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キースはミラノでモデルの仕事を終え、ウィーンに羽を伸ばしに来ていた。 寄宿学校を卒業してから、キースはパリでモデルとしてスカウトされ、一躍トップモデルとして活躍するようになった。 モデルの仕事もさることながら、キースは陰では庶民の味方、「怪盗黒バラ」として、不正に金を使う貴族から金品を盗み、活躍していた。 キースは父を、そしてフランシスを憎んでいた。 『貴族』という限られた世界の中で慈善事業に打ち込むフランシス。 権力に者を言わせる父・・キースは2人を、『偽善者』として見ていた。 (所詮あいつらのやっていることは偽善に過ぎない。俺が世界を変えてみせる) 黒いスーツに白いシャツ。 シンプルなファッションに身を包み、ウィーンの街を歩くキースは、女性達の視線をいやおうがなしに集めた。 すらりとした体躯。 モデルとして身に付いた優雅な歩き方。 本人は自覚していないが、キースは光と影、どちらからも注目を浴びていた。 キースは弟が宿泊しているというホテルに来た。 ロビーに入ると、弟がプラチナブロンドの少女と楽しく話していた。 「兄さん、久しぶりだね。」 兄の姿に気づいたフランシスは、にこやかにキースに歩み寄る。 「久しぶりだな、フランシス。その子は?」 「ああ、紹介するよ。僕の婚約者で、ナージャだ。ナージャ、僕の双子の兄で、キースだ。」 ナージャと言う少女はキースの瞳をまっすぐに見つめ、笑みを浮かべた。 「はじめまして、ナージャ・アップルフィールドです。」 差し出された彼女の右手に、キースは口づけした。 「こちらこそ、レディ・ナージャお会いできて光栄ですよ。」 これが、キースの初恋だった。 それからキースは、ナージャのことが頭から離れられない。 彼女は弟の婚約者であるというのに、キースはナージャのことを愛しいと思う。 決して結ばれない恋。 だが、キースはナージャを諦める気はなかった。 ある日の午後。 キースはナージャをウィーンのプラター公園に呼び出した。 「あなたに、話しておきたいことがあるのです。」 「何かしら?」 キースの、自分を見つめる真剣な表情に、ナージャはただならぬものを感じた。 「何でしょうか?」 「私は・・あなたが、好きです。」 そう言うとキースは、ナージャの手を握った。 「でも、私は・・」 「わかっています。あなたはフランシスと・・弟と結婚する人だ。でも、この想いはもう止められない!!」 キースは自分の想いを叫ぶとナージャを抱きしめた。 「やめて!離して!!」 その時、茂みが揺れ、中からフランシスが現れた。 「ナージャ、兄さん・・?」 ナージャに一目惚れしてしまったキース。 自分の想いをナージャに告白し、彼女を抱きしめるキース。 その姿をフランシスが目撃してしまう。 次回からナージャとフランシス、キースのドロドロの三角関係が始まります。 韓国ドラマを参考にしようとおもっておりますが、やはり、「冬のソナタ」ですかね。 ナージャがユジンで、フランシスがジュンサンで、キースがサンヒョク?! そしてチェリンがローズマリー?! って、シャレになりませんでしたので却下。 この小説のキースはセクシーかつクール、そして情熱的な性格に設定しようと思います。 ハーレクインチックに一部なると思いますが、皆様お許しを・・。 Novel&Message by 千菊丸さん |