|
2005年8月。 アルフレートがハーコート家専属のデザイナーとして働き始めて8ヶ月。 彼はパリコレで成功を収め、トップデザイナーとして活躍していた。 アルフレートのデザインは、エレガンスを基調とした独創性豊かなドレスを数々と発表し、上流階級を中心に彼のドレスは売れ、自分のブティックを持てるまでになった。 アルフレートのブティックは連日にぎわい、人気商品は売り切れ、在庫がなくなり、注文が追いつかないほどであった。 幼い頃からの夢を叶え、アルフレートは順風満帆な生活をしていた。 だが、彼の心にいつもひっかかるのは、あの悪夢。 自分の首を絞める男性は誰なのか。 あの夢を見るたび、男性の輪郭がくっきりとしてくる。 男性は、金髪蒼眼でハンサムだった。 一体、あの男性は誰なのだろうか? 「アルフレート、こんにちは。」 そんなことを考えていたある日、フランシスが双子の兄・キースとともにブティックにやってきた。 「フランシス様、キース様、こんにちは。どうしたんですか?」 キースは無言で招待状をアルフレートに渡した。 「今度ハプスブルク財閥で社長のルドルフ様の23歳の誕生日を迎えられるんだ。21日の誕生日パーティーに、君もどうかなと思って。」 「でも、私はそのような場には・・」 「トップデザイナーとしてのアルフレート=フェリックスを見せつけてやれよ。」 キースはアルフレートの意志薄弱な態度にイライラしていた。 「大丈夫、僕たちがついているから。」 「では、出席させていただきます。」 そう言ってアルフレートは、パーティーの招待状を受け取った。 あの悪夢が、ルドルフとの再会を暗示していることを、アルフレートはまだ知らなかった。 Novel&Message by 千菊丸さん |