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アルフレートの仕事は終わった。 「素敵なドレスを作ってくださってありがとう。」 ローズマリーはできあがったばかりのドレスを着て、鏡で見ながら言った。 「お礼としてなんだけど、今夜食事にでも行かないこと?」 アルフレートはローズマリーの誘いを受けた。 その夜、ローズマリーが予約した店にアルフレートは行った。 彼女は奥まった個室にいた。 「待っていたわ。」 そう言ってアルフレートに微笑むローズマリーに、アルフレートは一瞬影がさしたように見えた。 「わざわざ食事に誘っていただいて、ありがとうございます。」 「アルフレート、あなたには私のために働いてくれたわ。私が会った中でいままで一番仕事のできるデザイナーだわ。」 「ありがとうございます。」 ローズマリーはほくそ笑んで、バッグから銃を取り出した。 「でも−残念ね、あなたには死んでもらわなくちゃいけないわ。」 「何故です、何故私を・・」 「ある人に頼まれたの。お前を殺して欲しいってね。」 アルフレートは銃を見てドアへと走った。 「逃がすモノですか!」 アルフレートは死にものぐるいで逃げた。 ティエリに電話をかけ、ブティックをしばらく休むことになるけれど申し訳ありません、というメッセージを残し、アルフレートはロンドンに向かった。 「チッ」 アルフレートに逃げられ、ローズマリーは舌打ちした。 ロンドンに着いたアルフレートは、働く当てもなく街を彷徨った。 その時、アルフレートの前に車がとまった。 「危ないじゃないの!」 「すいません。」 高級車に乗った男は、アルフレートに手をさしのべた。 「お怪我はありませんか?」 「はい。」 アルフレートは足首を捻挫していた。 怪我が治るまで、アルフレートはフランシス=ハーコートの元で働くこととなった。 フランシスはアルフレートを専属デザイナーとして雇った。 Novel&Message by 千菊丸さん |