百合と薔薇

第17話:ローズマリーとナージャ


作:千菊丸さん
ローズマリーは、ナージャを陥れようとウィーンに向かい、ナージャの母・コレットと会う。
「お母様、私よ、ナージャよ。」
「ナージャ、あなたなの、ナージャ!!」
人がいいコレットは、ローズマリーの巧妙な演技にコロッと騙された。
それからのローズマリーは、プレミンジャー公爵、財閥社長の孫娘『ナージャ』として、幼い頃からの夢への階段を着実に昇っていった。
ナージャは知り合いの新聞記者・ハーヴィーから、ある週刊誌の記事を見せられた。

『13年間離れていたプレミンジャー財閥の娘・コレットさん、愛娘・ナージャと再会!!』

 11月17日、ヨーロッパ財閥御三家のひとつ、プレミンジャー財閥の娘・コレットさん(32)は、13年間生き別れていた愛娘・ナージャさん(13)と再会した。
コレットさんはナージャさんを産んでから大病にかかり、ナージャさんと引き離された。
コレットさんは報道陣の質問に、こう答えていた。
「大変嬉しいですわ。これは神様の思し召しですわ。今は亡き夫が私と娘を引き合わせてくれたんですわ。」

ナージャさんは、
「長い間探していたお母様に会えるなんて、奇跡としかいいようがありません!!」

記事に映っていたのは、コレットと並んで笑顔を振りまくローズマリーだった。
「ローズマリー、なんで・・あなたが・・」

記者会見が終わり、記者達が去っていた後、コレットはローズマリーに微笑んだ。
「これからは一緒にいましょうね、ナージャ。」
「ええ、お母様。」
「おやすみなさい、ナージャ。」
「おやすみなさい、お母様。」
コレットが部屋を出ていった後、ローズマリーは口端に笑みを浮かべた。
「これで私はプリンセスだわ・・」
ローズマリーはメリーアンと別れ、プレミンジャー公爵の息子・ヘルマンと出会った。
「お前、プリンセスになりたいんだろ?ならいい情報があるぜ・・」
ヘルマンは、ギャンブルに溺れ、父親から勘当されていた。
ローズマリーはプレミンジャー公爵を巧みな演技で騙し、『ナージャ』の地位を手に入れた。
「ナージャ、必ずあんたを潰してあげる・・」
ナージャとダンデライオン一座、そしてフランシスは、一路ウィーンへと向かっていた。
母を騙し、盗もうとしているローズマリーを、ナージャは許せなかった。
プレミンジャー公爵邸が見えてきた。
門の処で、フランシスが事情を説明すると、執事は快く門を開けてくれた。

「ここからは、私とフランシスで行くわ。」
そう言って、ナージャはフランシスの手を取った。
「頑張れよ、ナージャ。」
「ローズマリーなんかに負けるなよ。」
「あなたの勝利を祈ってるわよ、ナージャ。」

「みんな、ありがとう・・」
ナージャは涙を拭い、ダンデライオン一座と別れ、公爵邸へと入っていった。
執事に通された部屋に、ローズマリーは現れた。
「しばらくね、ナージャ。」
「ええ、卑怯者のローズマリー。」
重苦しい沈黙が流れた。
「何故、こんな真似をするの?あなたは私に何の恨みがあるの?」
「恨みですって?」
ローズマリーは突然高笑いした。

「あの舞踏会の夜、あなたはお姫様のように周りから注目されていたわ・・本来私があの場にいるべきなのに・・裏切ったのね・・私は、あなたを潰してあげる・・そして、プリンセスの座を手に入れるの・・」
「あなたは可哀想な人ね。心が卑しい人は、真のプリンセスにはなれないわよ。」
「なれるわ、私はプリンセスになるのよ!!」
ローズマリーの目は、狂気に満ちていた。

ほどなくして、ローズマリーの嘘はバレてしまった。

それは、ローズマリーが交通事故に遭い、血液型検査の際、コレットとは違う血液型と判明し、疑問を抱いたプレミンジャー公爵は、コレットとローズマリーのDNA検査をした結果、衝撃の事実が発覚した。

コレットとローズマリーは親子ではないと。
そして、ローズマリーの陰謀は、息子・ヘルマンが絡んでいたと。
プレミンジャー公爵は激怒し、ローズマリーはプリンセスの座につかれず、1人寂しくアメリカに渡った。

ローズマリーとナージャ。
2人の少女の運命は、複雑に絡み合う。









アニメ本編ではナージャがローズマリーによってさんざんな目にあっていたので(公式HPであらすじをチェックしました)、小説ではナージャの圧勝という形で2人の対決を終わらせました。

ローズマリーは一筋縄ではいかない女です。
いつかナージャと対決する日が来ます。

Novel&Message by 千菊丸さん


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