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2004年12月。 ティエリのブティックで働きだしてから10ヶ月。 アルフレート=フェリックスはデザイナーとして数々のコンクールで優勝し、デザイナーとしての成功をつかんでいた。 「君はもう僕の手を離れて店を持てるよ。もう君に教えることはない。」 ティエリはそう言って、アルフレートの新作を見ながら言った。 「はい・・」 もうすぐクリスマス・イヴ。 3年前、自分が一度「死んだ」日が近づこうとしていた。 あのとき、一部失った記憶は戻らない。 何が自分の身に何が起こったのか。 時折夢に現れる男性は誰なのか? そして恐ろしい形相で自分を睨む女性は? まるでバラバラになったパズルのピースのように、アルフレートの夢に、失われた記憶の一部が現れる。 私は、一体? 「・・ト、アルフレート?」 「すいません、ぼうっとしていて。」 ティエリが心配そうな顔でアルフレートを見つめていた。 「どうかしたのかい?このごろ君はぼうっとすることが多いね。」 「はい、3年前のことを思い出して。」 「3年前といえば・・君がダンデライオン一座で働いていたときだね。」 「私は、イヴの日に何があったのか思い出せないのです。一体何が起こったのか?そして、夢に現れる 私を見つめる男性は誰なのか?」 「記憶が戻ることにこだわってはいけないよ。いずれ戻るさ。」 ティエリはそう言って、アルフレートの肩を叩いた。 記憶が戻ったとき、私はどうなるのだろうか? アルフレートは仕事にとりかかった。 Novel&Message by 千菊丸さん |