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ルドルフとアルフレートの関係は、親友から恋人同士へと発展していった。 2人の絆は、マリーの力にも及ばなかった。 ずっと、一緒にいれると思っていた。 しかし、幸せは長く続かなかった。 ルドルフの母・エリザベートが、パリの別邸に訪れた。 世界的ピアニストとして、世界中を旅している彼女は、本邸のあるウィーンにとどまらず、1年中留守であることが珍しくなかった。 「ルドルフ、久しぶりね。」 「お帰りなさい、母上。」 久しぶりに見る母に、ルドルフは素っ気なく挨拶をしただけだった。 「ルドルフ、あなたにいいお話があるのよ。」 そう言うとエリザベートは、1枚の見合い写真を開いた。 そこには、まだ幼さが残る、大柄で不器量な少女が映っていた。 「母上、この方は・・?」 「ベルギー物産の令嬢・シュティファニーさんよ。あなたとは年が近いから、良いご縁だと思って。 シュティファニーさんは来週にもパリに来てここに滞在するわ。」 そう言うとエリザベートは部屋にさがっていった。 「アルフレート・・」 ルドルフは見合い写真を持って呆然としていた。 まだ14になったばかりの彼に、突然の縁談はショックだった。 「ルドルフ様・・」 「いやだ、私は結婚しない。お前と一緒にいるんだ。一生、お前と・・」 「ルドルフ様、私はあなたの元でお仕えします・・ご結婚なされても、あなた様の傍に・・」 「いやだ!」 ルドルフはそう言うとアルフレートを壁際に押しつけ、無理矢理唇を奪った。 1週間はまたたくまに過ぎ、ルドルフの婚約者となるシュティファニーがやって来た。 写真で見たとおり大柄で、不器量な少女であった。 アルフレートは、ルドルフの妻となる少女を見て、不安を覚えた。 (ルドルフ様はご結婚されたら私を捨てるのだろうか・・) 雑念を振り払い、アルフレートは仕事に没頭した。 「お前、ここの使用人?」 アルフレートがルドルフの食事の用意をしていると、シュティファニーが声をかけた。 「はい。そうでございますが、何か・・」 「お前、ルドルフ様と幼なじみだそうね。この際言っておくけど、ルドルフ様は私の夫となる人なの。色目を使ったら承知しないから!」 シュティファニーは醜い顔をさらに醜く歪ませてアルフレートを突き飛ばすと、大股で去っていった。 シュティファニーは、パリに向かう途中に、女友達からルドルフの噂を聞いた。 「ねぇ、知っていて?ルドルフ様は使用人のアルフレート様に首ったけなんだそうよ。」 「というのもアルフレート様とルドルフ様とは幼なじみですって・・」 「恋に落ちるのも時間の問題ということね。絵になる恋人同士じゃなくて?」 (私は負けなくてよ・・あんな、使用人ごとき卑しい者に、ルドルフ様は渡さなくてよ・・) シュティファニーはアルフレートに対して、敵意と嫉妬を全開させていた。 ついに登場。 性悪女・シュティファニー。 「天上の愛 地上の恋」本編ではほとんど出ていなかった彼女ですが、私が嫌いな女性キャラです。 なので、この小説ではルドルフ様を一方的な愛で縛る自己中な女として描きます。 アルフレートに対して嫉妬全開。 次回、アルフレートに敵意を抱いたシュティファニーは、あの手この手でアルフレートをいびる。 Novel&Message by 千菊丸さん |