎しみを抱いていたルドルフであったが、憎しみが揺らぎ、消えようとしていた。 アルフレートは部屋で寝返りを打った。 その時ドアが開き、シュティファニーが入ってきた。 彼女の手には、ナイフ。 Novel&Message by 千菊丸さん |