百合と薔薇

第34話:パズルのピース


作:千菊丸さん
2004年12月。
ティエリのブティックで働きだしてから10ヶ月。
アルフレート=フェリックスはデザイナーとして数々のコンクールで優勝し、デザイナーとしての成功をつかんでいた。
「君はもう僕の手を離れて店を持てるよ。もう君に教えることはない。」
ティエリはそう言って、アルフレートの新作を見ながら言った。
「はい・・」
もうすぐクリスマス・イヴ。
3年前、自分が一度「死んだ」日が近づこうとしていた。
あのとき、一部失った記憶は戻らない。
何が自分の身に何が起こったのか。
時折夢に現れる男性は誰なのか?
そして恐ろしい形相で自分を睨む女性は?
まるでバラバラになったパズルのピースのように、アルフレートの夢に、失われた記憶の一部が現れる。

私は、一体?

「・・ト、アルフレート?」
「すいません、ぼうっとしていて。」
ティエリが心配そうな顔でアルフレートを見つめていた。
「どうかしたのかい?このごろ君はぼうっとすることが多いね。」
「はい、3年前のことを思い出して。」
「3年前といえば・・君がダンデライオン一座で働いていたときだね。」
「私は、イヴの日に何があったのか思い出せないのです。一体何が起こったのか?そして、夢に現れる
私を見つめる男性は誰なのか?」
「記憶が戻ることにこだわってはいけないよ。いずれ戻るさ。」
ティエリはそう言って、アルフレートの肩を叩いた。

 記憶が戻ったとき、私はどうなるのだろうか?

アルフレートは仕事にとりかかった。










Novel&Message by 千菊丸さん


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