百合と薔薇

第51話:バレた嘘


作:千菊丸さん
パーティーは盛況だった。
ルドルフは従兄弟や友人達と談笑していた。
「お父様。」
ルドルフの1人娘・エリザベート(エルジィ)がやって来た。
「エルジィ、どうした?」
「お父様、お誕生日おめでとう。」
そう言ってエルジィはルドルフにプレゼントを差し出した。
「ありがとう。」
「お父様、このパーティーが終わったらハバナへ行くのよね?」
「そうだよ、エルジィと2人で、いっぱい楽しもうね。」
「お母様は?」
「お母様は、お忙しいんだよ。」
そう言ってルドルフは娘の頭を撫でたが、顔はこわばっていた。
「ハバナの別荘か・・この間は南アフリカに行ったとか言ってたな。」
「エルジィちゃん、可愛いいね。お父様似だね。」
ワインを飲みながら、フランシスとキースが言った。
「私の財産は、娘に継がせるつもりだ。」
「じゃぁ、奥さんとは?」
「別れる。」
シュティファニーは、ルドルフの方を振り返った。
「どうして?」
「あいつとは政略結婚だ。あいつには何も渡さない。」
シュティファニーにわざと聞こえるようにルドルフに言った。
「あなた、いやよ別れるなんて!」
そう言うと、シュティファニーは夫にすがった。
「お前は彼氏がいるんだろう?そいつと幸せになったらどうだ?」
ルドルフはそう言うと、妻を振りほどいた。シュティファニーはテーブルにぶつかり、料理を頭から浴びた。
「いやよ・・私は一体なんのために・・何のために嘘をついたのよぉー!」
ルドルフの歩みがとまった。
「あの男と一緒になれないように車に細工をして、アルフレートが捨てたってあなたに吹き込んで・・全てあなたのためにやったのにぃ!!」
ルドルフはシュティファニーを見下ろした。
「荷物をまとめて出て行け。」
シュティファニーの嘘は、あっけなくバレた。
その夜。
アルフレートは、ハプスブルク邸に泊まることとなった。
「アルフレート、私を想ってくれていたのか?」
ルドルフは、壁に向かって呟いた。
シュティファニーの嘘に躍らされ、アルフレートに憎しみを抱いていたルドルフであったが、憎しみが揺らぎ、消えようとしていた。

アルフレートは部屋で寝返りを打った。
その時ドアが開き、シュティファニーが入ってきた。
彼女の手には、ナイフ。










Novel&Message by 千菊丸さん


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