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「メリーアン、調子はどうだい?」 フランシスは、妊娠している妻に向かって言った。 「大丈夫。」 メリーアンはそう言って夫に微笑んだ。 メリーアンは、現在「妊娠中」である。 だがそれは、フランシスにナージャを忘れさせるための、嘘に過ぎなかった。 10ヶ月前、ナージャが行方不明となり、フランシスは必死に彼女を捜し続けたが、目撃情報もなく、フランシスは意気消沈した日々を送った。 追い打ちをかけるかのように、海辺でフランシスがナージャに送った髪留めが見つかった。 そのことからナージャは海へと投身自殺したという悲しい結果が明かとなった。 メリーアンはナージャがいなくなり、フランシスを我がものにした。 (これで私はフランシスと・・) 忌々しいライバルが消えた今、彼女に恐れるモノはなにもなかった。 メリーアンは巧みな演技でフランシスを騙した。 フランシスが部屋を出ていくと、メリーアンはナージャの写真を手に取った。 「あんたが望んでいたものは、全て私の物よ・・」 Novel&Message by 千菊丸さん |